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Onvo L80が24.58万元で予約開始 – BaaS込み15.98万元でBYD主力と直接対決へNEW

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Onvo L80が24.58万元で予約開始 – BaaS込み15.98万元でBYD主力と直接対決へ

24万5800元(約515万円)——NIOのサブブランドOnvo(楽道)が、新型5人乗りSUV「L80」の予約販売価格を発表した。先週発売されたばかりの3列シート「L90」より約2万元安い設定で、中国の中価格帯EV市場に本格参入する。

L80の価格戦略——BaaS込みでBYD Song Plusと同価格帯に

Onvo L80は全長5,145mm、ホイールベース3,110mmの大型5人乗りSUVで、5月15日の正式発売を前に予約受付を開始した。5月1日からは全国店舗で試乗も可能になる。

CnEVPostの報道によると、L90の26万5800元に対し、L80は24万5800元。差額は2万元(約7.5%)だが、3列シートが不要なユーザーには明確な選択肢となる。さらにNIO独自のBaaS(バッテリー・アズ・ア・サービス)を利用すれば15万9800元まで下がる。バッテリーを「所有しない」選択で、実質的に日本円で約335万円だ。

この価格はBYD Song Plus(15万9800元〜)と同水準であり、BYDの主力モデルと真正面からぶつかることになる。中国EV市場の中価格帯(15万〜30万元)はBYDがSong Plus、Seal、Han、Tangで面を押さえてきたゾーンだ。NIOグループはプレミアムブランド本体(ES6が30万元台〜)では手が届かなかったこの層を、Onvoで切り崩しにかかる。

モデル ブランド タイプ 価格帯(万元) 全長
Onvo L80 Onvo(NIO系) 5人乗りSUV 24.58〜(BaaS: 15.98〜) 5,145mm
Onvo L90 Onvo(NIO系) 6/7人乗りSUV 26.58〜
BYD Tang EV BYD 7人乗りSUV 25.98〜 4,970mm
BYD Seal BYD セダン 17.98〜 4,800mm
BYD Song Plus BYD 5人乗りSUV 15.98〜 4,785mm

OnvoのL80とL90は、BYD Tangと同じ大型SUVセグメントで競合する。ただしOnvoはBaaS込みの実質価格で大幅に安くなる——ここが最大の差別化ポイントだ。バッテリーコストを月額サブスクに移すことで購入時の心理的ハードルを下げる手法は、NIOグループが先駆けてきたものである。

ただしBaaSには損益分岐点がある。NIOのBaaSプランは月額約980元(約2万円)が目安とされる。L80の場合、BaaS価格15万9800元と通常価格24万5800元の差額は8万6000元。単純計算で約88カ月(約7年4カ月)を超えると、バッテリーを購入した方が安くなる計算だ。5年以内の乗り換えを前提とするユーザーにはBaaSが有利だが、長期保有派には通常購入が合理的な選択となる。

スペックで見るL80——900Vアーキテクチャと二つの自動運転戦略

L80は900V高電圧プラットフォームを採用し、後輪駆動と四輪駆動の2構成。後輪駆動版はモーター出力340kWで0-100km/h加速5.9秒、四駆版はフロント100kW+リア340kWの組み合わせで4.7秒を実現する。

荷室容量は最大2,840リットル。Onvoは「中国の5人乗りSUVで最大」とアピールしており、ファミリーやアウトドア用途を強く意識した設計だ。全長5.1m超のボディサイズがこの数字を支えている。

自動運転技術では「デュアルトラック戦略」を採用している。上位グレードにはLiDARとNIO自社開発の「神璣NX9031」チップを搭載し、NIO World Modelによる高度な運転支援を提供。一方、LiDARなしの純粋ビジョン版にはNVIDIA Orin Xチップを搭載する。自動運転を重視するアーリーアダプター層にはLiDAR搭載版、コストを優先するファミリー層にはビジョン版と、ターゲットを明確に分けた構成だ。

NIOグループの反転攻勢——L60の実績からL80の見通しを読む

NIOの李斌CEOは今月初め、L80と今後発売されるフラッグシップSUV「ES9」が5月・6月のデリバリー増を牽引すると発言している。Onvoブランドの設立2周年にあたる5月15日をローンチ日に選んだのも象徴的だ。NIOグループは2026年Q1に約7.2万台を納車し前年同期比で約50%増となったが、そのうちOnvoブランドは月販1万台前後のペースで推移している。

先行モデルのOnvo L60は2024年9月の発売以降、月販5,000〜1万台超で推移してきた。L80はL60より上位の価格帯に位置するため同等の台数は見込みにくいが、5人乗り大型SUVという中国で根強い需要があるセグメントに投入される点は有利だ。月販5,000台を安定的に超えれば、Onvoブランド全体で月販1.5万〜2万台が射程に入り、NIOグループの収益改善に直結する。

予約段階では1,000元のデポジットで3,000元の値引きが受けられる。NIO、Onvo、Fireflyの既存オーナーには追加ポイントも付与され、グループ内での買い替え需要も喚起する。

日本との接点で見ると、BYDはATTO 3(約440万円〜)やDOLPHIN(約363万円〜)をすでに販売し、2025年にはSEALION 7(約528万円〜)を投入している。仮にOnvo L80が日本市場に投入された場合、BaaS込み約335万円という価格はDOLPHINと同等でありながら、車格は2クラス上だ。NIOグループの日本参入は現時点で未定だが、欧州展開を進めている最中であり、この価格競争力が海外戦略の切り札になる。

中国の中価格帯EVは、BYDが圧倒的なコスト競争力で支配してきた。そこにNIOグループがOnvoで切り込み、BaaS+先進運転支援という独自の武器で攻める。L80の受注台数がこの構図を変えるかどうか、正式発売の5月15日が最初の試金石だ。

出典

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BLADE NOTE編集部
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