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ホンダ スーパーワン登場 – BYD DOLPHIN・ATTO 3の競合構図はどう変わるか

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ホンダ スーパーワン登場 – BYD DOLPHIN・ATTO 3の競合構図はどう変わるか

ホンダが小型EV「Super-ONE(スーパーワン)」を2026年5月22日に発売した。価格は339万200円(税込)。4月16日から先行予約を開始したAセグメントの新型BEVは、車両重量1090kg・WLTC航続274km・最大出力70kW(BOOSTモード)というスペックで、日常使いに高揚感を加えることを狙う。日本のコンパクトEV市場で先行してきたBYD DOLPHINやATTO 3にとって、無視できない国内勢の参入となる。

スーパーワンが置きにきたポジション

スーパーワンは軽量プラットフォームをベースに、薄型バッテリーを床下中央に配置して低重心化を図った設計だ。トレッドを拡幅したワイドスタンス、ブリスターフェンダー、専用エアロパーツで「走りの楽しさ」を前面に押し出している。通常モードの最大出力は47kWだが、専用ドライブモード「BOOSTモード」を選ぶと70kWまで引き上げられる。

EVでありながら仮想有段シフト制御とアクティブサウンドコントロールを組み合わせ、ステアリングのパドル操作による変速感とエンジン車を思わせるサウンドを再現する。BOSEと共同開発した8スピーカーのプレミアムサウンドシステムも標準装備し、13.1Lのサブウーファーまで備える。ホンダの小型モデルにBOSEが載るのは初めてだ。

つまりスーパーワンは「合理的な実用EV」ではなく、「運転して楽しいAセグメントEV」というキャラクター付けで市場に下りてくる。ここがDOLPHINやATTO 3との比較を一筋縄にいかなくしている。

BYD勢との直接比較 – 価格・航続・サイズ

BYDが日本市場で展開するコンパクトEV2車種と並べると、各車のキャラクターの違いが見えてくる。スーパーワンの価格は339万200円(税込)で、国のCEV補助金130万円を引くと209万200円。BYD 2車種の補助金は15万円のため、補助金後の価格差は表示価格より大きく縮む。

項目 ホンダ Super-ONE BYD DOLPHIN BYD ATTO 3
セグメント A(小型) B(コンパクト) C(コンパクトSUV)
車両重量 1090kg 約1500〜1680kg 約1750kg
航続(WLTC) 274km 415〜476km 550〜620km(ATTO 3 EX)
最大出力 70kW(BOOST時) 70〜150kW 150kW
価格帯(税込) 339万200円 299.2〜374万円 437.8〜487.3万円(ATTO 3 EX)
発売 2026年5月22日 2023年9月 2023年1月

こうして並べると、スーパーワンとDOLPHIN・ATTO 3はそもそもサイズもバッテリー容量もかなり違う。航続274kmという数字は、415〜476kmのDOLPHINや550〜620kmのATTO 3 EXと比べれば見劣りする。一方で1090kgという軽さはBYD2車種から500〜600kg軽い水準で、市街地での扱いやすさや電費の面で利点になりやすい。

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食い合うのは「セカンドカーEV」需要

競合構図を考えるうえで重要なのは、コンパクトEV購入層が一枚岩ではないという点だ。日本のBEV販売は2024年が約6万台、2025年が6万677台(前年比1.6%増)と伸び悩み、そのうち約3分の1を日産サクラに代表される軽EVが占める。地方やセカンドカー需要が普及の牽引役という構造は2026年も続いている。

スーパーワンが狙うのはまさにこのレンジだ。航続274km・1090kgという仕様は、長距離移動より「日常の足プラスα」を前提にしている。価格次第ではサクラ・eKクロスEVのひとつ上、軽の枠を超えてもうワンサイズ上がほしい層を取り込む可能性が高い。国のCEV補助金はスーパーワンが130万円(2026年12月末までの登録分、次世代自動車振興センターの銘柄別交付額)で、補助金後は209万200円になる。東京都など自治体の補助を併用すれば、さらに下がる。

一方、BYD DOLPHINは299.2万円から、ATTO 3(EX)は437.8万円からと、国の補助金15万円を差し引いても実質280万〜420万円台がボリュームゾーン。バッテリー容量・航続・室内空間で勝負する「メインカーとしてのEV」だ。スーパーワンと真正面から食い合うわけではなく、購入検討層は部分的に重なるにとどまるとみるのが妥当だろう。

BYDジャパンの打ち手 – RACCOと販売網

BYDサイドも手をこまねいているわけではない。2026年7月28日に発売したRACCOは214.5万円から・WLTC航続210/320kmの軽EVで、まさに「日本のコンパクト需要」に合わせた1台だ。BYD Auto Japanは77拠点(2026年9月7日時点)の販売網を構築し、2025年の販売は3,742台(JAIA)と、2023年の1,446台から2年で2.5倍に伸ばしている。

スーパーワン投入で最も影響を受けそうなのは、DOLPHINよりもむしろRACCOの方かもしれない。サイズ感とユースケースが近く、ホンダブランドの信頼感とディーラー網の広さは中国メーカーにとって厚い壁だ。BYDがどこで差別化するかを考えると、Blade BatteryのLFPセルによる安全性・寿命、800Vアーキテクチャ、CTB構造といった技術的な訴求と、輸入車らしい装備の手厚さに賭ける形になりそうだ。

2026年のコンパクトEV市場で見るべきポイント

スーパーワンの登場で日本のコンパクトEV市場は、軽EV、Aセグメント輸入・国産BEV、Bセグメント中国BEV、Cセグメントコンパクトクロスオーバーという4層構造がよりはっきりする。BYDの2車種はこのうちB・Cセグメントの上位レンジに位置取りしており、ホンダの新型と直接バッティングするのはサイズ・価格帯ともに限定的だ。

むしろ注視すべきは、ホンダがBOOSTモードや仮想シフトといった「運転の楽しさ」をEVの差別化軸として持ち込んだことだ。BYDがこれまで打ち出してきた航続・装備・コストパフォーマンスとは別の評価軸が立ち上がる。日本の購入層がスペック数値で選ぶのか、運転体験で選ぶのか – その答え次第で、コンパクトEVの勝ちパターンが変わってくる。

スーパーワンは2026年5月22日発売、価格は339万200円(税込)。

出典

2026年10月24日: BYD車の価格(DOLPHIN・ATTO 3)を現行値に、RACCOの発売時期・価格・車格を確定値に訂正し、販売店数を更新しました。日本のBEV販売台数(2025年6万677台)とBYD日本の2025年販売台数(3,742台)を実績値に訂正しました。

2026年10月24日: スーパーワンの発売日・価格(2026年5月22日、339万200円)とCEV補助金額(130万円)をホンダと次世代自動車振興センターの公表値に、DOLPHIN・ATTO 3 EXの航続距離を現行値に訂正しました。

BLADE NOTE編集部

BYD・中国EVの価格・補助金・販売店の情報を、メーカー発表や官公庁資料などの一次情報をもとに日本語で整理しています。記事作成には AI を活用し、数値と事実関係は編集部が一次資料で確認しています(編集方針)。