BYDシーライオン05 vs テスラModel Y——約250万円のLiDAR搭載SUV、何が違う?NEW
テスラModel Yの半額以下——。BYDが新型シーライオン05 EV/PHEVを公開した。4月20日の正式デビューを前に、BYDオーシャンシリーズのゼネラルマネージャー張舟(チャン・ジョウ)氏が新型の画像を先行公開している。PHEV版の価格は9万6,000元(約200万円)から。EV版も現行モデルの11万7,800元(約248万円)からの水準が維持される見通しで、テスラModel Y(中国仕様26万3,500元〜)との価格差は2倍以上に開く。
なぜこの価格が成立するのか。そして装備面で何が違うのか。スペックと価格を突き合わせて整理する。
約250万円で何が手に入るのか
新型シーライオン05はEV(純電動)とPHEVの2パワートレインで展開する。EV版はリアモーター駆動で、200kW(268馬力)と240kW(321馬力)の2つの出力を用意。新開発の「Blade Battery 2.0」とフラッシュチャージング技術を搭載し、最短5分での充電が可能になるとされる。
ルーフにはLiDARを搭載。BYD最新の「DiPilot 300」スマートドライビングシステムと組み合わせ、高速道路でのナビ連動オートパイロットや全シナリオ対応のスマートパーキングを実現する。従来モデルのDiPilot 100からの大幅な進化だ。インテリアも刷新され、15.8インチのフローティング中央タッチスクリーンと8.8インチのドライバーディスプレイを採用した。ステアリングホイールとインフォテインメント画面下部には物理ボタンを残している。
PHEV版は第5世代DMシステムを搭載し、1.5リッターエンジンと120kW(160馬力)電動モーターの組み合わせ。バッテリーは26.6kWhと34.275kWhの2種類で、CLTC基準のEV走行距離はそれぞれ220km、305km。CarNewsChinaによると、PHEV版の価格は9万6,000元(約200万円)から12万6,000元(約265万円)となる。
参考までに、昨年3月発売の現行シーライオン05 EVは、50kWhバッテリーでCLTC航続430km、60.9kWhで520km。全グレードに「God’s Eye」Cドライビングアシスト(5基のレーダー、12基の超音波レーダー、12台のカメラ)を標準装備し、車内冷蔵庫やフランク(110L)まで備えていた。新型はこのパッケージにLiDARとDiPilot 300を加えた形になる。
Model Yと並べてみる
| 項目 | BYD シーライオン05 EV | テスラ Model Y(中国仕様) |
|---|---|---|
| 価格(中国) | 11万7,800元〜(約248万円) | 26万3,500元〜(約555万円) |
| 全長 | 4,620mm | 4,797mm |
| 全幅 | 1,860mm | 1,920mm |
| 全高 | 1,630mm | 1,624mm |
| ホイールベース | 2,770mm | — |
| バッテリー容量 | 50kWh / 60.9kWh | — |
| CLTC航続距離 | 430km / 520km | 593km / 719km(LR AWD) |
| ADAS | God’s Eye C(LiDAR搭載※新型) | Tesla Vision |
| 車内冷蔵庫 | あり | なし |
ボディサイズはModel Yがひと回り大きいが、差はわずか。航続距離ではModel Yが上回る。ただしシーライオン05の520km(上位グレード)は、週に1〜2回の充電で通勤をこなせる水準ではある。
差が際立つのはADASのアプローチだ。テスラがカメラのみの「Tesla Vision」で押し通すのに対し、BYDはLiDARを加えた冗長構成を採る。どちらが優れているかは運用実績を見なければわからないが、約250万円のクルマにLiDARが載っている事実は、コスト構造の違いを端的に示している。
300万円台前半のLiDAR付きSUV——日本には空白地帯
BYDがこの価格を実現できる背景には、バッテリーセルからパックの組立、モーター、車載半導体まで主要部品を内製する垂直統合モデルがある。特にブレードバッテリーはLFP(リン酸鉄リチウム)セルを自社生産しており、業界推定ではセルコストが1kWhあたり50ドル前後。50kWhパックでも原価は約2,500ドル(約38万円)に収まる計算で、車両価格全体に占めるバッテリーコスト比率を大幅に抑えている。テスラもLFPセルをCATLから調達しているが、外部購入である以上、BYDほどのコスト圧縮は構造的に難しい。
欧州ではEUが中国製EVに最大35.3%の追加関税を課しており、BYDはハンガリーやトルコで現地工場の建設を急いでいる。中国国内では関税の影響がないため、垂直統合のコスト優位がそのまま価格に反映される。
日本ではBYDがSEALION 7(シーライオン7)を2025年4月に528万円から発売済みだ。BYD Auto Japanは2025年末までにディーラー網を全国100店舗以上に拡大する計画を掲げている。シーライオン05の日本導入は現時点で未発表だが、仮に中国価格の約250万円に輸送費・認証コストを上乗せし、350万円前後で販売されたとする。日本のCEV補助金(2025年度実績でBYD車は最大35万円)を適用すれば、実質300万円台前半になる。
この価格帯で買えるEVは日産サクラ(軽EV・約255万円〜)やBYD DOLPHIN(363万円〜)が中心。LiDAR搭載のコンパクトSUVは存在しない。空白地帯だ。
新型シーライオン05の正式スペックとEV版の価格は4月20日に発表される。
出典
- BYD’s Sealion 05 EV electric SUV: cheaper than it looks(Electrek)
- BYD Sea Lion 05 EV/PHEV pricing and specs(CarNewsChina)
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