NIO、Q1納車8.3万台超も第2四半期に警戒 – ES9とL80で活路を探るNEW
前年同期比98.3%増——NIOの2025年第1四半期は数字だけ見れば文句なしの好決算だった。ところがCEO李斌(ウィリアム・リー)の口調は慎重そのものだ。Q2以降に控える市場全体の逆風を見据え、新型ES9とOnvoブランドのL80に腹を括った。
Q1は好調、だが市場の地合いは悪化
NIOの第1四半期納車台数は8万3,465台。前年同期のほぼ2倍という急成長だ。しかも高価格帯モデルの販売構成比が上昇したことで、売上高の伸びは納車台数の増加率をさらに上回る見込みとなっている。
ただし李斌は手放しで喜んでいない。中国乗用車協会(CPCA)のデータを引き合いに、乗用車および新エネルギー車(NEV)の全体販売がQ1に減少し、4月以降も前年割れの傾向が続いていると指摘した。NIOが伸びているのは事実だが、市場全体のパイが縮んでいる。Q2にはさらに強い外圧が来る。
NIOは2019年に深刻な資金難に陥り、一時は存続すら危ぶまれた。その後、2020年に合肥市政府系ファンドから70億元の出資を受け、2023年末にはアブダビ系のCYVN Holdingsから約22億ドルを調達して経営を立て直した。2024年には四半期赤字を段階的に縮小させており、今回のQ1好決算はそうした数年がかりの再建が実を結んだ結果だ。
ES9とOnvo L80——2つの切り札で逆風に挑む
逆風を突破する切り札の一つがフラッグシップSUV「ES9」だ。4月9日に先行予約を開始しており、5月下旬に正式発売、6月1日から納車が始まる。
初期受注の内訳が面白い。非NIOブランドユーザーからの受注量は先代ES8の同時期比で1.5倍以上。つまり他社ユーザーの取り込みに成功しつつある。既存オーナーのリピートだけではプレミアムBEV市場での拡大は見込めない。ES9が「NIO未体験層」をどれだけ引き寄せられるか。ここが下半期の分かれ目だ。
もう一つの柱がサブブランド「Onvo(楽道)」だ。Q2には新型L80に加え、既存のL90・L60のマイナーチェンジ版を投入し、計3モデルを一気に刷新する。李斌はL80を「game-changing」と表現した。
ただし大型5人乗りSUVの大衆価格帯は激戦区だ。主な競合を整理する。
| モデル | 価格帯 | 月販台数(直近) | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| Onvo L80 | 20万元前後(見込み) | —(Q2発売予定) | バッテリー交換(BaaS)対応 |
| BYD SONG Plus | 12万〜17万元 | 5万台超 | 圧倒的な価格競争力 |
| Leapmotor C11 | 13万〜16万元 | 急速拡大中 | コスパ重視のスマートEV |
L80は価格で3〜8万元ほど高い。航続距離やバッテリー交換対応といったNIO独自の付加価値で、その差を納得させられるかが勝負どころになる。
黒字化への道筋——BaaSが変える収益構造
NIOは2025年第4四半期に単四半期ベースでの黒字を達成済みだ。李斌は2026年の通年黒字化を目標に掲げている。
車両販売だけでなく、BaaSやエネルギー事業も収益の柱になり始めた。この事業は昨年100億元(約14.7億ドル)の売上を記録しており、李斌は同事業から5億元の利益を引き出す余地があるとした。BaaS網が利益を生む段階に入れば、車両の値下げ競争に巻き込まれにくい体質を作れる。中国国内3,000基超のバッテリー交換ステーション網は、充電待ち時間をほぼゼロにできる点で急速充電とは根本的に異なるアプローチであり、サービス収益と顧客囲い込みの両面で機能している。
李斌は全社員に対し、需要予測精度の向上と精緻な運営を求めた。ES9とL80の発売・納車を円滑にこなし、車種切り替えの混乱を最小限に抑えられれば、Q3・Q4でより有利な市場ポジションを確保できる。逆にQ2のモデル投入で供給や品質に問題が出れば、BYDやLeapmotorにシェアを奪われ、黒字化シナリオは後ろ倒しになる。
NIOにとってこの四半期は、計画どおりに量産・納車を回せるかという実務能力の勝負だ。数字を出した次は、それを続けられるかが問われる。
出典
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