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BYD vs テスラ 日本で買うならどっち? – 2026年7月比較

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BYD vs テスラ 日本で買うならどっち? – 2026年7月比較

結論から言う。都市部の自宅や職場に充電環境があり、ソフトウェアと急速充電網の広さを重視するならテスラ。価格とラインナップの広さ、PHEVという逃げ道まで欲しいならBYD。この構図自体は半年前と変わらないが、中身の数字はかなり動いた。

BYDは2026年7月28日に軽EV「RACCO」を投入し、日本の乗用ラインナップはATTO3・DOLPHIN・SEAL・SEALION7・SEALION6・RACCOの6車種に広がった。一方で国のCEV補助金はBYD各車が軒並み15万円まで削られている。テスラはスーパーチャージャー3年間無料キャンペーンの納車期限を7月31日まで延長し、FSDは6月30日で買い切り販売を終えてサブスク専業になった。用途別に即答すると次の通りだ。

  • 都市部・自宅や勤務先に充電設備あり・急速充電網とソフトウェアを重視 → テスラが有利。Model3/ModelYはCEV補助金127万円(報道ベース)に加え、スーパーチャージャー網の実質無料キャンペーンが効く。
  • 価格重視・PHEVも選択肢に入れたい・軽自動車枠が欲しい → BYDが有利。RACCO(214.5万円〜)を含む6車種があり、SEALION6(PHEV)はガソリン車感覚で航続不安から解放される。
  • 東京都在住で補助金の絶対額を最大化したい → 実はテスラ寄りに傾く。都のEV補助金上限が130万円に増額され、国と合わせて最大257万円規模になり得るためだ。
  • 初期投資を最優先で抑えたい → なおBYD寄りだが、CEV補助金の縮小で「安さ」の優位は年々薄くなっている点は押さえておきたい。

この3ヶ月で何が変わったか

まず押さえるべきは、BYDのラインナップ拡大とテスラの販売施策の両方が同時に動いたという事実だ。BYDは7月28日、軽自動車規格の新型EV「RACCO」を発売した。価格はRACCO200が214.5万円、RACCO300Plusが236.5万円、RACCO300Premiumが258.5万円の3グレード構成。BYDの車種カテゴリで見てきた通り、BYD Japanはこれまで乗用車寄りのラインナップを展開してきたが、軽自動車枠への参入は今回が初めてになる。

「6車種体制」という表現自体をBYDが公式に打ち出しているわけではない。ただし各モデルの発売情報を積み上げると、現時点でATTO3・DOLPHIN・SEAL・SEALION7・SEALION6・RACCOの6車種が国内で販売されている計算になる。同時期にBYD Japanは2026年上半期の登録台数2,334台(前年同期比42.7%増)を発表しており、その牽引役はPHEVのSEALION6で1,254台と過半数を占めた。BEVの航続不安を嫌うユーザーの受け皿になっていることがうかがえる。

価格を数字で比較する

BYD vs テスラ 日本で買うならどっち? - 2026年7月比較
出典: BYD JAPAN株式会社(PR TIMES)

RACCOの3グレードを見ると、CEV補助金15万円を差し引いた実質価格は199.5万円からのスタートになる。軽自動車枠の税制優遇も加わるため、初期費用だけを見ればBYDの選択肢の広さは依然として強みだ。

グレード 車両価格 CEV補助金 実質価格(目安)
RACCO200 214.5万円 15万円 199.5万円
RACCO300 Plus 236.5万円 15万円 221.5万円
RACCO300 Premium 258.5万円 15万円 243.5万円

ただしこの「安さ」は補助金制度の変化によって年々目減りしている。CEV補助金は2026年4月からBYDのATTO3・DOLPHIN・SEAL・SEALION7に一律15万円しか出ない。前年度の35万〜45万円から大幅に減った格好だ。理由として挙げられているのは、バッテリーの重要鉱物調達やサプライチェーン、サイバーセキュリティ面の評価を経済安全保障の観点から導入したこと。対照的にトヨタbZ4Xは130万円のままで、両者の差は最大115万円まで開いた。

テスラ側はModel3/ModelYが127万円、ModelS/ModelXが101.6万円のCEV補助金を2026年度も維持しているとブログメディアや自動車系メディアが報じている。ただしこの万円単位の数字は二次情報であり、cev-pc.or.jpの公式リストからは金額そのものを直接抽出できていない点は留意したい。とはいえ、BYDの15万円とテスラの100万円超という桁違いの差自体は、複数の報道で一致している。

メーカー・車種 CEV補助金(2026年度)
BYD(ATTO3/DOLPHIN/SEAL/SEALION7) 15万円
トヨタ bZ4X 130万円
テスラ Model3/ModelY 127万円(報道ベース)
テスラ ModelS/ModelX 101.6万円(報道ベース)

東京都の補助金も動いた。2026年7月1日以降の登録分から、都のEV補助金上限がこれまでの100万円から130万円へ、PHEVも85万円から115万円へ引き上げられている。申請受付は2026年7月1日から2027年3月31日まで。国のCEV補助金と併用すれば、都内在住者は最大で国130万円+都130万円の257万円規模まで補助を受けられる計算になる。この恩恵を最も大きく受けるのはModel3/ModelYであり、東京都内での実質購入価格ではテスラの優位性がむしろ強まっている。

航続と充電、PHEVという第三の道

RACCOの航続は国交省審査値でグレード別に210〜320km。軽自動車としては近距離から中距離の街乗り用途を想定した数字で、遠出前提のクルマではない。これに対しSEALION6はプラグインハイブリッドで、バッテリー切れの不安なくガソリン車と同じ感覚で長距離を走れる。2026年上半期の販売でSEALION6が単独で1,254台を稼いだのは、日本の消費者がまだBEV一本足での航続不安を強く意識している裏返しとも読める。

充電インフラで見ると、テスラは自前のスーパーチャージャー網を軸に据え、さらに2026年4月1日から6月30日の間にModel3/ModelYを注文した顧客向けに「スーパーチャージャー3年間無料」キャンペーンを展開。当初は6月30日納車が条件だったが、納期の混雑を踏まえて7月31日まで1ヶ月延長された(Model Y Lのみ従来通り6月30日納車が条件)。年間1万km前後走る想定なら、燃料代(電気代)が実質ゼロになるインパクトは小さくない。

BYDは自前の急速充電網の規模がテスラほど大きくなく、CHAdeMO規格の外部インフラや充電カードへの依存度が相対的に高いのが実情だ。中国EVカテゴリで扱ってきた他の中国系メーカーも同様の課題を抱えており、日本市場での充電体験という一点だけを取ればテスラに分がある構図は変わっていない。

運転支援は両社とも「発展途上」

BYD vs テスラ 日本で買うならどっち? - 2026年7月比較
出典: BYD JAPAN株式会社(PR TIMES)

テスラのFSD(Full Self-Driving)は日本において2026年6月30日で買い切り販売を終了し、7月以降は月額サブスクリプション(世界的には月99ドル)のみの提供になった。テスラジャパンの社長は日本での正式な運転支援機能の解禁を「2026年内」の目標として言及しており、2025年8月からModel3/ModelYで国内テスト走行を実施している。ただしこれは国交省の承認スケジュールが確定した話ではない。鍵を握るのはUNECE(国連の自動車基準策定機関)が2026年6月の会合で議論している「セーフティケース」方式への移行であり、現時点では未確定の話として扱うべきだ。

BYDは「天神之眼(God’s Eye)」と呼ぶ高度運転支援システムを、LiDAR3基搭載の最上位グレードA、LiDAR1基のグレードB、カメラのみのグレードCという3段階構成で全モデルに展開する戦略を打ち出している。ただし日本仕様車への搭載時期や、日本の保安基準への適合を含む一次情報はまだ確認できていない。2026〜2027年にかけて関連法整備が進めばOTA(無線アップデート)で段階的に導入される可能性はあるが、これも断定はできない段階だ。

つまり「日本で高度な運転支援が使えるかどうか」という軸だけを見れば、テスラもBYDも決め手を欠く。FSDのほうが具体的な導入目標を口にしている分だけ一歩先を行くように見えるが、確定情報がない以上、この項目を購入の決め手にするのは時期尚早だろう。

販売網、オンライン中心か拠点拡大か

テスラ日本は店舗網を大きく広げている最中だ。現在の23店舗から2026年末までに50店舗へ倍増させる計画で、まず年内に30店舗、将来的には100店舗体制も視野に入れているという。基本戦略はオンライン販売とサービスセンターの組み合わせで、伝統的なディーラー網とは一線を画す。

BYD Japanは対照的に、物理店舗網を軸にした戦略を取ってきた。2026年4月末時点で正規ディーラーは約70拠点。当初掲げていた「2025年末までに100店舗」という目標は未達に終わり、小規模な「ミニディーラー」を増やす戦略へと転換している(BYD Japanのディーラー戦略についての詳細も参照)。急拡大中のテスラと、目標未達から戦略を練り直している最中のBYD——どちらも過渡期にあるという点は公平に見ておく必要がある。

BLADE NOTEの見立て

今回の一連の動きで一番大きいのは、「BYDは安い」という単純な図式が崩れ始めていることだと考えている。CEV補助金が15万円まで削られた背景には経済安全保障上の評価軸の導入があり、これは一時的な制度変更ではなく今後も強化される方向にある可能性が高い。東京都の補助金増額もテスラ側に有利に働いており、少なくとも都内在住者にとっては「価格ならBYD」という前提そのものを見直す時期に来ている。

一方でBYDの強みは値段の安さそのものではなく、選択肢の広さに移りつつあるとも見ている。軽EVのRACCOからPHEVのSEALION6まで、用途とライフスタイルに応じて選べる幅の広さはテスラのModel3/Y中心のラインナップにはない持ち味だ。特にSEALION6が半期の販売台数を牽引した事実は、日本の消費者が求めているのは「安いBEV」ではなく「航続不安のない選択肢」だという仮説を裏づけている。

運転支援については、両社とも日本市場で明確な優位を主張できる段階にない。FSDの「2026年内」目標もUNECEの議論次第という不確定要素を抱えており、天神之眼に至っては日本投入の時期すら見えていない。この項目を今購入の決め手にするのは早計で、次の判断材料が出揃うのは早くても2026年後半、現実的には2027年のUNECE動向を見てからになるだろう。

販売網の対比も興味深い。テスラは急拡大、BYDは目標未達からの立て直し。ただしBYDのミニディーラー戦略は、地方都市への浸透という点ではむしろ理にかなっている面もある。100店舗という数字にこだわらず質を取りにいった、と見ることもできる。

出典

この車、補助金でいくら安くなる?
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BLADE NOTE編集部
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