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BYD Song Ultra EV — 5分充電で航続710km、約320万円からの新型SUV

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BYD: BYD Song Ultra EV — 5分充電で航続710km、約320万円からの新型SUV

10%から70%まで、わずか5分。BYDが中国で発売した新型SUV「Song Ultra EV」の充電性能が、EV選びの判断基準を変えつつある。価格は15万1,900元(約320万円)から。発売1週間で1万台超、累計では3万7,000台以上の受注を記録した。

Blade Battery 2.0とFlash Chargingの実力

Song Ultra EVの心臓部には、BYDの新世代「Blade Battery 2.0」が搭載される。バッテリー容量は68.4kWhと82.7kWhの2種類で、CLTC航続距離はそれぞれ605kmと710km。購入者の約70%が710km仕様を選んでいるという。

Flash Charging技術により、10%から70%までの充電がわずか5分、97%までも9分で完了する。氷点下30℃の極寒環境でも12分で充電できるとBYDは公表している。「急速充電対応」を謳うEVは多いが、ここまでの速度は現行モデルの中でも突出している。

先行予約者には18カ月間のFlash Charging無料特典が付き、通常購入でも1年間無料。充電コストの面でもハードルを下げにきた格好だ。

スペックと装備 — 320万円台の中身

パワートレインはリア単モーターで最高出力362馬力(270kW)。ボディサイズは全長4,850mm×全幅1,910mm×全高1,670mm、ホイールベース2,840mmと、同社のSong L DM-i PHEVよりやや大きい。日本で販売中のSEALION 7と近いサイズ感のSUVだ。

足回りにはBYD独自の「DiSus-C」インテリジェントボディコントロールを採用。路面状況に応じてダンピングをリアルタイム調整し、乗り心地を最適化する。購入者からは「予想以上に乗り心地とシャシー品質が良い」との声が上がっている。

車内は15.6インチの中央インフォテインメントと10.25インチのドライバークラスター、さらに26インチのヘッドアップディスプレイを装備。上位3グレードではルーフマウントLiDARと27個のセンサーを備えた「God’s Eye B」ADASパッケージをオプション選択でき、高速道路・市街地でのレベル3自動運転や自動駐車に対応する。購入者の45%がこのオプションを選択した。

日本市場の同価格帯EVと比べると

Song Ultra EVの中国価格帯(約320万〜380万円)は、日本で購入できるEVと比較すると際立ったコストパフォーマンスを示す。

車種 価格帯(税込) 航続距離 充電性能
BYD Song Ultra EV(中国価格) 約320〜380万円 605〜710km(CLTC) 10→70%: 5分
BYD DOLPHIN(日本) 363〜407万円 400km(WLTC) 30分(30→80%)
BYD ATTO 3(日本) 440〜520万円 470km(WLTC) 30分(30→80%)
日産リーフ 60kWh(日本) 約530万円 450km(WLTC) 約60分(CHAdeMO)

CLTCとWLTCの測定基準の違いはあるものの、710kmという数値は実走行でも500km以上が期待できる水準だ。中国の第三者調査機関CarFansも「急速充電性能がSong Ultraへの関心を明らかに押し上げた」と分析している。

競合として中国市場で比較されているのはBYDのSEALION 06 EVのほか、XPeng G6、Leapmotor C11、Deepal S7、そしてテスラ Model Y。価格帯を考えれば、Model Yからの乗り換え需要も一定数取り込んでいるとみられる。

Song Ultraが埋めるポジションと充電規格の壁

BYD Auto Japanは現在、ATTO 3・DOLPHIN・SEAL・SEALION 7の4車種に加え、2025年秋にはコンパクトSUVのRACCOの投入を控えている。Song Ultra EVの日本導入について公式な発表はまだない。

Song UltraのサイズはSEALION 7に近く、価格帯はDOLPHINとATTO 3の間を埋めるポジションにある。日本のラインナップに加われば、300万円台後半で航続600km超・超急速充電対応のSUVという、現時点で国内に直接の競合がいないカテゴリを開拓することになる。

ただし、Flash Chargingは中国のGB/T規格をベースとした技術であり、日本市場ではCHAdeMOからNACSへの移行議論が進む過渡期にある。車両側の充電性能をフルに発揮するには、対応する充電インフラの整備が不可欠で、規格の対応方針がSong Ultraの海外展開スケジュールに直接影響するだろう。

発売から1カ月足らずで3万7,000台超の受注、発売後72時間で店舗来客数40%増、1店舗あたり平均15台の販売。BYDは2026年中にさらに複数車種の海外投入を計画しており、この販売実績がSong Ultraの海外展開リスト入りを後押しするかが次の焦点となる。

出典

BLADE NOTE編集部
BLADE NOTE編集部

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