Zeekr 9Xが5ヶ月連続首位 – 中国プレミアムEVの実力NEW
月間1万台超——。Zeekr(極氪)の大型ハイブリッドSUV「Zeekr 9X」が4月も中国国内で1万台超を販売し、50万元(約1,070万円)以上の大型SUVセグメントで5ヶ月連続首位を維持した。Geely Auto傘下のプレミアムEVブランドは、テスラやBMWに挟まれた高価格帯で着実に存在感を高めている。
Zeekrの4月総納車台数は31,787台。前年同月比131.57%増、前月比でも8.42%増と勢いは衰えを見せない。1〜4月累計は108,824台で前年同期比97.4%増、4月末時点の累計納車は751,713台に達した。
53万元で月販1万台、9Xが示す価格弾力性
Zeekr 9Xの平均成約価格は53万元(約1,160万円)を上回る。プレミアム帯でこの水準を維持しつつ月販1万台を超えるのは、中国市場でも限られたモデルしか達成できていない。
9XはZeekr初のハイブリッドSUVだ。中国のプレミアム需要層は航続不安への耐性を依然として重視しており、純BEVよりもEREV(レンジエクステンダー)やPHEVに流れる傾向が強い。Li Auto(理想汽車)のL9やL8が先行してきた帯域に、Zeekrが後発で食い込んだ格好である。
50万元超という価格は、メルセデス・ベンツGLEクラスやBMW X5と正面でぶつかる水準だ。中国富裕層がドイツ御三家から国産プレミアムEVへ切り替えつつある現実を、9Xの販売実績が裏付けている。
13日で3,500台、8Xが拓いた成長エンジン
4月17日発売のZeekr 8Xは、わずか13日間で約3,500台を納車した。受注構成ではUltra以上の上位グレードが95.6%を占める。
中国EV市場では発売直後に下位グレードへ需要が集中する例が多く、中華プレミアムでも「お買い得な廉価版」が主役となる場面が珍しくない。8Xが上位グレード偏重で立ち上がったことは、Zeekrのブランド浸透度がこれまでとは異なるフェーズに入ったことを意味する。
ブランド全体の平均成約価格は約35万元(約770万円)に近づいた。中国新興EVブランドの平均単価は20〜30万元帯に集中しており、35万元水準で月3万台超を維持できている事業者は限られる。
| 項目 | Zeekr 9X | Zeekr 8X |
|---|---|---|
| セグメント | 大型ハイブリッドSUV | SUV |
| 発売 | 2024年下期 | 2025年4月17日 |
| 平均成約価格 | 53万元超 | — |
| 4月販売 | 1万台超(5ヶ月連続首位) | 約3,500台(13日間) |
| 上位グレード比率 | — | Ultra以上 95.6% |
007刷新とシューティングブレーク戦略
4月10日にはZeekr 007シリーズを刷新し、セダン版「007」とシューティングブレーク「007 GT」を同時にアップデート。装備を強化しつつ価格を引き下げる、中国EV特有の「年次改良で実質値下げ」を踏襲した。
同日にはZeekr 001シューティングブレークの5周年記念版も投入された。0-100km/h加速2.91秒という数値は、ハイパフォーマンスEV領域でもトップクラスに入る。Zeekr 001は2021年登場以来、シューティングブレーク(ステーションワゴン形状)でEVの新たな選択肢を切り拓いてきたモデルだ。4月にはシューティングブレーク家族全体で1万台超の新規確定受注を獲得している。
6月から中東へ、9Xのグローバル展開
Geely Auto Group CEOのJerry Gan氏は、Zeekr 9Xを6月から中東市場へ輸出開始すると明言した。第3四半期には中央アジア、第4四半期には欧州市場へと順次拡大する。Zeekr 8Xも第4四半期から海外展開を始める計画だ。
Zeekrはすでに欧州でオランダ・スウェーデン・デンマーク等での販売を開始しているが、フラッグシップ級ハイブリッドSUVの9X投入はインパクトが大きい。欧州ではPHEV優遇が縮小傾向にある一方、大型SUVのEREV/PHEV需要は底堅く、ドイツ御三家の牙城に中国プレミアムが価格優位で挑む構図となる。
日本市場についてZeekrは公式な進出計画を発表していない。BYDがDOLPHIN・SEAL・ATTO 3で日本市場を地道に切り拓いてきたのとは対照的に、プレミアム帯の中国EVは日本未上陸が続く。9Xクラスが欧州で実績を残せば、その後の輸出先候補に日本が浮上する余地はある。
出典
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