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BYD日本の店舗数は78店舗 営業中の内訳と出店戦略

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BYD日本の店舗数は78店舗 営業中の内訳と出店戦略

結論:BYD日本の店舗数は2026年10月24日時点で78店舗(営業中60・開業準備中18、BYD Auto Japan公式の店舗一覧)。2026年9月7日時点の77拠点に、10月17日開業の旭川が加わった。2025年末の「100拠点」目標は未達。

時点 拠点数 備考
2024年4月 51拠点 22ディーラーが運営
2025年11月28日 68拠点 報道ベース
2025年末〜2026年初 69拠点 38都道府県
2026年3月末 70拠点 実績の中間値
2026年9月7日 77拠点 公式。営業中59+開業準備中18
2026年10月24日 78店舗 公式の店舗一覧。営業中60+開業準備中18(旭川が開業)

BYD Auto Japanの公式ディーラーマップは2026年9月7日時点で「全国77拠点(営業中59・開業準備室18)」に更新され、BYD Auto Japan公式の店舗一覧では2026年10月24日時点で78店舗(営業中60・開業準備中18)になっている。

巷で語られる「目標70拠点を超えて77拠点へ」という表現には、実は見落とされがちな前提のズレがある。70という数字は到達目標ではなく、2026年3月末時点の実績の中間値に過ぎない。本稿では公式最新数値を起点に、拠点数の推移、戦略転換の内実、販売実績との紐付けまで深掘りする。

77拠点のうち営業中は59

BYD Auto Japanの公式ディーラーマップによれば、2026年9月7日時点の拠点数は77。うち営業中が59、開業準備室が18という内訳だ。展開エリアは開業準備室を含めて39都道府県に及び(営業中の店舗がある都道府県は31)、未出店は青森・秋田・福井・奈良・島根・徳島・高知・長崎の8県のみとなった(2026年10月時点の公式店舗一覧で集計)。

都道府県別の偏り

最多は東京都の11店舗、次いで愛知県が6店舗。首都圏・中部圏への集中は続いているが、後述するミニディーラー戦略によって地方への面展開も進みつつある。未出店の8県はいずれも人口規模が小さく、都市部からの移動距離も長いエリアに集中しており、ディーラー網の「最後の空白地帯」として残っている格好だ。開業準備室18拠点のうち相当数がこうした空白県の周辺に位置していると見られ、今後半年から1年のうちに全都道府県出店に近づく可能性がある。逆に言えば、営業中59拠点という実働数だけを見れば、公式発表の77という数字が示すほどの「面の広がり」はまだ実現していない点には注意が要る。

70拠点は目標でなく3月末の実績

BYD日本の店舗数2026 - 77拠点の実像と出店戦略の転換点
出典: CnEVPost

そもそもBYD Auto Japanが2022年8月に公表した当初計画は「2025年末までに100拠点」だった。当時の発表から3年以上が経ち、2026年3月末の実績は70拠点。つまり70は目標達成の通過点ではなく、未達の途中経過として記録された数字にすぎない。100拠点目標そのものが、2025年末→2026年末→2027年末と、少なくとも2回後ろ倒しされている。

拠点数タイムラインの整理

集計方式(営業中のみか、開業準備室を含むか)が報道ごとに揺れている点には注意が必要だ。下表は主要な時点の数値を並べたもの。

時点 拠点数 備考
2024年4月 51拠点 22ディーラー運営
2025年11月28日 68拠点 ―
2025年末〜2026年初 69拠点 38都道府県
2026年3月末 70拠点 実績の中間値
2026年8月上旬 約80拠点 英語系報道の概算
2026年9月7日 77拠点 公式・営業中59+準備中18

8月の「約80」と9月の公式「77」は矛盾ではない。時点のズレと集計方法の違い(運営中のみか準備室まで含めるか)で説明できる範囲であり、公式の77を基準値として扱うのが実務的には安全だ。2024年4月の51拠点から2026年9月の77拠点まで、約2年半で26拠点の純増という計算になる。年換算ではおよそ10拠点強のペースであり、当初計画の「3年で100拠点」(年34拠点ペース)とは依然として開きがある。

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1〜2車種展示のミニ店へ転換

BYDの日本参入は2023年1月、横浜に開いた「BYD AUTO 東名横浜」を1号店とする都市部の正規ディーラー展開から始まった。しかし物件確保が難航し、2025年末の100拠点目標は早々に崩れた。

ミニディーラーとは何か

郊外の大型展示場を構える従来型のディーラーと違い、ミニディーラーは1〜2車種のみを展示する小規模店舗だ。旧コンビニ跡地のような空き物件を活用することで、出店までの準備期間をおよそ半分に圧縮できるという。BYD Auto Japan社長の東福寺厚樹氏は「地方の小規模商業地域をカバーする」とコメントしており、郊外型の大型店ではなく、地域密着型の小さなモールのようなイメージだと説明している。

この転換は、人口50万人未満の地方都市をターゲットにする点が特徴だ。都市部での出店余地が狭まる中、軽自動車の需要が強い地方に小さな拠点を数多く置く発想に切り替えたと見てよい。初期投資と運営コストを抑えられる反面、1拠点あたりの展示台数・試乗機会は限られるため、来店客の購入検討期間が長くなりやすいという副作用も指摘されている。拠点数の「量」を追う戦略が、販売体験の「質」とトレードオフになっている構図は見逃せない。EVの普及率そのものも、都道府県によって大きな差がある。→ EV普及率の都道府県ランキング2026

軽EV「RACCO」とディーラー網の相互作用

2026年7月28日に発売された軽EV「RACCO」は、外国メーカーとして初の軽自動車規格EV参入となった。価格は214.5万円〜(200/300 Plus/300 Premiumの3グレード、税込)、CEV補助金15万円適用後は実質199.5万円〜となる。軽自動車規格は全長3.4m以下・全幅1.48m以下・64馬力以下という制約があり、日本市場専用設計のローカライズの深さを示す事例でもある。

発売1週間で700台超、2週間後の8月9日時点で1,002台の受注と報じられた。グレード構成は上位の「300 Premium」が8割を占める。一方、業界データ(登録台数)ベースでは発売後4日間でわずか125台という報道もある。BYD側は「ディーラーの試乗登録が大半」と説明しているが、受注数(発注ベース)と登録数(納車ベース)のギャップは小さくない。地方のミニディーラーが増えても、それがすぐに登録台数に反映されるわけではない点は留意すべきだ。車種とグレードごとの最新の納車目安は、納期チェッカーで確認できる。→ BYD納期チェッカー

RACCOのような軽自動車規格の小型車は、1〜2車種展示のミニディーラーとの親和性が高い商品設計でもある。大型のSUVやセダンを並べる広い展示場を必要とせず、狭小な区画でも実車を見せられるため、地方の空き物件活用戦略とRACCOの投入タイミングは戦略的に連動していたと見るのが自然だ。軽自動車市場は国内新車販売の4割前後を占める巨大セグメントであり、ここに食い込めるかどうかが、拠点網拡大の「量」を実際の販売台数という「成果」に転換できるかの試金石になる。閉店のニュースが「撤退説」につながった経緯は、別記事で時系列にまとめた。→ BYD日本撤退は本当?閉店の理由

ヤナセは参入、イオン提携は否定

BYD日本の店舗数2026 - 77拠点の実像と出店戦略の転換点
出典: Car Watch(Impress)

大手資本の参入という質的な転換

輸入車販売の大手「ヤナセ」が新会社「ヤナセEVスクエア」を通じてBYDと正規ディーラー契約を結んだ。1号店「ヤナセEVスクエア磯子支店」(BYD AUTO 横浜南)は2026年7月11日にオープン、敷地518平方メートル、急速充電器2基を備える神奈川県内4番目のBYD専売店だ。充電インフラの整備状況と合わせて見ると、拠点の「質」への投資が始まったことが分かる。中小フランチャイズ加盟店主体だった販売網に、輸入車販売で蓄積したアフターサービス体制を持つ大手が加わった構図は、拠点数という量の議論とは別の軸で評価する必要がある。ヤナセは長年にわたりメルセデス・ベンツなど輸入車の整備・部品供給網を運営してきた実績があり、EVに不可欠な高電圧バッテリー整備やリコール対応といった後工程の信頼性を押し上げる効果が期待できる。拠点数の増加ペースだけでなく、こうした整備網の厚みが中古車としての残存価値や所有時の安心感に直結する点は、消費者目線では拠点数以上に重要な指標かもしれない。ただし、ヤナセの今後の出店計画は「未定」と明言されている。

イオン提携報道は公式に否定済み

2025年10月21日、BYDがイオンと提携し全国約30のイオンモール等に販売拠点を設置する計画が報じられたが、同時期にBYD Auto Japanは「そうした事実はございません」と明確に否定している。確定事実として扱えない情報であり、両論併記が必須の論点だ。

BYD78店舗、テスラは約22拠点

出店モデルの違いを浮かせるため、テスラ日本との対比を見てみる。テスラは2026年12月までに50店舗を目指す計画で、前年同時期12店舗から現在22店舗へという報道がある(店舗規模・直営方式は異なるため単純比較には注意)。

項目 BYD日本 テスラ日本
出店モデル フランチャイズ中心+大手資本参入 直営中心
現在の拠点数(目安) 78店舗(2026年10月) 22拠点(目安)
目標 100拠点(2027年目標に後ろ倒し) 50拠点(2026年12月)
出店単位 1〜2車種展示のミニディーラーも含む 大型直営店中心

直営中心のテスラと、フランチャイズ中心で拠点規模の幅が広いBYD。単純な拠点数の比較だけでは、両社の出店モデルの違いを捉えきれない。直営方式は本社側が投資リスクを負う代わりに展示品質やサービス水準を均質化しやすい一方、フランチャイズ中心のBYDは初期投資負担を加盟店側と分散できるため拠点数そのものは伸ばしやすいが、店舗ごとの接客・整備品質にばらつきが出やすいという構造的な違いがある。ヤナセのような大手資本の参入は、このばらつきを是正する動きの一つと位置づけられる。実車を見て見積もりを取るなら、最寄りの正規ディーラーを都道府県から探せる。→ BYD正規ディーラー検索

拠点は増えても1店の販売は伸び悩み

2026年上半期(1〜6月)の国内新車登録台数は2,334台、前年同期比42.7%増で3期連続の増加となった。BYD全車種のラインナップの中でも、2025年12月発売のPHEV「SEALION 6」が1,254台と牽引役になっている。3月単月は625台で前年同月比ほぼ倍増した。

ただし、政府のCEV補助金はBYD車に対して35万〜45万円から15万円へ縮小された一方、トヨタなど国内メーカーには増額された非対称な政策環境の中での成長という点は見落とされやすい。また裏取りの弱い二次情報ではあるが、2023年1月〜2025年6月の累計販売約5,300台・拠点数45という報道をもとに計算すると、1拠点あたり想定300台/年という当初目標には遠く及ばない計算になる。補助金縮小は実質価格の上昇を意味し、1台あたりの購入検討ハードルが上がった状態でも登録台数が増加基調を維持している点は評価できる一方、拠点当たりの採算ラインに届かない状態が続けば、フランチャイズ加盟店の収益性そのものが出店ペースの制約要因になりかねない。店舗のない県や運営会社ごとの内訳は、一覧にまとめている。→ BYD店舗一覧2026(全国の内訳と空白県)

BLADE NOTEの見立て

78店舗(2026年10月時点)という数字は、単独の成果ではなく二段階のピボットの結果として読むべきだ。都市部直営・大型展示モデルが物件確保の壁にぶつかり、そこから地方ミニディーラーへの転換、さらにヤナセのような大手資本の参入という二つの動きが重なって今の拠点網ができている。

100拠点という目標そのものは、2025年末→2026年末→2027年末と二度後ろ倒しされてきた。拠点数のキャッチアップそのものをニュースの本質と見るのは早計だ。本質的な論点は、1拠点あたり想定300台という当初の採算ラインと、実際の販売ペースとのギャップがどこまで縮まるかにある。購入後の整備や保証の受けやすさは、店舗網とセットで考える必要がある。→ BYDの保証とアフターサービス

RACCOの受注数と登録数のギャップ、イオン提携報道の否定、ヤナセ参入という三つの事象は、いずれも「BYDの日本販売網は数字の見え方と実態にズレがある」という一貫したテーマで束ねられる。拠点数の報道を見るときは、営業中か準備室か、発注か納車か、という内訳まで確認した方がいい。

次に確認すべきは2026年内の受注1万台目標の達成状況と、年末時点でのBYD Auto Japan公式ディーラーマップの更新だ。拠点数の数字そのものより、営業中拠点の比率がどこまで上がるかを追う方が実態に近づける。

出典

更新履歴

  • 2026年10月16日更新: 事実関係を一次情報で確認し、価格・数値などを最新の情報に訂正しました。

2026年10月24日: 拠点数の推移表で「68拠点」の時点を2024年11月28日から2025年11月28日に訂正しました。

2026年10月24日: 販売店数を最新値(BYD Auto Japan公式の店舗一覧で2026年10月24日時点78店舗、営業中60・開業準備中18)に更新しました。

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BLADE NOTE編集部

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