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日本のCHAdeMO充電器数2026年14553口-3万口達成は何年後かNEW

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日本のCHAdeMO充電器数2026年14553口-3万口達成は何年後か

2026年6月末時点で、日本のCHAdeMO急速充電器は口数ベースで14,553口ある。

これは調査会社GoGoEVが毎月まとめている集計値で、前月の14,377口から176口の増加だ。一見すると着実に伸びているように見えるが、経済産業省が掲げる「2030年度までに急速充電3万口」という整備目標から逆算すると、話はそう単純ではない。

何が起きたのか、まず数字を並べる

GoGoEVの月次レポートによると、CHAdeMO急速充電器の口数は2025年12月末時点で13,797口2026年5月末で14,377口、そして2026年6月末で14,553口と推移している。半年で756口の増加、月平均では126口のペースだ。

もう少し長いスパンで見ると、2024年2月末時点の口数は10,402口だった。ここから2026年6月末までの28ヶ月間で4,151口増えた計算になり、月平均では約148口、年換算で約1,776口のペースが直近2年強の実力値ということになる。

「口数」と「拠点数」は別物という基本

日本のCHAdeMO充電器数2026年14553口-3万口達成は何年後か
出典: GoGoEV

ニュースやSNSで「充電器◯万基」という数字を見かけたら、まず疑うべきは母集団の定義だ。GoGoEVは充電スタンドの「拠点数」と、そこに設置された充電器本体の「口数」を分けて集計している。1拠点に複数口が設置されているケースも多いため、拠点数だけを見ると実際の充電能力を過小評価しやすい。

さらにやっかいなのが、経済産業省の統計と民間集計の間で母集団のスコープが違う点だ。2025年3月末時点の経産省系データでは、コンビニや道の駅など「公共用」に限定した充電器が全国で約4万3,000口(うち急速は約1万2,000口)。これに個人宅や集合住宅、事業所内の私有分まで含めた全体では約6万8,000口(急速約1万2,000口・普通約5万6,000口)という数字になる。詳しい内訳は本サイトの充電インフラガイドでも整理しているので、全体像を掴みたい場合はあわせて参照してほしい。

記事や資料を読むときは「公共用のみか、私有含む全体か」「拠点数か口数か」の2軸を必ず確認する癖をつけておくと、数字の一人歩きに惑わされずに済む。

CHAdeMOという規格の仕組み

CHAdeMOは2010年に日本の自動車メーカーと電力会社が主導して策定した急速充電規格で、直流(DC)を車両バッテリーに直接送り込む方式を採る。家庭用コンセントのような交流(AC)を車載充電器で直流に変換する普通充電と違い、充電器側の大型変換装置で先に直流化してしまうため、短時間で大電流を流し込める。

電圧を上げて出力を稼ぐ「CHAdeMO 3.0」

2024年10月の関連法規改正で、CHAdeMOは1,500Vという高電圧域での充電に対応できるようになった。電力(kW)は電圧(V)×電流(A)で決まるため、電流を上げずに電圧だけ引き上げれば、ケーブルを太くしなくても出力を伸ばせる。この規格更新により、CHAdeMOは理論上400kWまでの出力拡張が可能になったとされる。

後継規格ChaoJiとの関係

日本と中国は、CHAdeMOの後継として次世代規格「ChaoJi」を共同開発中だ。ChaoJiはCHAdeMOのコネクタ形状を踏襲しつつ、中国の急速充電規格GB/Tとの相互互換性も視野に入れている。CHAdeMO協議会は「CHAdeMOはChaoJiへ滑らかに移行する」という立場を取っており、既存のCHAdeMO車両やインフラが一夜にして使えなくなるような設計にはなっていない。

CHAdeMOから後継規格ChaoJi、そして北米NACSへ——充電規格の分岐点
CHAdeMOから後継規格ChaoJi、そして北米NACSへ——充電規格の分岐点

2030年目標に届くのはいつか、単純計算してみる

経産省の整備目標は、2030年度までに充電器全体で30万口(急速3万口+目的地充電10万〜15万口+自宅等基礎充電10万〜20万口)、急速充電の平均出力も40kWから80kWへ倍増、というものだ。このうち急速3万口という目標だけを取り出し、CHAdeMOの直近ペースを当てはめてみる。

2026年6月末の14,553口から3万口までの残り距離は15,447口。直近28ヶ月の平均ペースである月148口をそのまま延長すると、到達までに約104ヶ月、年数にして約8.7年かかる計算になる。起点を2026年6月とすると、単純延長では2035年前後にずれ込み、2030年度という政府目標には届かない見立てになる。

もちろんこれは機械的な直線外挿にすぎない。CEV補助金の拡充で新設ペースが加速する可能性もあれば、逆に後述する規格転換の思惑から投資が様子見ムードになり減速する可能性もある。あくまで「今のペースが続いたら」という前提つきの試算だ。

月次推移データ

時点 CHAdeMO口数 前回差分
2024年2月末 10,402口
2025年12月末 13,797口
2026年5月末 14,377口 +580口(5ヶ月)
2026年6月末 14,553口 +176口(1ヶ月)

都道府県別に見ると偏りが大きい

2026年6月1日時点のEV・PHEV累計普及台数は、東京都が約7万2,000台で全国トップ、次いで愛知県が約5万3,000台、神奈川県が約4万1,000台と続く。東京都は2025年4月から新築建物へのEV充電設備設置を義務化しており、都内のCHAdeMO急速充電口数は2026年6月時点で約1,300口、2035年までに2,000口という独自目標を掲げている。

単純に割り算すると、東京都は普及台数約7万2,000台に対し急速充電口数が約1,300口。EV1台あたりの急速充電口の余裕度は全国平均よりむしろ厳しい可能性がある地域だ。普通充電(自宅・集合住宅・目的地充電)の整備状況次第で体感は変わるが、急速充電だけに頼る集合住宅居住者にとっては今後も混雑リスクが残る計算になる。

出力性能の実態、「速い充電器」はどれだけあるか

日本のCHAdeMO充電器数2026年14553口-3万口達成は何年後か
出典: GoGoEV

台数と同じくらい重要なのが、1口あたりの出力だ。経産省の検討会資料(2023年3月時点)によれば、急速充電器の出力構成は50kW未満が57%、50〜90kW未満が31%、90kW以上が12%となっている。半数以上がいまだに50kW未満という比較的非力な機種で、90kW以上の高出力機はまだ1割程度にとどまる。

出力区分 構成比(2023年3月時点)
50kW未満 57%
50〜90kW未満 31%
90kW以上 12%

経産省の指針は急速充電の平均出力を40kWから80kWへ倍増させる方針を明記している。つまり台数を増やすだけでなく、既存の非力な機種を高出力機へ置き換えていく「質の転換」も同時並行で進める必要があるということだ。単純な口数の伸びだけを追っていると、この質的な課題を見落とすことになる。

CHAdeMOの牙城に忍び寄るNACSという選択肢

ここまではCHAdeMOという単一規格の中の話だったが、規格そのものの先行きにも変化の兆しがある。マツダは2027年発売予定の国内向けBEVでテスラ規格「NACS」の採用を発表済みだ。ステランティスも日本・韓国向けで2027年からNACS採用を予定しており、ソニー・ホンダモビリティの「アフィーラ」も2026年後半の国内発売時にNACS対応となる見込みで、テスラ以外では日本初のNACS採用EVになりそうだ。

焦点は、国内販売台数の大きいトヨタ・日産・ホンダが国内向けEVでもNACSへ動くかどうかに移っている。北米向けはすでに各社ともNACS対応を表明済みで、あとは国内市場でも同じ判断をするかという話だ。海外では米国の大手充電網Electrify AmericaがCHAdeMO対応を段階的に廃止する方針を打ち出しており、CHAdeMOの国際的な立ち位置は縮小傾向にある。中国メーカー各社がGB/T規格で独自の巨大市場を築いている状況は中国EVメーカーの動向まとめでも触れているが、CHAdeMOはこの巨大な中国市場ともCCSが主流の欧州市場とも互換性を持たない、いわば「日本発の孤立規格」になりつつある。

もっとも、日本国内で走るBYDの各モデル(DOLPHINやATTOなど)は現状すべてCHAdeMOに対応しており、BYD全車種の価格・スペック比較で見てもこの前提は当面変わらない。国内メーカーがNACSへ舵を切ったとしても、既存のCHAdeMOインフラが即座に無用になるわけではない点は誤解のないようにしたい。

BLADE NOTEの見立て

今のペースでは2030年度の急速3万口目標に届かないというのが、単純計算から導ける結論だ。ただし個人的には、口数そのものよりも「質への投資」と「規格転換の思惑」がペースを左右する変数として大きいと見ている。

まず質への投資。50kW未満が57%を占める現状で、経産省は平均出力を80kWへ倍増させる方針だ。既存の低出力機を高出力機へ更新するのか、それとも新設分だけで平均を引き上げるのかで、投資の総額もペースも大きく変わる。更新型の投資は「新規口数」としてはカウントされにくいため、統計上の伸びが鈍く見えても実質的な充電能力は上がっている、というねじれが今後起きうる。

次に規格転換の思惑だ。マツダやステランティスがNACS採用を決めた背景には、テスラのスーパーチャージャー網(2026年4月時点で国内148ステーション・734基)への相乗り期待がある。もしトヨタや日産も追随すれば、充電インフラ事業者は「CHAdeMO一本足打法」への投資をためらい始めるだろう。国が2030年度目標を急速CHAdeMO前提で立てている以上、規格が割れるシナリオは目標達成をむしろ遠ざける方向に働くと見ている。

次にGoGoEVが月次レポートを出すタイミングで、口数の伸びが月148口のペースを維持できているか、それとも鈍化し始めているかを見ておきたい。伸びが鈍る局面が来たら、それは充電網の話ではなく、規格の主導権争いが実際にインフラ投資へ影を落とし始めた合図だと考えている。

出典

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BLADE NOTE編集部
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