Leapmotor A05、6月発売へ – 中国コンパクトEV激戦区に参入
航続405kmと510km、そして90kWのモーターとオプションのLiDAR – 中国Leapmotor(零跑汽車)が新型コンパクトEV「A05」のスペックを公表した。CnEVPostが伝えた中国メディアAuto Homeの報道によれば、5月にお披露目、6月に正式発売される見通し。BYD Dolphin(海豚)やGeely Xingyuan(星願)がひしめく激戦区に投入される一台だ。
A05のスペックと位置づけ
規制当局への届け出によると、A05のボディサイズは全長4,200mm、ホイールベース2,605mm。コンパクトハッチバックとしては標準的な寸法で、Aセグメント上位からBセグメント下位を狙うパッケージとなる。Aシリーズとしては既存の「A10」(コンパクトSUV)に続く第2弾の位置づけで、A10は2025年後半の投入後、Aシリーズ全体の販売を底上げしてきたモデル。A05はそのハッチバック版として、より価格を抑えたエントリー需要を取り込みにいく構造だ。
パワートレインは70kWと90kWの2種類のモーターを用意。バッテリーはGotion High-tech(国軒高科)など複数サプライヤーから調達し、航続距離は405kmと510kmの2タイプから選べる。価格は未公表だが、Leapmotorのブランドポジションとモーター・電池構成からみて、中国国内で7万元〜10万元台のレンジに収まる可能性が高い。
ここで効いてくるのは、ルーフ搭載のLiDARをオプション設定する点だ。少し前まではプレミアムセグメントの専売特許だった高価なセンサーが、低価格帯にまで下りてきた。BYDも次期Seagull(海鴎)への同種センサー追加が見込まれており、10万元前後のEVでもL2+〜L2++相当のADASを当然のように積む流れが固まりつつある。中国のコンパクトEVは「安いだけ」のフェーズを終え、価格据え置きのまま装備を一段上へ引き上げる競争に入っている。
BYD Dolphin、Geely Xingyuanとの比較と100万台戦略
A05が直接対峙するのは、中国国内のコンパクトEV市場で人気を集めるBYD DolphinとGeely Xingyuanの2台。ボディサイズや航続距離を整理すると、A05のキャラクターが見えてくる。
| 項目 | Leapmotor A05 | BYD Dolphin | Geely Xingyuan |
|---|---|---|---|
| 全長 | 4,200mm | 4,290mm | 4,135mm |
| ホイールベース | 2,605mm | 2,700mm | 2,650mm |
| モーター出力 | 70/90kW | 70/130kW | 58/85kW |
| 航続距離(CLTC) | 405/510km | 301/420km | 310/410km |
| LiDAR | オプション設定 | 非搭載 | 非搭載 |
| 中国市場価格帯 | 未公表 | 約9.68万元〜 | 約6.88万元〜 |
サイズ感ではXingyuanより一回り大柄、Dolphinよりは短いという独自のポジションを取る。航続510kmは同セグメントとして長めで、LiDARを選択肢として用意してくる点でも差別化が利く。一方でXingyuanの破壊的な低価格、Dolphinの累計販売100万台超というブランド浸透力は手強い相手だ。Leapmotorとしては「ちょい上」のスペックでバリュー勝負を仕掛ける構図となる。
その背景にあるのが、年間100万台販売という大目標だ。Leapmotorは2025年通期に約60万台を販売し、中国の新興EVメーカー(NEV系新興勢力)の中で販売台数トップに立った。3月の決算電話会議で経営陣は2026年に新型車で約60万台、既存モデルで約40万台という内訳を改めて表明している。A05はAシリーズの第2弾として、まさにボリュームゾーンを担う駒となる。夏には電動MPV「D99」の投入も予告されており、価格帯とボディタイプを広げて100万台へ積み上げる作戦が見えてくる。さらに、Stellantisとの合弁「Leapmotor International」を通じた欧州販売も並行で進行中で、欧州ではすでにT03とC10が先行投入済み。A05はそのラインナップに加わる本命のCセグメント以下モデルとして、中国国内だけでなく海外市場の主力候補にもなりうる。
LiDAR搭載の波が日本のエントリーEVに迫る
Leapmotorは日本上陸の具体的計画を発表していない。ただ、中国国内のコンパクトEV市場で起きているのは、小型車であってもLiDARや500km級航続が当たり前になっていく流れだ。日産サクラやホンダN-VAN e:など軽EVが牽引する日本のエントリー市場にとって、コスト構造とスペック設計の参考になる動きであることは間違いない。特に、A05のLiDAR搭載が中国市場で価格据え置きのまま実装されるなら、日本の量販EVに求められる装備水準も中期的に引き上げられる可能性がある。
A05の正式価格は5月のお披露目で明らかになる見込み。BYD Dolphinの値付けが動くか、Geely Xingyuanがさらに下げてくるか、5月の正式発表で確かめたい。
出典
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