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BYD日本の販売台数2026 上半期2,334台・前年比143%

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BYD日本の販売台数2026 上半期2,334台・前年比143%

BYD Auto Japanが2026年7月6日、上半期(1〜6月)の国内新車登録台数を発表した。数字は2,334台。前年同期比143%、伸び率にして43.0%増だ。牽引したのはプラグインハイブリッドの「SEALION 6」で、上半期だけで累計1,254台を売った。

この記事はBLADE NOTEが3月に公開した「BYD日本 販売台数2026年Q1は1,142台」の続報であり、同じURLで全面更新している。Q1時点の数字はすでに過去のものになった。半期という区切りが出そろった今、四半期推移・輸入車市場全体との比較・年1万台目標への進捗まで、数字を並べ直して見立てを更新する。

何が起きたのか — 上半期2,334台の内訳

BYD公式発表とResponse.jpの報道によれば、2026年1〜6月の国内新車登録は2,334台。前年同期(2025年1〜6月)との比較で143%、台数にして約700台弱の上積みだ。

車種別ではSEALION 6が突出している。累計1,254台という数字は、上半期全体の登録台数の実に53.7%をこの1車種が占めた計算になる。SUVタイプのプラグインハイブリッドで、EV走行と長距離走行を両立させたいユーザー層に刺さった格好だ。

「新車登録台数」は何を数えているのか

ここで数字の中身を確認しておきたい。「新車登録台数」は、運輸支局でナンバープレートを取得した台数を指す。ディーラーが在庫として仕入れた台数でも、契約が成立した「受注」台数でもない。ユーザーの手元に渡り、公道を走れる状態になった車の数だ。統計としては最も実態に近いが、逆に言えば発表から数週間〜1カ月ほどのタイムラグが生じる。後述するRACCOの受注動向がまだこの統計に反映されていないのは、このためだ。

数字で見る2026年上半期

BYD日本 販売台数2026 上半期2,334台で前年比143% - 年1万台目標まで月1,278台ペース必要
出典: BYD JAPAN株式会社(PR TIMES)

四半期ごとの推移を並べると、BYD日本の成長カーブが見えてくる。Q1(1〜3月)は1,142台で確定値。上半期合計2,334台からQ1を差し引くと、Q2(4〜6月)は約1,192台になる。

四半期 登録台数 備考
Q1(1〜3月) 1,142台 確定値(自社発表)
Q2(4〜6月) 約1,192台 H1合計2,334台からQ1を差し引いた算出値
H1合計(1〜6月) 2,334台 前年同期比143%

Q2の数字に「約」を付けているのは、JAIA(日本自動車輸入組合)の月次統計でBYDの単月ブランド別数値が公開範囲内では確認できなかったためだ。確認できたのは2026年3月単月の625台(前年同月比+91.1%)のみで、これはBYD公式発表ではなく二次ソース経由の情報にとどまる。4〜6月の月別内訳は現時点で創作せず、差引による概算値として扱う。

SEALION 6依存という一本足打法のリスク

上半期の登録台数のうち過半数を1車種が占める構図は、伸び率の高さと同時に脆さも意味する。SEALION 6の月平均登録は上半期で約209台。仮にこの車種の需要が一巡し、キャンペーンや競合の新型投入で鈍化した場合、BYD日本全体の登録台数は真っ先にその影響を受ける。ATTO 3、DOLPHIN、SEALなど他車種の存在感が相対的に薄いことは、ラインナップの広さでは測れないリスクとして留意しておきたい。裏を返せば、後述するRACCOの投入は、この一本足打法から脱却できるかどうかを占う試金石でもある。

輸入車市場全体の中でのBYD

2026年上半期の輸入車新規登録台数は全体で19万226台、前年同期比+9.0%。このうち外国メーカー車は11万7,896台で前年同期比▲3.5%と、実は伸び悩んでいる。日本メーカー車(逆輸入等)は7万2,330台で同+38.1%と好調だった。BYDの2,334台は外国メーカー車全体の約2.0%を占める計算になる。

ブランド H1登録台数 前年同期比
スズキ 34,288台
メルセデス・ベンツ 23,064台
トヨタ(逆輸入含む) 15,977台 +1272.1%
BYD 2,334台 +143%(前年同期比)

上位ブランドと桁が違うのは事実だが、BYDのランキング順位そのものはJAIA発表の元記事に明記がなく、断定はできない。ここで見るべきは絶対順位より伸び率だ。トヨタの逆輸入車が跳ねているのは特殊要因(一部モデルの並行輸入増)が大きく、純粋な輸入EVブランドとしての伸びで見ればBYDの143%は市場平均(外国メーカー車全体▲3.5%)を大きく上回っている。

年1万台目標への進捗は23.3%

BYD Auto Japanは2026年の国内販売目標を年間1万台に置いている。上半期の2,334台は、この目標に対して進捗率23.3%だ。単純な時間按分(上半期で50%消化)からは大きく乖離している。

残る下半期で目標を達成するには、7〜12月の6カ月で7,666台を売る必要がある。月あたりに換算すると約1,278台。これは上半期の月平均(389台)の3倍以上のペースであり、現実的にはかなり高いハードルだ。

参考までに、上半期のYoY伸び率143%がそのまま下半期も続くと仮定して外挿してみる。2025年上半期を2,334÷1.43≒1,632台と逆算し、2025年通期実績3,742台から差し引くと2025年下半期は約2,110台。同じ143%を掛けると2026年下半期はおよそ3,000台程度にとどまる可能性があり、その場合の通期着地は5,300〜5,400台程度になる。これはBLADE NOTE独自の粗い外挿であり、BYD公式の見通しではない点は強調しておく。

下半期の押し上げ材料 — ただし実績はまだ出ていない

BYD日本 販売台数2026 上半期2,334台で前年比143% - 年1万台目標まで月1,278台ペース必要
出典: BLADE NOTE(自社既存記事)

下半期の数字を動かしうる要因は3つある。

軽EV「RACCO」の投入

2026年7月28日、軽自動車規格のEV「RACCO」が発売された。価格はRACCO 200が214.5万円、300Plusが224.5万円、300Premiumが234.5万円(CEV補助金15万円は全グレード一律)。据置ローン「ラッコ楽っとプラン」を使えば月々1.93万円からという設計だ。全モデルの価格帯はBYD全車種の価格・スペック比較でも確認できる。

東京新聞やMotor Fanなど複数メディアが「年内受注1万台」という目標を報じているが、これはあくまで受注目標であり、7月28日発売という日程を踏まえれば上半期の登録統計には一切反映されていない。実際の受注・販売実績は本稿執筆時点で未公表だ。目標として紹介はするが、実績のように扱うのは避けたい。

軽自動車市場におけるRACCOの立ち位置

軽自動車は排気量660cc以下・車体規格で区分される日本独自のカテゴリーで、国内新車販売台数の4割近くを占める最大のボリュームゾーンだ。税制優遇(自動車税・重量税の軽減)と維持費の安さから、地方・都市部を問わず生活の足として根強い需要がある。RACCOはこの市場に投入される、BYDにとって初めての軽規格モデルとなる。

参考までに、2025年時点で公表されていた既存の軽EVの価格帯を並べると、日産サクラは約254.9万〜294.0万円、三菱eKクロスEVは約259.6万〜308.0万円だった(いずれも補助金適用前の目安)。RACCOの214.5万〜234.5万円という価格設定は、これらの先行車種より一段安い水準に置かれている。一方、ガソリン軽自動車の主力モデル(N-BOXやスペーシアなど)は150万〜200万円台が中心であり、RACCOはこの価格帯とEV専用の既存車種の中間を狙う設計だと読める。

車種 参考価格帯 タイプ
日産サクラ 約254.9万〜294.0万円 軽EV
三菱eKクロスEV 約259.6万〜308.0万円 軽EV
RACCO 214.5万〜234.5万円 軽EV(BYD)
主力ガソリン軽(N-BOX等) 150万〜200万円台が中心 ガソリン軽

価格帯だけを見ればRACCOは軽EVの中でも下限を攻める設定であり、ガソリン軽との価格差を縮めることで「EVへの乗り換えのハードルを下げる」狙いが透けて見える。もっとも、実際の下取り価格や電池保証年数といった長期保有コストに関わる条件は、本稿執筆時点で詳細が出そろっておらず、今後の発表を待つ必要がある。

もうひとつ見ておきたいのが、下半期に効いてくる制度面の要因だ。CEV補助金は年度末にかけて予算消化が進み、申請枠が早期に埋まるケースが過去にもあった。RACCOのような200万円台の車種は補助金15万円の有無で購入判断が変わりやすい価格帯にあり、下半期後半に補助金の残枠が細れば、駆け込み需要と失速が同時に起きる可能性もある。逆に言えば、9〜10月ごろまでに一定の受注を積み上げられるかどうかが、通期目標の現実味を左右する変数のひとつになる。

ただし軽自動車ユーザーが車選びで重視するのは価格だけではない。近所のディーラーへのアクセス、下取り・残価の安定性、充電インフラの有無といった要素が、日産・三菱という国内メーカーの実績に対してBYDという新興ブランドがどこまで拮抗できるかを左右する。RACCOの成否は、単なる価格競争力の話にとどまらず、BYDが軽自動車ユーザー層からの信頼をどれだけ短期間で獲得できるかにかかっている。

SEALION 6のキャンペーンとATTO 2

2026年8月31日登録分まで、SEALION 6購入者向けに「セレクトパッケージ」(ETC車載器・ドライブレコーダー・フロアマットなどが無償)を実施中だ。すでに上半期の主力車種であるSEALION 6をさらに後押しする施策と言える。加えて、ATTO 3より全長・全幅とも145mm小さいコンパクトPHEV SUV「ATTO 2」が下半期、報道ベースでは10月ごろの発売見込みとされる。ただしBYD公式の確定発売日は本稿時点で未確認だ。

BLADE NOTEの見立て

23.3%という進捗率だけを見ると「目標未達コース」に映る。だが、この数字の読み方には注意がいる。年1万台という目標値自体が、上半期と下半期で均等に積み上がる性質のものではないからだ。RACCOという軽EVという新カテゴリーの投入は7月28日、つまり下半期の頭に置かれている。目標設定側も、上半期はSEALION 6を中心とした既存ラインナップの積み上げ、下半期はRACCOによる新規需要の掘り起こしという二段構えを最初から想定していた可能性が高い。

その前提に立つと、月販1,278台という下半期の必要ペースは、SEALION 6単独の実績(上半期で月平均209台)を考えれば非現実的に見えるが、軽EVという価格帯・用途がまったく異なる商品が加わることで話は変わる。軽自動車市場は国内新車販売の4割近くを占める巨大なボリュームゾーンであり、そこに200万円台前半のEVを投入するインパクトは、これまでのBYD日本のSUV・セダン中心のラインナップとは質が違う。

一方で懸念もある。BLADE NOTEの外挿試算(下半期3,000台程度、通期5,300〜5,400台)が示すように、上半期と同じ伸び率を維持するだけでは目標には届かない。RACCOが「受注1万台」という目標通りに立ち上がらなければ、23.3%という進捗率はそのまま下半期にも尾を引く可能性がある。加えて、前述のSEALION 6依存という構造も無視できない。軽EVという未知数の商品カテゴリーで、BYDが日本の軽自動車ユーザーの信頼を、実績十分な日産・三菱に対してどれだけ短期間で獲得できるか。8月以降の月次データ、特にJAIAの輸入車統計にRACCOの数字が乗り始める9〜10月あたりの動きを見れば、通期着地の現実的なラインが見えてくるはずだ。

販売網の広がりも無視できない要素だ。BYD日本のディーラー展開状況を踏まえると、店舗数の伸びが台数の伸びに追いついているかどうかも、下半期の実力を測る材料になる。軽自動車は購入後の点検・整備でも近距離の店舗アクセスが重視される商品カテゴリーであるだけに、この点はSEALION 6のようなSUV・セダン需要層以上に、RACCOの下半期の実売を左右するはずだ。

数字だけを追えば「上振れ」も「下振れ」もあり得る局面だが、判断を急ぐ必要はない。次の四半期報告、そして9〜10月のRACCO登録実績こそが、年1万台目標の現実味を測る最初の具体的な材料になる。

出典

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BLADE NOTE編集部
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