中国NEV浸透率が初の60%超え – ガソリン車が少数派に転落、日系メーカーの中国合弁に直撃NEW
中国の新エネルギー車(NEV)市場浸透率が、月次ベースで初めて60%を突破する見通しだ。中国乗用車協会(CPCA)が4月25日に発表した予測によると、2026年4月のNEV小売販売台数は約86万台、浸透率は約60.6%に達するという。中国で売れる乗用車の6割以上がNEVになる——この数字が意味するのは、ガソリン車がいよいよ「少数派」に転落する時代の到来だ。
4月のNEV販売は86万台、市場全体は縮小傾向
CPCAの速報値によれば、4月のNEV小売販売台数は約86万台。3月の約85万台からは微増したものの、前年同月の90.5万台を下回った。一方、乗用車全体の小売販売台数は約142万台で、前月比13.8%減と大幅に落ち込んでいる。
つまり、NEVは横ばいを維持する一方で、ガソリン車を含む市場全体が縮んでいる構図だ。結果として浸透率が押し上げられた面もある。2026年第1四半期の乗用車小売販売は422.6万台で前年比17.4%減。GDPが前年比5%成長しているにもかかわらず、自動車市場は9.1%のマイナスという乖離が生じている。
ガソリン車の苦境と日系ブランドの販売減
CPCAは、緩やかなマクロ経済の回復が高額消費の力強い反発にはつながっていないと分析する。加えて原油価格の上昇圧力がICE(内燃機関)車市場を圧迫し続けている。
4月第1週は清明節の影響で日販平均が約2.5万台まで落ち込んだ。第2週には3.8万台まで回復し、北京モーターショーを控えた第3〜4週には新型車の集中発表でショールームへの来場者数と受注が大幅に持ち直した。ただし、この回復の恩恵を受けたのは主にNEVメーカーであり、ガソリン車勢の巻き返しには至っていない。
この構図は日系メーカーの中国販売に直結する。トヨタの2025年の中国販売台数は約147万台で前年比約10%減、ホンダは約70万台で約30%減、日産は約55万台で約20%減となった。3社とも合弁工場の稼働率が低下しており、ホンダは広州と武漢の合弁で人員削減を実施、日産も常州工場の生産縮小を進めている。
CPCAは「中国自動車市場の競争の焦点は、単純な価格戦争から製品力による競争へと移行しつつある」と指摘。政策主導から市場主導・製品主導への転換期にあるとの認識を示した。BYD、NIO、Xpengといった地場メーカーがすでに強固なポジションを築く中、日系メーカーのNEVラインナップは限られる。トヨタは次世代BEVを2026年に投入予定、ホンダは0シリーズを北米から展開、日産はアリアに続く次期リーフの開発を急ぐが、中国市場で後発組が食い込む余地は狭い。
BYDの日本販売網拡大とCEV補助金の追い風
中国国内でNEVシフトが加速すれば、余剰となった生産能力は輸出に向かう。日本市場でもBYDが着実に販売網を広げており、ATTO 3やDOLPHIN、SEALに加え、2025年にはSEALION 7やRACCOを投入した。CEV補助金(BEVで最大85万円)と自治体補助を組み合わせれば、価格競争力はさらに高まる。
日本のBEV販売比率はまだ3.5%前後にとどまるが、中国メーカーの攻勢が本格化すれば状況は変わりうる。価格面での優位性に加え、中国市場で鍛えられた製品力が武器になるからだ。
中国のNEV浸透率60%超えは、一つのマイルストーンに過ぎない。CPCAの分析が示す通り、市場はすでに政策依存から自律的な成長フェーズへ移行しつつある。日系3社の2026年度決算では、中国合弁事業の持分法利益がどこまで縮小するかが焦点になる。
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