BYD

BYD日本 全車種一覧2026 – ラッコ追加で6車種に 価格・補助金実質額

11分で読める
BYD日本 全車種一覧2026 – ラッコ追加で6車種に 価格・補助金実質額

BYD RACCOが2026年7月28日に正式発売し、日本のBYDラインナップはBEV4車種・PHEV1車種・軽EV1車種の全6車種体制になった。価格は軽EVのRACCO 200が214万5,000円、最上位のSEAL AWDが572万円まで並ぶ。

全車種価格早見表 – まず1画面目で全体像をつかむ

「BYD 車種一覧」で検索する人がまず知りたいのは、結局いくらから買えるのかという一点だろう。2026年7月末時点の税込価格とWLTC航続距離を、区分ごとに並べた。

車種 区分 グレード数 価格帯(税込) 航続距離(WLTC)
RACCO 軽EV 3 214.5万〜249.7万円 210〜320km
DOLPHIN BEV 2 299.2万〜374.0万円 415〜476km
ATTO 3 BEV 1 418万円 470km
SEALION 6 PHEV 2 398.2万〜448.8万円 EV走行100km(総合1000km超)
SEALION 7 BEV 2 498.3万〜575.3万円 540〜590km
SEAL BEV 2 495万〜572万円 575〜640km

一番安いRACCO 200と一番高いSEAL AWDの差は357万5,000円。軽自動車枠からDセグメントセダンまで、価格帯はBYDというひとつのブランドの中に収まっている。

直近の価格改定を反映済みの点に注意

SEALとSEALION 7は、この一覧で過去の発表価格をそのまま載せていない。SEALは2025年10月30日の仕様アップデートで528万円/605万円から495万円/572万円へ値下げ改定されている。SEALION 7は逆に2026年7月14日、中東情勢による燃油代・関連諸費用の高騰を理由に495万円/572万円から498.3万円/575.3万円へ3.3万円値上げされた。古い記事のまま価格を引用すると、実勢と数万円単位でずれる状態が続いている。

RACCO正式発売の中身 – スーパートール軽EVの正体

BYD日本 全車種一覧2026 - ラッコ追加で6車種に 価格・補助金実質額
出典: BYD JAPAN株式会社(PR TIMES)

RACCOは3グレード構成。RACCO 200はバッテリー容量22.40kWhで航続210km、価格214万5,000円。RACCO 300Plusは35.84kWhで航続320km、239万8,000円。RACCO 300Premiumは同じバッテリー・航続で249万7,000円。300Plusとの価格差9万9,000円は、上級内装や快適装備の追加分にあたる。

ボディは「スーパートール」設計に左右電動スライドドアを組み合わせた軽自動車らしからぬ骨格で、ルーフとサイドパネルはレーザー溶接によるシームレス構造を採用したという。BYDはこれを「世界初のSDV(Software Defined Vehicle)ベース軽EV」と位置づけ、車両を売り切りにせず、購入後もOTA(無線通信によるソフトウェア更新)で機能を継続的に追加していく前提で設計している。

急速充電はCHAdeMO対応。二次情報ベースではRACCO 200が最大約37kW、300系が最大約50kWで、30%から80%までの充電時間はおよそ30分とされる。ただしこの数値はメーカー公式スペック表での一次確認が取れていないため、「〜とされる」という留保付きで扱うべき数字だ。

購入面では据置型ローン「ラッコ楽っとプラン」が用意された。RACCO 200であれば頭金・ボーナス払いなしの5年均等払いで、国のCEV補助金15万円を適用した場合、月々1万9,300円からという試算が示されている。同日には「BYD AUTO 東京杉並」の開業も発表され、販売網の拡大とRACCO投入を同時に打ち出す形になった。

補助金の仕組みを分解する – なぜBYDだけ一律15万円なのか

ここが今回のRACCOで最も見落とされやすい数字だ。国のCEV補助金は令和8年度基準で、BYD全車種(ATTO 3・DOLPHIN・SEAL・SEALION 7・SEALION 6・RACCO)が一律15万円になっている。2026年1〜3月登録車には旧基準が適用され、当時は35万〜45万円だったから、実質的に半分以下まで削られたことになる。

一方、国産軽EVの日産サクラやホンダN-ONE e:は58万円。RACCOとの差は43万円に達する。車両本体価格だけを見ればRACCO 200はサクラより30万円ほど安いのに、補助金差43万円がそれを打ち消し、実質価格ではむしろサクラのほうが安くなる。RACCO 200の実質価格は約199万5,000円、サクラSの実質価格は約187万円という試算になる。

「供給安定性」という評価項目の中身

なぜここまで差がつくのか。CEV補助金の交付額は200点満点の評価スコアに連動する仕組みで、その中に「供給安定性」という項目があり、配点は100点と全体の半分を占める。ここでは国産蓄電池の採用実績や、充電インフラ整備への貢献度などが評価される。BYDのようにサプライチェーンの中核を中国系に依存するメーカーは、この項目で構造的に得点しづらい設計になっている。つまりRACCOの15万円は、車の性能ではなくサプライチェーンの出自で決まった数字だ。BYDの補助金制度全体の解説は別記事にまとめてあるので、詳細な計算根拠を知りたい人はそちらも参照してほしい。

数字で見る全6車種 – 東京都民の実質価格まで試算する

補助金は国だけでなく地方自治体でも上乗せされる。東京都は2026年7月1日付でZEV車両購入補助金の上限額を引き上げ、EVは100万円から130万円へ、PHEVは85万円から115万円へそれぞれ30万円増額した。内訳は全メーカー一律のベース額を10万円引き上げ、メーカーの脱炭素(GX)実現度評価による上乗せ分を最大20万円引き上げたものとされる。

ある二次情報の内訳では、ベース20万円に加えてGX評価で最大40万円が上乗せされ、合計上限60万円になる。トヨタ・日産・ホンダは満額の60万円、テスラは50万円という数字が挙がっている。BYDについては、EV・PHEVともに外部給電機能を持つ点が評価され、上乗せ額は約40万円という記載が複数の情報源で一致している。ただし東京都公式のメーカー別内訳一覧そのものへの一次アクセスは取れていないため、「2026年7月時点、要最終確認」という前提で数字を扱う。

これを踏まえ、国のCEV補助金15万円と東京都の概算40万円を合算し、全6車種の実質価格を試算した表が下記になる。

車種・グレード 車両価格 地方(国15万円のみ) 東京都民概算(国15万+都約40万)
RACCO 200 214.5万円 199.5万円 約159.5万円
RACCO 300Plus 239.8万円 224.8万円 約184.8万円
RACCO 300Premium 249.7万円 234.7万円 約194.7万円
DOLPHIN Baseline 299.2万円 284.2万円 約244.2万円
DOLPHIN Long Range 374.0万円 359.0万円 約319.0万円
ATTO 3 418万円 403万円 約363万円
SEAL RWD 495万円 480万円 約440万円
SEAL AWD 572万円 557万円 約517万円
SEALION 7 RWD 498.3万円 483.3万円 約443.3万円
SEALION 7 AWD 575.3万円 560.3万円 約520.3万円
SEALION 6 FWD 398.2万円 383.2万円 約343.2万円
SEALION 6 AWD 448.8万円 433.8万円 約393.8万円

国と都の補助金は併用できる。理論上の最大合計額(都130万円+国130万円=260万円)は国産上位EVの話で、BYDが実際に受け取れる合計はおよそ55万円にとどまる。この差を知らずに「BYDは安い」というイメージだけで比較すると、実際の支払い額で誤算が生まれやすい。

既存5車種、価格・スペックの総点検

BYD日本 全車種一覧2026 - ラッコ追加で6車種に 価格・補助金実質額
出典: BYD JAPAN株式会社(PR TIMES)

DOLPHIN – 2026年2月の装備アップデートが現行仕様

Baselineは299.2万円で航続415km、モーター出力70kW。Long Rangeは374.0万円で航続476km、モーター出力150kW。両グレードとも先進運転支援機能とV2L/V2H(車から電気を取り出す機能)を標準搭載する。

ATTO 3 – 単一グレードのまま418万円

バッテリー容量58.56kWh、モーター出力150kW・トルク310Nm、航続470km。特別仕様の存在は複数の二次情報にあるが、価格の一次確認は取れていないため本稿では扱わない。

SEALION 6 – 2025年12月発売のPHEVに購入サポート施策

FWDが398.2万円、AWDが448.8万円。EV走行距離100km(WLTC)、バッテリー18.3kWh、ガソリンと合わせた総合航続は1,000kmを超える。普通充電6kW・急速充電18kW対応でV2L/V2Hにも対応する。2026年7月6日には「セレクトパッケージ」購入サポートキャンペーンが発表され、2026年8月31日までの登録でETC車載器・ドライブレコーダー・フロアマット・ドアカーテシーランプ・AC充電ケーブル(またはBYD Wallbox 3kW)の5点が無償提供される。

SEALION 7 – 2,000台突破を記念した限定車も登場

2025年4月の発売から国内累計登録が2,000台を突破したことを記念し、後輪駆動ベースで新色「ラベンダー」をまとう20台限定車「SEALION 7 Limited」が498.3万円で発売された。バッテリー82.56kWh、急速充電は最大105kW。今回の価格改定では全車にリアトノカバーが標準装備され、助手席側ドアミラーの可動域も後方視認性向上のため最適化されている。

用途別に選ぶなら

通勤や近距離の街乗りが中心なら、RACCO 200が有力候補になる。実質199万5,000円まで下がり、航続210kmあれば1日の街乗り需要はほぼまかなえる。ファミリーや週末のアウトドア用途にはSEALION 7が向く。RWDなら航続590kmで、SUVらしい積載力もある。コンパクトさを優先するならDOLPHIN Long Rangeの476kmも選択肢に入る。

ロングドライブやセダン志向ならSEAL RWDが最長の640km。充電インフラへの不安が拭えない人にはSEALION 6が向いていて、EV走行100kmとガソリン併用で総合1,000km超という数字が安心材料になる。8月31日までの購入サポートキャンペーンも後押し材料になる。なお国産軽EVとの比較を数字で詰めたい場合は日産サクラとBYDの価格比較記事も参考になる。

BLADE NOTEの見立て

RACCOの一律15万円という数字は、BYDにとって想定内のはずだ。国のCEV補助金は供給安定性という項目で配点の半分を決めており、中国系サプライチェーンに依存する限り高得点は狙えない。この構造は今後もBYDの新型車が出るたびに繰り返される。つまり「車両価格は安いのに補助金で追いつかれる」という現象は一過性ではなく、日本市場でBYDと付き合う上での前提条件だと考えたほうがいい。

それでもRACCOには意味がある。実質199万5,000円というラインは、東京都民であれば約159万5,000円まで下がる。この価格帯は軽自動車としては十分に競争力があり、サクラとの実質価格差(約12万円)は、電動スライドドアやOTAアップデートという付加価値で埋められる範囲だと見ている。補助金額の少なさを理由に敬遠するより、車両そのものの装備と使い勝手で判断すべき局面に来た、というのがBLADE NOTEの立場だ。

もう一点、SEALION 7の値上げ理由に挙げられた「中東情勢に伴う燃油代・関連諸費用の高騰」は、為替や国際情勢に価格が左右されやすいBYDの輸入車としての一面を露呈した。今後も数万円単位の小刻みな価格改定が起きる可能性は高く、「BYD車の価格は一度決まったら変わらない」という前提を捨てて、購入前には必ず公式サイトで最新価格を確認する習慣が要る。

出典

この車、補助金でいくら安くなる?
国+自治体の補助金と実質価格を30秒で計算できます。

BLADE NOTE編集部
BLADE NOTE編集部

BYD・中国EVの最新ニュースを日本語で配信。海外の1次ソースをもとに、日本の読者に向けた独自記事を毎日更新しています。

BYD・中国EVの最新ニュースを毎日配信中。
フォローして最新情報をチェック!