BYDアフターサービス保証2026 – 国産車との維持体制比較NEW
BYDのパワーバッテリー保証は標準で8年・16万km、有償の延長プログラムを使えば10年・30万kmまで延びる。ただしこの「10年30万km」はバッテリーの健全度(SoH)保証に限られ、車両全体を丸ごとカバーする制度ではない。
中国メーカーの中では突出して手厚い保証を掲げるBYDだが、実際に車を預けられる拠点の数はどうなっているのか。保証内容とディーラー網、両方をセットで見ないと「維持のしやすさ」は判断できない。数字を並べて整理する。
保証は4層構造 – 何がどこまでカバーされるのか
BYD Auto Japanの保証は、大きく4つの層に分かれている。「一般保証」「高電圧部品保証」「パワーバッテリーSoH保証」、そして有償オプションの「SoH延長保証」だ。それぞれ対象範囲と期間が違うため、ひとまとめに「BYDの保証は〇年」と語ると誤解を生む。
一般保証と高電圧部品保証
一般保証は新車登録日から4年または10万kmで、材料上・製造上の不具合を無償修理する範囲。国産車のメーカー保証とほぼ同じ考え方だ。これとは別枠で、ブレードバッテリーやモーターなど高電圧部品を対象にした「高電圧部品保証」があり、こちらは8年または15万kmとかなり長い。
SoHとは何か、なぜ「70%」が基準なのか
SoH(State of Health)は、バッテリーが新品時と比べてどれだけ電気を蓄えられるかを示す指標だ。使い続けるとリチウムイオン電池は少しずつ劣化し、満充電しても走れる距離が短くなる。BYDのパワーバッテリーSoH保証は、新車登録から8年または16万kmの間、初期容量の70%を下回ったら無償で修理・交換すると約束するものだ。逆に言えば、70%までの劣化は「想定内」として保証の対象外になる。
2025年4月15日には、有償オプションの「SoH延長保証プログラム」が導入された。8年以内に16万kmへ達した時点から適用され、保証範囲を10年または30万kmまで延ばせる。追加費用は公表されていない。
| 保証名 | 期間・距離 | 対象 |
|---|---|---|
| 一般保証 | 4年 または 10万km | 部品全般 |
| 高電圧部品保証 | 8年 または 15万km | バッテリー・モーター等 |
| パワーバッテリーSoH保証(標準) | 8年 または 16万km | 駆動用バッテリー(容量70%割れで交換) |
| SoH延長保証(有償) | 10年 または 30万kmまで延長 | 駆動用バッテリー |
国産車と比べてどうか – バッテリー保証の実力

数字だけ見ると、BYDの標準バッテリー保証(8年/16万km)は日産や生産終了済みのHonda eが掲げていた水準(いずれも8年/16万km、容量70%未満で交換)とほぼ同じだ。トヨタは10年/20万kmまでの無償修理対応をうたっており、期間・距離の面ではトヨタがわずかに上回る。
| メーカー | バッテリー容量保証 | 一般保証 |
|---|---|---|
| BYD | 8年/16万km(延長で10年/30万km・有償) | 4年/10万km |
| トヨタ | 10年/20万km、70%未満で無償交換 | メーカー通常保証 |
| 日産 | 8年/16万km | 国産車標準 |
| ホンダ(Honda e、生産終了) | 8年/16万km、70%未満で交換 | メーカー保証 |
いずれもメーカー自己申告の数値であり、第三者機関による独立検証データは確認できていない。BYDの「延長で10年/30万km」は他社にない選択肢だが、有償である点は比較表だけでは見えにくい。BYD全車種の価格・スペック比較と合わせて見ると、保証の重みがどの価格帯の車に乗るかで変わってくることが分かる。
認定中古車はさらに手厚い – 2025年6月の改定
2025年6月1日、BYD認定中古車の保証内容が改定された。初度登録4年未満・走行5万km以内の車両を対象に、一般保証5年(走行距離無制限)、高電圧部品保証8年/15万km、SoH延長保証10年/30万kmを標準で付帯する。eパスポート加入車であれば保証は継承され、59カ月目以降は「BYD eパスポートライト」への加入も可能だ。中古車の保証を新車並みに引き上げてきた点は、リセールバリューを気にする層への訴求として分かりやすい。
ディーラー拠点数の推移 – 「年内100店舗」目標は達成できたか
保証の手厚さと表裏一体なのが、実際に整備を任せられる拠点の数だ。BYDは2023年9月20日に「BYD AUTO 東京品川」をオープンして以降、急速に店舗網を広げてきた。
2023年9月末で約49拠点、2024年3月には51拠点(正規ディーラー22店)、2024年10月末には正規ディーラー33店まで増え、年内90拠点(準備室含む)を目指すと表明していた。2025年6月時点では全国63拠点(うち正規ディーラー42店)まで積み上がっている。
2025年当初の目標は年内に全国100店舗体制を築くことだった。だが2025年末の実績は約80店舗にとどまったと報じられている。2026年に入ってからも、1月17日に「BYD AUTO 三島」、3月20日予定で「BYD AUTO 太田」、4月3日予定で関東最大級となる「BYD AUTO 川越」の開業が控えており、拡大自体は続いている。
比較の物差しとして、トヨタは全国に4,600〜4,900店規模の販売網を持つ。BYDの80店規模とは桁が違う。一方で販売実績は伸びており、2023年1月から2025年6月までの累計登録台数は5,305台、2025年通期では3,742台と前年比68%増、3年連続の増加となった。台数の伸びに店舗網の拡大がどこまで追いつけるかは、今後も注視すべき点だ。関連するBYD関連の記事でも、拠点開業の続報を随時扱っていく。
CEV補助金の縮小で保証の重みが増す

国のCEV補助金は、2026年4月登録分からBYD全車種一律15万円に減額される。2026年1〜3月登録分の35万〜45万円から見ると、大幅な縮小だ。主要モデルの価格帯はDOLPHINが299万円台〜、ATTO 3が418万円台〜とされるが、グレードや時期によって440万円〜、363万円〜、SEALでは528万円〜という数値も見られ、幅がある点には注意したい。補助金が縮小するほど、購入後にかかる保証・維持のコストが実質的な負担感として相対的に重みを増すとの見方もある。
品質・アフターサービスの現場の声 – 未確証だが無視できない指摘
SNSや口コミベースでは、大型タッチスクリーンを使ったインフォテインメントシステムのフリーズや再起動、一部部品の取り寄せに時間がかかるといった報告が散見される。24時間365日のロードサイドアシスタンスを謳う記述も二次ソースには見られるが、BYD公式ページでの一次確認はできていない。公式統計や独立調査による具体的な故障率データも、現時点では確認できなかった。数字で裏付けられない話である以上、参考情報として留めておくべきだろう。
BLADE NOTEの見立て
保証の内容そのものは、もう国産大手と並ぶか一部で上回る水準にある。問題は「保証書に書かれた年数」と「実際に車を持ち込める店の数」の間に、まだ距離があることだ。2025年に掲げた年内100店舗という目標に対し、実績は約80店舗。未達ではあるが、店舗数自体は右肩上がりで、2026年も三島・太田・川越と開業が続いている。
気になるのは、SoH延長保証が有償オプションである点が比較表の数字だけでは見えないことだ。「10年30万km」という響きだけが独り歩きすれば、無償の標準保証だと誤解されかねない。もう一つは、バッテリー交換が必要になったとき、近隣に対応できる拠点があるかどうかは保証の文言より実務上の安心感を左右するという点。トヨタの4,600〜4,900店規模と比べれば、BYDの80店規模はまだ心もとない。保証を先に厚くし、実行体制を後から追いかける戦略は理にかなっているが、追いつくまでの数年間は「保証はあるが近くに店がない」という状態が続く地域が出てくるだろう。次に川越や太田の開業実績、そして2026年内の総店舗数がどこまで伸びるかが、この保証が「絵に描いた餅」で終わるかどうかを判断する材料になる。
出典
- 保証について(BYD Auto Japan公式)
- パワーバッテリーSoH保証について(BYD Auto Japan公式)
- SoH延長保証プログラム導入のお知らせ(BYD Auto Japan公式)
- 認定中古車保証改定のお知らせ(BYD Auto Japan公式)
- 累計登録台数に関するお知らせ(BYD Auto Japan公式)
- BYD AUTO 東京品川オープンのお知らせ(BYD Auto Japan公式)
- バッテリー保証について(トヨタ自動車公式)
- EVメンテナンス・保証について(日産自動車公式)
- 保証について(Honda公式)
- BYD販売網に関する報道(webCG)
- BYD拠点数に関する報道(ASCII.jp)
- BYD拠点拡大目標に関する報道(36Kr Japan)
- BYD拠点数実績に関する報道(36Kr Japan)
- BYD・テスラの店舗展開に関する報道(日本経済新聞)
- 2025年通期登録台数に関するお知らせ(PR TIMES)
- BYD保証内容の解説記事(note)
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