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NIO Firefly改良版が価格据え置きで登場 – 日本のコンパクトEVとどう違う?

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中国EV: NIO Firefly改良版が価格据え置きで登場 – 日本のコンパクトEVとどう違う?

約260万円のコンパクトBEVが、装備とパワーを底上げして再登場した。NIO傘下のブティックブランド「Firefly」が改良モデルを正式発売した。モーター出力の向上や装備追加を施しながら、価格は据え置き。バッテリーレンタルプログラム(BaaS)を利用すれば、車両本体は約173万円からという設定だ。

Firefly改良モデルの中身

改良の核はモーターのピーク出力で、105kWから120kWに引き上げられた。0-100km/h加速は7.9秒に短縮されている。このパワーアップは既存オーナーにもOTAアップデートで提供される。

装備面では、タイヤ空気圧モニタリングシステム、ドアミラーの自動格納・メモリー機能を新たに搭載。いずれも既存オーナーからの要望が多かった機能だという。スマートドライビング用のブルーインジケーターライトも追加された。

ソフトウェア面ではAster 1.4.0アップデートが同時配信され、Nintendo Switchの画面ミラーリングに対応。100m以内の走行ルートを記録して正確に後退できるトラッキングリバース機能、ペダル踏み間違い時の急発進抑制アシストも加わった。

価格体系——BaaSなら約173万円から

改良モデルの価格は、バッテリー込みのベースグレードが11万9,800元(約260万円)。上位グレードは12万5,800元(約273万円)。BaaSプログラムを選択した場合、ベースグレードは7万9,800元(約173万円)、上位グレードは8万5,800元(約186万円)まで下がる。月額バッテリーレンタル料は399元(約8,700円)だ。

BaaSはNIOグループの特徴であるバッテリー交換ステーションと組み合わせて利用するサービスで、車両価格からバッテリー分を切り離すことで初期費用を大幅に抑えられる。NIOグループは中国国内で3,000基以上のバッテリー交換ステーションを稼働させており、現在展開中の第5世代ステーションはFireflyにも対応する。

日本のコンパクトEVと並べてみる

では、300万円以下で買える日本のコンパクトEVと比べるとどうか。現在、日本市場でこの価格帯に収まるBEVは選択肢が限られる。代表格は日産サクラと三菱eKクロスEVで、いずれも軽自動車規格だ。

項目 NIO Firefly(改良版) 日産サクラ 三菱eKクロスEV
車格 コンパクト(小型車) 軽自動車 軽自動車
車両価格 約260万円(BaaS: 約173万円) 約255万円〜 約254万円〜
補助金適用後 —(日本未発売) 約180万円〜 約180万円〜
モーター出力 120kW(163PS) 47kW(64PS) 47kW(64PS)
0-100km/h 7.9秒 非公表 非公表
バッテリー交換 対応(BaaS) 非対応 非対応
OTAアップデート 対応 限定的 限定的

数字を並べると、Fireflyの動力性能は軽EVとは明確に異なる。120kWのモーターは日産サクラの47kWに対して2.5倍以上の出力で、高速道路での合流や追い越しで余裕が出る領域だ。一方、日産サクラは累計販売10万台を超え、CEV補助金を適用すれば実質150万円台で手に入る。日常の街乗り・セカンドカーとしての割り切りが明確で、そもそも求められている役割が違う。

Fireflyが日本に来たら何が変わるか

Fireflyは現時点で日本には導入されていない。しかしNIOはFireflyの累計販売5万台突破を発表しており、中国市場では「手頃なスマートEV」として若年層を中心に支持を集めている。国際展開の先鋒として位置づけられ、欧州ではすでにNIOブランドがノルウェーやドイツで展開中だ。

仮にFireflyが日本市場に投入された場合、最大の差別化要因はBaaSとバッテリー交換インフラになる。ただし、日本国内にバッテリー交換ステーションが整備されなければBaaSの価格メリットは成立しない。逆に言えば、インフラごと持ち込めるかどうかがFireflyの競争力を左右する。

現状、日本で300万円以下のパーソナルBEVは軽自動車規格に限られる。BYD DOLPHIN(約363万円〜)もこの壁を切れていない。Fireflyのようなコンパクト小型車が260万円で参入すれば、軽EVとは異なる選択肢として価格帯に風穴を開ける可能性がある。

出典

BLADE NOTE編集部
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