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Voyah新型タイシャンX8発表 – HarmonyOS最新版と800V対応の大型SUV

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中国EV: Voyah新型タイシャンX8発表 – HarmonyOS最新版と800V対応の大型SUV

デュアル15.6インチ2Kスクリーン、800V急速充電、EV航続は120kWhバッテリーで未知数——東風汽車傘下のVoyah(嵐図)が発表した新型タイシャンX8は、ファーウェイとの技術連携を前面に押し出した大型5人乗りSUVだ。フラッグシップのタイシャンに続く「タイシャン」シリーズ第2弾として、より幅広い価格帯での展開を狙う。

フラッグシップ譲りのデザインと車格

タイシャンX8のボディサイズは全長5200mm×全幅2025mm×全高1814mm、ホイールベース3090mmと、大型SUVとして堂々たる車格を備える。フラッグシップのタイシャンと共通するデザインテーマを踏襲しつつ、大型クロームグリルや装飾類を省いたすっきりとした外観にまとめた。

Voyahは2021年にブランドを立ち上げ、FREE(フリー)、DREAM(ドリーム)、タイシャンと展開してきた。タイシャンX8は4車種目のSUVとなり、ラインナップの中で「大型だがフラッグシップほど高価ではない」という戦略的なポジションを担う。東風汽車グループは2025年にNEV販売比率50%超を目標に掲げており、Voyahはその中核ブランドの一つだ。

800V・5C急速充電とHarmonyOS最新世代

パワートレインはEVとPHEVの2本立てで、いずれも800Vプラットフォームに5C急速充電を組み合わせる。800Vアーキテクチャは従来の400V系に比べて充電電流を抑えつつ高出力充電を実現でき、ケーブルの細径化や充電時の発熱低減にも寄与する。中国市場ではBYD、Xpeng、Zeekrなどが相次いで800V対応車を投入しており、2026年にはプレミアムセグメントの標準仕様になりつつある。

PHEV仕様には65kWhの大容量バッテリーをオプション設定し、EV航続は最大310km。フラッグシップのタイシャンと同様、CATL製の三元系リチウムパックが採用される見込みだ。EV仕様は最大120kWhのバッテリーを搭載可能で、Voyahブランド最大の純電動SUVとなる。PHEVは日常の通勤をEVモードでカバーしつつ長距離にも対応したいユーザー、EVは充電環境が整った都市部ユーザーがそれぞれターゲットとなるだろう。

コックピットには、ファーウェイのHarmonyOSの最新世代が初搭載される。2枚の15.6インチ2Kディスプレイは最大輝度1000nitで、独立動作にも連携表示にも対応する。ファーウェイの車載技術には、自社ブランドで販売する「スマートセレクション」モデル(Aito等)と、OEMに技術供給する「HI(Huawei Inside)」モデルの2系統がある。タイシャンX8は後者にあたり、「ファーウェイ技術を使うが自社ブランドで売る」というOEM側の戦略を象徴するモデルといえる。

競合と市場展望

受注開始は2026年上半期の見通し。価格は未発表だが、フラッグシップのタイシャンが37万9900〜50万9900元(約800万〜1075万円)であることから、それを下回る価格帯が見込まれる。

中国の大型NEV・SUV市場では、BYDの豹8(Bao 8)、Zeekrの8X、ファーウェイ自身のAito M8が直接の競合となる。豹8はBYDのDM-i 5.0プラグインハイブリッド技術を搭載し30万元台前半から、Zeekr 8Xは吉利のSEA2プラットフォームで800V対応、Aito M8はファーウェイのスマートセレクションモデルとして同じHarmonyOS系のインフォテインメントを備える。タイシャンX8はHarmonyOS最新版という差別化要素を持つものの、Aito M8とは技術基盤が重なるため、車両本体の価格設定や標準装備の充実度で差をつける必要がある。

Voyahの公式サイトではこのモデルのURLに「Titan X8」の名称が使われており、海外市場では「Titan」ブランドで展開される可能性がある。Voyahは現在、欧州や中東への進出を進めている。日本市場への導入は現時点で未定だが、参考として国内で購入できる同クラスの電動SUVにはトヨタbZ4X(約600万円〜、航続559km)やレクサスRZ(約880万円〜、航続494km)がある。タイシャンX8のPHEV仕様でEV航続310kmという数値は、日本のPHEV市場では突出した水準だ。ただし、日本国内の800V対応急速充電器はまだ限定的で、仮に導入される場合でも充電インフラの整備状況が実用性を左右することになる。

出典

BLADE NOTE編集部
BLADE NOTE編集部

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