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BYD第2世代ブレードバッテリー搭載「Han EV」刷新 – 5分充電・航続705kmの実力NEW

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BYD第2世代ブレードバッテリー搭載「Han EV」刷新 – 5分充電・航続705kmの実力

5分で70%充電——BYDが旗艦セダン「Han EV」に第2世代ブレードバッテリーと超急速充電技術を搭載し、フラッシュチャージエディションとして中国市場に投入した。価格は17万9,800元(約360万円)から。バッテリー技術の世代交代が、既存モデルをどう変えるのかを読み解く。

第2世代ブレードバッテリーの核心——何が変わったのか

BYDが2020年に発表した初代ブレードバッテリーは、LFP(リン酸鉄リチウム)セルを刀のように薄く成形し、CTP(Cell to Pack)構造で体積効率を高めた設計が特徴だった。安全性の高さを示す釘刺し試験の映像は業界に衝撃を与え、同社のEV販売を押し上げる原動力となった。

第2世代では、セルのエネルギー密度向上に加え、超急速充電への対応が最大の進化点だ。Han EVフラッシュチャージエディションの場合、常温で10%から70%までわずか5分、10%から97%まで9分で充電が完了する。CnEVPostの報道によれば、マイナス30℃の極寒環境でも充電時間の増加はわずか3分にとどまるという。低温下での充電速度低下はリチウムイオン電池共通の課題だが、BYDはこれを「業界全体の難題を解決した」と主張している。

この充電性能を支えるのが、800Vアーキテクチャを基盤とするe-Platform 3.0だ。高電圧化により充電時の電流を抑えつつ大電力を受け入れる仕組みで、5C級の充電レートを実現している。バッテリー容量は69.07kWhと大容量ではないものの、電費性能の良さで航続705km(CLTC)を確保した。

電費10.8kWh/100km——テスラModel 3を下回る数値の背景

BYDはHan EVフラッシュチャージエディションの総合電費を10.8kWh/100kmと発表した。CarNewsChinaによれば、これはテスラModel 3の11.2kWh/100kmを下回り、「Cセグメントセダンとして世界最低電費」を謳う。

車体サイズは全長4,995mm×全幅1,910mm×全高1,495mm、ホイールベース2,920mmのミッドラージセダン。240kW(322hp)モーターで0-100km/h加速は6.5秒と、性能面も手堅い。電費の良さはバッテリー技術だけでなく、DiSus-Cと呼ばれるインテリジェントダンピングシステムの寄与もある。路面状況を15m先まで読み取りサスペンション減衰力をリアルタイム調整するこの技術は、乗り心地と走行効率の両立に効いている。

God’s Eye 5.0と装備——1万2,000元のLiDARオプション

知能化の面では、DiLink 100スマートコックピットを標準装備。スマートフォンによる遠隔車両操作や、車外音声アラート、シートを自動リクライニングして環境音を流す休憩モードなどが搭載された。後席にはベンチレーションとヒーターが追加されている。

ADAS(先進運転支援)は「God’s Eye 5.0」を採用。強化学習ベースのエンドツーエンド大規模モデルを用い、高速道路での自動車線変更や自動追い越し、ETC通過をサポートする。CarNewsChinaの報道では、1万2,000元(約25万円)のオプションでLiDAR搭載の上位版にアップグレードでき、市街地での信号認識や非保護右左折、渋滞時追従走行にも対応するとのこと。CnEVPostはこれを「God’s Eye B」と表記しており、名称に若干のばらつきがあるが、LiDAR搭載の上位ADASオプションという位置づけは共通だ。

安全装備では、高速走行中のタイヤバースト時にミリ秒単位で横・縦・垂直方向の安定制御を行うTBC(Tyre Blowout Control)システムも標準搭載される。

なお、今回の2ソースは報道の力点が異なる。CnEVPostはバッテリー技術と充電性能を軸に詳報しているのに対し、CarNewsChinaは装備内容や価格帯、販売動向に重点を置いている。両者を突き合わせることで、技術と市場の両面からHan EVの位置づけが浮かび上がる。

充電インフラと販売の行方

超急速充電を活かすには対応するインフラが不可欠だ。BYDは中国国内311都市に5,500カ所以上のフラッシュチャージステーションを整備済みで、北京—香港—マカオ、瀋陽—海口などの主要高速道路もカバーしている。購入者には1年間のフラッシュチャージ無料を含む11の特典が付く。

Han EVは2022年に中国で27万4,016台を販売した人気モデルだが、2023〜2024年は22万台以上で推移し、CarNewsChinaによると2025年は前年比ほぼ半減と苦戦が続いていた。第2世代ブレードバッテリーの投入が、このトレンドを反転させられるかが問われる。

日本で販売中のATTO 3やDOLPHINは初代ブレードバッテリーを搭載している。第2世代の技術がこれらの既存モデルや、2025年秋発売予定のRACCOにいつ展開されるかは現時点で公式発表がない。BYDジャパンは2025年度中の技術導入について明言を避けており、RACCOの発売仕様が第2世代バッテリー国内展開の試金石になる。

出典

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BLADE NOTE編集部
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