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日本の輸入車販売が7年ぶり増加 – JAIA統計に見るBYDの存在感NEW

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BYD: 日本の輸入車販売が7年ぶり増加 – JAIA統計に見るBYDの存在感
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日本の輸入車販売台数が7年ぶりに前年を上回った。日本自動車輸入組合(JAIA)の統計が示すのは、欧州勢の回復だけではない。BYDを中心とするEV勢の販売増が、数字を押し上げる構造的な要因になりつつある。

JAIA統計が映す輸入車市場の地殻変動

JAIAが公表する輸入車販売データは、日本市場における海外メーカーの勢力図を読み解く基礎資料だ。近年はコロナ禍による半導体不足や物流混乱の影響で、輸入車全体の販売は減少傾向が続いていた。7年ぶりの反転は、供給制約の解消に加え、新たな購買層の流入を読み取れる。

変化の中心にあるのは、中国メーカーの台数増だ。BYDは2023年の日本参入以降、DOLPHIN・ATTO 3・SEALと矢継ぎ早にラインナップを拡充。36氪の報道によれば、2024年の販売台数は約3,500台と前年比75%増を記録し、2025年にはSEALION 7やRACCOの投入で約6,000台に届く見通しとなっている。絶対数ではまだ小さいが、成長率の高さが統計上のインパクトを生んでいる。

BYDが伸びるセグメントはどこか

BYDの日本戦略を価格帯で見ると、ボリュームゾーンは300万〜500万円台に集中する。DOLPHINは補助金適用後の実質価格が約234万円からと、国産コンパクトカーと競合する水準だ。ATTO 3も補助金込みで353万円となり、CセグメントSUVとしては割安感がある。

従来、輸入車市場はメルセデス・ベンツやBMWといったプレミアムブランドが主役だった。平均購入価格は600万円前後。そこにBYDは半額以下の価格帯で参入し、「輸入車=高級車」という固定観念の外側で顧客を獲得している。購入者の多くは輸入車の買い替えではなく、国産車からの乗り換えや増車だという。つまり、既存の輸入車パイが食われているのではなく、市場そのものが広がっている。

補助金増額と原油高——2つの追い風

2026年度のCEV補助金は、BEVに対して最大85万円が設定された。BYD車では全車種で65万円の補助が適用される。DOLPHINの場合、東京都の上乗せ補助(最大45万円)を組み合わせれば、実質負担は190万円を切る計算になる。ガソリン車の軽自動車と並ぶ価格帯だ。

原油価格の高止まりもEV普及を後押ししている。ガソリン代の上昇は、EVの「燃料代の安さ」という訴求力を底上げする。自宅充電が可能な戸建て世帯では、月々のランニングコスト差が1万円を超えるケースもある。補助金による初期費用の圧縮と、原油高による維持費メリットの拡大。この2つが同時に効いている局面は、日本のEV市場にとって過去にない好条件といえる。

構造変化の先に見えるもの

もちろん、課題は残る。急速充電器は全国で約1万基。CHAdeMO規格の高出力化は遅れており、長距離移動時の充電体験では内燃機関車に及ばない。BYDの販売拠点も約100店舗と、トヨタの5,000店舗超とは桁が違う。アフターサービスの不安を指摘する声は根強い。

それでも、JAIA統計の数字は事実として残る。輸入車市場の増加分にBYDが寄与しているという構図は、今後さらに鮮明になるだろう。BYDは2025年秋に小型SUV「RACCO」を300万円台前半で投入予定。補助金と自治体上乗せを加味すれば200万円台前半での購入が現実的になり、軽EVのサクラと正面からぶつかる価格帯に入る。

日本の輸入車市場は長らく欧州プレミアムブランドの独壇場だった。そこにBYDが「価格帯の拡張」という形で割って入った。7年ぶりの販売増は、その構造変化が統計に表れた最初のシグナルだ。

出典

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BLADE NOTE編集部
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