BYD Auto Japan正規ディーラー店舗一覧 – 77店舗の内訳NEW
2026年1月、静岡県東部に初のBYD正規ディーラー「BYD AUTO 三島」が開業した。BYD Auto Japanの店舗網は、非公式集計サイトbydjapan.jpによれば同年7月末時点で全国77店舗に達したとされる。ただし正確な最新数は公式店舗検索(byd.com/jp/find-store、byd.co.jp/e-life/dealer/)で都度確認する必要がある。
77という数字は日々動く。BYDは日本上陸からわずか3年半で、地方都市への小型出店を続けており、店舗検索ページを開くたびに数字が変わっている可能性が高い。この記事では、店舗網がどう作られてきたか、誰が運営しているか、どこにまだ店がないかを、時系列と構造の両面から整理する。
出店の歴史:33店舗から77店舗へ
BYDが日本の乗用車市場参入を正式発表したのは2022年7月。翌2023年1月に第1号店がオープンし、同年3月までに全国33店舗体制を作る計画だったとEVsmartブログが報じている。立ち上がりは決して遅くなかった。国産メーカーが数十年かけて作るディーラー網を、外資系新興ブランドが1年強で33店舗まで持っていった格好だ。
2024年、90拠点目標という強気の数字
2024年10月末時点で正規ディーラーは33拠点。同年末までに開業準備室を含め全国90拠点へ拡大する方針だったと日刊自動車新聞系メディア(netdenjd)は伝えている。この90拠点という目標が実際に達成されたかどうかを裏付ける一次資料は、今回の調査時点では見つからなかった。数字だけが独り歩きしやすい業界なので、達成有無は保留しておく。
ここで一つ気になる矛盾がある。2024年末までに90拠点という目標が仮に達成されていたなら、その後2026年7月時点で77店舗というのは、目標から13拠点分の後退を意味してしまう。出店ペースが鈍る一方で既存店が撤退したという情報は見当たらないため、実際には90拠点目標そのものが達成されなかったと見るのが自然だろう。目標に届かなかった数字は公表されにくく、店舗数の推移を追う記事は「伸びた実績」ばかりが目立ち、「目標未達」は埋もれやすい構造がある。
2025年から2026年、店舗数は着実に積み上がる
2025年6月末時点でショールーム付き正規ディーラーは42店舗、開業準備室を含めると63拠点だったとされる。日本上陸から約1年半の節目では「51店舗・累計販売1,446台」という総括がascii.jpに掲載された。そして2026年7月末に77店舗。単純計算で1年強のあいだに約15店舗が純増したことになる。急拡大というより、着実な積み増しというのがこの1年の実態に近い。33拠点(2024年10月末)から77店舗(2026年7月末)への変化を単純に均すと、約21か月で44店舗増、月あたり2店強のペースになる。もちろん「店舗」の定義(ショールーム付き正規店か準備室段階かの混在)が時期によって揺れており、単純な速度比較には注意が必要だが、少なくとも新興ブランドとしての拡大テンポは緩んでいない。
| 時期 | 店舗数・体制 | 典拠 |
|---|---|---|
| 2023年1月 | 1号店オープン | EVsmartブログ |
| 2023年3月(計画) | 33店舗体制を目標 | EVsmartブログ |
| 2024年10月末 | 33拠点(年内90拠点目標) | netdenjd |
| 2025年6月末 | ショールーム42店舗、準備室含め63拠点 | 検索要約(一次未特定) |
| 2026年3月頃 | 累計51店舗・販売1,446台 | ascii.jp |
| 2026年7月末 | 77店舗 | bydjapan.jp(非公式集計) |
誰が店を出しているのか:フランチャイズの中身

BYD Auto Japanの店舗は、BYD自身が直営しているわけではない。既存の自動車販売・輸入車ディーラー事業者が正規ディーラー契約を結び、看板を掲げる形が中心だ。この構造を知っておくと、なぜ出店ペースが速いのか、なぜ地域ごとに濃淡があるのかが見えてくる。
オートバックスセブンという意外な担い手
カー用品チェーンで知られる株式会社オートバックスセブンは2022年12月、BYD Auto Japanとディーラー契約を締結したと同社が発表し、2023年度からBYD正規ディーラーとしてEV販売を始めた。全国に整備網とテスト用の立地を持つ用品店チェーンが、そのまま新車販売の窓口に転じた例だ。整備・点検の受け皿を最初から持っているため、納車後のサポート体制を新規に一から構築する必要がない。これは新興ブランドにとって大きな時間短縮になる。
輸入車ディーラーグループの参入
Audi、フォルクスワーゲン、ランドローバー、メルセデス・ベンツといった輸入車の正規ディーラーを既に展開する阪神サンヨーホールディングスも、BYD正規ディーラーとして名を連ねている。輸入車特有の型式認証対応や、外国メーカーとの本国とのやり取りに慣れた事業者が加わることで、BYD側は現地オペレーションのノウハウを外部から調達できる。フランチャイズ主体が単一でなく複数系統に分散している点は、トヨタや日産の系列ディーラー網とは異なる作られ方だ。
直営方式のテスラとの対比
同じ海外発の新興EVブランドであるテスラの日本法人は、ディーラーへの委託ではなく直営店・直営サービスセンター方式を採っている。これに対しBYDは既存事業者へのフランチャイズ供与を選んだ。直営方式は接客・価格・在庫の統一がしやすい一方、店舗網を広げる速度は自社の資本と人材確保に制約される。フランチャイズ方式は出店速度を外部事業者の資本と人員で稼げる代わりに、運営主体ごとの温度差が生まれやすい。BYDが77店舗という規模を3年半で作れた背景には、この委託型の拡大戦略があると見てよい。
| 方式 | 採用例 | 拡大速度 | 店舗品質の均質性 |
|---|---|---|---|
| 直営 | テスラ日本法人 | 自己資本に制約されやすい | 比較的高い |
| フランチャイズ | BYD、国産各社 | 外部資本で速度を稼げる | 店舗ごとに差が出やすい |
都道府県別の空白地帯
検索エンジンの要約情報によれば、2026年7月31日時点で青森・秋田・福井・奈良・島根・徳島・高知・長崎の8県に正規ディーラーが存在しないとされる。ただしこの8県リストはbydjapan.jpという非公式の第三者集計に基づくもので、BYD公式の店舗マップと突き合わせての再確認が済んでいない。読者が実際に最寄り店舗を探す際は、必ず公式の店舗検索ページで都道府県を指定して調べてほしい。
この8県に共通する傾向を見ると、青森・秋田・福井は積雪地帯であり冬季のショールーム運営や試乗対応にコストがかかりやすい地域、奈良は大阪・京都の既存店から実質的に商圏がカバーされている可能性がある地域、島根・徳島・高知・長崎は人口規模自体が小さい県という特徴が見える。出店判断が単純な人口比だけでなく、近隣都市圏からのアクセスや気候条件も絡んでいるとすれば、空白地帯が今後も一定数残り続ける可能性はある。あくまで公開情報から読み取れる傾向であり、BYD側の出店方針を直接説明する一次情報ではない点は留意したい。
出店戦略について、大都市圏への出店が一巡した後は人口50万人以下の地方都市を狙う小型店戦略に転換しているという見立てが一部で語られている。三島出店が「東部地区初」と明記されている点は、この見立てと矛盾しない動きではある。ただしこの戦略転換を裏付ける一次資料までは特定できておらず、傾向として捉えるにとどめておきたい。
補助金という店舗探しの実利

ディーラー店舗網の広がりは、単に「試乗できる場所が増える」以上の意味を持つ。CEV補助金(次世代自動車振興センター運営)の申請サポート、納車、V2H等の充電設備提案は多くの場合ディーラー経由で行われる、日本特有の商流があるためだ。店舗が近くにあるかどうかは、補助金申請の手間にも直結する。
BYD ATTO3はCEV補助金の対象車種として登録されている。2026年度は主要モデルが全グレード一律15万円程度、2026年1〜3月登録車には旧基準(35万〜45万円)が遡及適用されるという情報もあるが、補助金額は年度や予算消化状況で変わるため、購入検討時は必ずcev-pc.or.jp本体の最新告知で確認してほしい。東京都では車両購入補助に加え外部給電機能や自治体独自の上乗せで最大40万円規模になり得るとの情報もあり、店舗が申請書類の案内役を担うケースは多い。
CEV補助金の申請自体は購入者本人が行う制度だが、必要書類(申請書、車両情報、事業者関連の証明類)の記入・提出をディーラーがサポートするのが実務上の通例になっている。店舗が近くにない地域の購入者は、郵送や電話でのやり取りに頼るか、最寄りの店舗まで出向いて手続きを進める必要が出てくる。加えて、人気モデルへの補助金予算が年度前半に枯渇するケースは過去にも指摘されており、申請の実務を早く進められるかどうかが受給額に直結しかねない。店舗が近い地域ほど早期申請の相談がしやすく、空白地帯のユーザーはこの点でも不利になりやすい。
| 車種 | 2026年度補助金目安 | 1〜3月登録の遡及分 |
|---|---|---|
| ATTO 3 | 15万円 | 35万〜45万円(旧基準) |
| DOLPHIN | 15万円 | 同上 |
| SEAL | 15万円 | 同上 |
| SEALION 6 | 15万円 | 同上 |
| SEALION 7 | 15万円 | 同上 |
車種ラインナップの全体像や価格帯の詳細はBYD全車種比較の記事にまとめている。充電環境まで含めて検討したい場合は充電インフラガイドも参考になる。
BLADE NOTEの見立て
店舗数の伸びそのものより、運営主体が分散している構造に注目したい。オートバックスセブンのようなカー用品チェーンと、阪神サンヨーホールディングスのような輸入車ディーラーグループが並走してBYDの看板を掲げているのは、単一資本で系列を作るより出店スピードを稼げる反面、店舗ごとの接客品質や整備対応にばらつきが出やすい構造でもある。トヨタ系列のような均質なマニュアル文化を期待すると、店舗間の温度差に戸惑う可能性がある。
もう一つ気になるのは、8県の空白地帯という情報の出どころが公式ではない点だ。BYD公式が都道府県別のカバレッジを積極的に開示していない以上、地方ユーザーは「近くに店があるかどうか」を自分で店舗検索ページを叩いて確かめるしかない。中古車のような流通の厚みがまだない新興ブランドにとって、これは購入の心理的ハードルになる。90拠点という2024年の目標値が達成されたかどうかを追跡する一次発表も見当たらず、BYD Auto Japan自身が節目ごとの店舗数を明確に公表していないことも、情報の非対称性を生んでいる一因だろう。店舗網の「広さ」を語る記事は増えても、「中身の均質性」を検証した記事はまだ少ない。ここは今後の取材テーマにしたい。
出典
- BYD AUTO 三島オープンのお知らせ(BYD Auto Japan公式)
- 正規ディーラー店舗検索(BYD公式)
- BYD日本の出店計画に関する記事(EVsmartブログ)
- BYD日本の拠点拡大に関する報道(日刊自動車新聞系メディア)
- BYD日本上陸1年半の総括記事(ascii.jp)
- BYD Auto Japanとのディーラー契約締結のお知らせ(オートバックスセブン公式)
- 阪神サンヨーホールディングス公式サイト
- CEV補助金対象車両情報(次世代自動車振興センター)
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