BYD累計1,600万台到達 – 120日で100万台を積み増した生産加速の実態NEW
1,500万台から1,600万台まで、わずか120日。BYDの新エネルギー車(NEV)生産ペースが、また一段と加速した。
2026年4月17日、BYDは累計生産1,600万台目のNEVがラインオフしたと発表した。記念すべきマイルストーン車両に選ばれたのは、第2世代デンザD9の最初の1台だ。前回の1,500万台達成が2025年12月18日だったことを踏まえると、100万台の上乗せに要した期間はわずか約4カ月という計算になる。
マイルストーンの加速度
BYDが最初のNEVを生産したのは2008年12月。100万台に届くまでに約12年半を要した。しかし2024年11月に1,000万台、2025年12月に1,500万台と、直近では13カ月で500万台を積み増すペースにまで到達している。
この加速カーブは単なる数字の羅列では片づけられない。2年足らずで600万台を追加したことになり、年間換算の生産能力は事実上300万台超の水準に達していることを意味する。
マイルストーン車両「第2世代デンザD9」の位置づけ
1,600万台目の車両にデンザD9が選ばれた点も興味深い。デンザはBYDのプレミアムブランドであり、D9はそのフラッグシップとなるフルサイズMPVだ。全長5,250mm、全幅1,960mm、ホイールベース3,110mmという車格で、中国市場ではビュイックGL8やトヨタ・アルファードと競合する。
第2世代D9は3月29日にプレセール(予約販売)を開始。PHEV・BEVの6グレード構成で、価格帯は38万9,800〜48万9,800元(約830万〜1,040万円)。注目すべき点は、PHEVとBEVで同一価格を設定する「統一価格戦略」を採用したことだ。パワートレインの違いによる価格差をなくすことで、顧客の選択をシンプルにする狙いがある。
技術面では第2世代ブレードバッテリーと最新の急速充電技術を搭載し、10%から70%までの充電を約5分で完了する。BEV仕様はCLTC基準で最大800km、PHEV仕様でもEV走行約400kmを確保した。800Vプラットフォームによる高出力充電対応も全グレード標準だ。
先進運転支援「God’s Eye 5.0」全車標準
第2世代D9の全グレードには、BYDの最新ADAS「God’s Eye 5.0」が標準装備される。ビジネスユースとファミリーユースの双方を想定した高度な運転支援機能を備える。
さらにデンザは、旧型D9のうちGod’s Eye-Bハードウェアを搭載する車両に対しても、OTA(無線)アップデートでGod’s Eye 5.0への全面更新を行う方針を示している。既存オーナーへの配慮は、プレミアムブランドとしての姿勢を明確にするものだ。
D9の販売動向と世代交代の背景
CarNewsChinaの報道によれば、デンザD9の中国国内販売は2025年を通じて下落傾向にあった。2025年4月の約9,000台から11月には約4,000台まで落ち込み、12月に約8,400台へ一時回復したものの、2026年1月には約2,800台まで再び減少。2月に約3,100台、3月に約4,300台と持ち直しつつあるが、2025年半ばの水準には戻っていない。
こうした販売減が第2世代投入を急がせた面はあるだろう。フルモデルチェンジで急速充電性能と航続距離を大幅に引き上げたことで、競合が激化するプレミアムMPV市場での巻き返しを図る構えだ。
生産1,600万台が示すもの
BYD全体としては、2026年に入って成長ペースにやや鈍化が見られるとCnEVPostは指摘している。それでも100万台を120日で積み増すペース自体が異常な水準であることに変わりはない。
日本市場でBYDは2025年に約6,000台を販売し、2025年秋発売のRACCOが牽引役となっている。デンザブランドの日本導入は現時点で発表されていないが、D9クラスのプレミアムMPVは日本でもアルファード人気に見られるように根強い需要がある。BYDの生産規模がこのペースで拡大し続ければ、海外展開の選択肢はさらに広がる。
第2世代デンザD9の正式な納車開始時期は未公表。プレセール価格は発表済みだが、最終価格や納車スケジュールの詳細は今後のアナウンス待ちとなる。
出典
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