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EVが普及している都道府県は?2026年ランキング|首位岐阜と「所得」の意外な関係NEW

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EVが普及している都道府県は?2026年ランキング|首位岐阜と「所得」の意外な関係

2026年第1四半期末時点の都道府県別BEV普及代理指標を重回帰で読み解いたところ、最大の決定要因は「1人当たり県民所得」だった。標準化係数は+0.939(p<0.001)と他を圧倒し、人口密度や充電器数の効きはほぼ検出できなかった。一方で自治体補助の上限額は符号が逆向き(-0.660、p=0.007)に出ており、補助の手厚さ=普及率の高さと単純には言えない構造が見えてきた。上位は岐阜・愛知・岡山、下位は北海道・青森・沖縄。数字の意味と、購入検討者がどう読むべきかをまとめる。

都道府県別 BEV普及代理指標
都道府県別 BEV普及代理指標

上位は東海・山陽、下位は寒冷地と離島

普及率1位は岐阜県の0.77%、僅差で愛知県の0.76%が続き、3位以下は岡山県0.66%、佐賀県0.66%、大分県0.64%。製造業の集積地と、温暖で郊外型のクルマ社会を抱える地域が並んだ。逆に下位は北海道0.22%、青森県0.24%、沖縄県0.28%、岩手県0.31%、新潟県0.34%。冬季の電費悪化が懸念される寒冷地と、車両調達コストが本土より重くなる沖縄が並ぶ構図で、最上位と最下位で3倍超の開きがある。

所得が他を圧倒、密度・充電器は今回は説明力薄

47都道府県を対象にした重回帰の調整済みR²は0.202。モデル全体ではばらつきの2割しか説明できていないが、その中で「1人当たり県民所得」の標準化係数は+0.939(p=0.000)と突出していた。標準化係数とは、各要因の単位の違いをそろえたうえで「他の条件を同じにしたときの効きの強さ」を比較する指標で、+0.939は今回扱った要因群のなかでBEV普及率と最も強く連動していたことを意味する。

一方、しばしば直感的に語られる「人口密度」は-0.046(p=0.778)、「人口10万人あたり充電器数」は+0.116(p=0.416)と、いずれも統計的に意味のある関係を確認できなかった。VIFはそれぞれ1.5・1.2と低く多重共線の問題ではないため、現時点の代理指標で見るかぎり、都市の密集度や充電器の絶対数が県単位の普及率を直接押し上げているとは言いにくい。

補助金が「マイナスに効く」逆説

もっとも解釈に注意がいるのが「自治体補助の上限額」の-0.660(p=0.007)だ。額面どおりに読めば「補助上限が大きい県ほど普及率が低い」になるが、これは因果ではなく相関である点を強調しておきたい。実態としては、普及率が伸び悩む県ほど梃入れとして手厚い上限を設定している、いわゆる逆方向の関係が反映されている可能性が高い。補助金は予算年度ごとに改定され、申請枠の上限到達で早期終了することもある時点情報であり、本分析のスナップショットは2026-03-31時点である点に留意してほしい。

R²=0.202をどう読むか

調整済みR²が0.2前後ということは、今回モデルに入れた4要因では、県ごとの差の8割は説明しきれていないということでもある。気候(冬季の電費)、住宅形態(戸建て比率と自宅充電可否)、軽自動車依存度、ディーラー網の濃淡など、本指標に含めていない要素が大きく効いていると考えるのが自然だ。所得が強く出ているのは、車両価格帯がまだ高めのBEV市場の現段階を素直に映している、というのが穏当な読みだろう。

普及率と主要因の関係
普及率と主要因の関係

都道府県別ランキング(全47)

順位 都道府県 BEV普及代理指標 BEV累計(台) 10万人あたり充電器
1 岐阜県 0.77% 15,199 0.8
2 愛知県 0.76% 57,355 1.0
3 岡山県 0.66% 12,542 2.1
4 佐賀県 0.66% 5,345 2.0
5 大分県 0.64% 7,197 2.0
6 三重県 0.63% 11,237 0.8
7 滋賀県 0.63% 8,906 1.9
8 福島県 0.62% 11,419 2.0
9 福井県 0.62% 4,718 1.4
10 静岡県 0.61% 22,085 1.0
11 山梨県 0.61% 4,901 2.1
12 山口県 0.60% 8,015 1.5
13 群馬県 0.59% 11,428 2.2
14 山形県 0.58% 6,194 2.0
15 東京都 0.57% 79,845 1.6
16 石川県 0.57% 6,413 2.1
17 富山県 0.56% 5,811 1.9
18 福岡県 0.55% 28,086 1.0
19 栃木県 0.54% 10,399 2.0
20 和歌山県 0.53% 4,876 1.1
21 茨城県 0.51% 14,526 1.0
22 長野県 0.51% 10,350 1.8
23 島根県 0.50% 3,348 1.8
24 香川県 0.50% 4,728 1.4
25 熊本県 0.49% 8,603 1.1
26 兵庫県 0.48% 26,306 0.8
27 京都府 0.48% 12,365 1.4
28 神奈川県 0.47% 43,190 1.3
29 奈良県 0.47% 6,163 0.6
30 徳島県 0.45% 3,255 1.5
31 鳥取県 0.45% 2,463 7.2
32 鹿児島県 0.43% 6,876 1.0
33 埼玉県 0.43% 31,707 0.6
34 千葉県 0.42% 26,562 0.7
35 愛媛県 0.42% 5,637 1.6
36 高知県 0.40% 2,771 1.4
37 長崎県 0.40% 5,231 1.5
38 広島県 0.39% 10,945 1.3
39 大阪府 0.39% 34,035 1.1
40 宮崎県 0.38% 4,108 1.5
41 秋田県 0.37% 3,593 1.6
42 宮城県 0.36% 8,322 1.2
43 新潟県 0.34% 7,424 1.3
44 岩手県 0.31% 3,807 1.9
45 沖縄県 0.28% 4,118 1.4
46 青森県 0.24% 3,015 2.7
47 北海道 0.22% 11,566 1.2
BEV普及代理指標=BEV累計交付台数÷乗用車保有台数

普及率を説明する要因(重回帰分析)

要因 標準化係数 p値 VIF
人口密度(対数) -0.046 0.778 1.5
1人当たり県民所得 +0.939** 0.000 3.5
人口10万人あたり充電器数 +0.116 0.416 1.2
自治体補助の上限額 -0.660** 0.007 3.1
調整済みR²=0.202 / 観測数=47。* p<0.05, ** p<0.01。係数は標準化偏回帰係数(他要因を一定にしたときの効きの強さ)。

BLADE NOTE の見立て

今回の数字から言える独自の示唆は3つある。第一に、BEVは依然として「所得連動の耐久消費財」フェーズにあるということ。販売現場の肌感ではなく、47都道府県という粗い粒度のデータでも所得の効きが+0.939で出るのは、価格が普及の最後のボトルネックであることを示している。BYD ATTO 3 や DOLPHIN のように同等装備で価格を抑えた中国EVが、今後この所得バリアを下げる側に効く可能性は十分にある。

第二に、「充電器が多い県=買いやすい県」とは限らない。充電器数の係数はp=0.416で有意ではなかった。これは充電インフラが不要という意味ではなく、県単位の絶対数より「自宅で夜間に普通充電できるかどうか」のほうが購入判断を支配しているという仮説と整合する。集合住宅中心のエリアに住む方は、公共急速充電の数より、まず自宅・職場の普通充電をどう確保するかを優先して検討したほうが現実的だ。

第三に、補助金の上限額だけで「買い得な県」を判断しないこと。上限が大きい自治体は、予算枯渇で年度途中に締め切られる、対象車種が限定される、所得制限が付くといった条件が重なりがちだ。検討中の方は、上限額の大きさより、申請時点で「枠が残っているか」「自分が要件を満たすか」「いつまでに登録が必要か」の3点を必ず確認してほしい。補助金・充電器数はいずれも本記事スナップショット時点(2026-03-31)の数値であり、四半期単位で状況は動く。

データ出典

  • BEV累計交付台数: 次世代自動車振興センター(CEV-PC) 補助金交付実績
  • 乗用車保有台数: e-Stat(政府統計の総合窓口)
  • 充電器数: OpenChargeMap(CC BY-SA 4.0)
  • 1人当たり県民所得: 内閣府 県民経済計算
  • 人口・面積: 総務省 国勢調査 / 国土地理院 面積調

補助金・充電器数は集計時点の値です。最新の制度・設置状況は各自治体・サービスの公式情報をご確認ください。

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BLADE NOTE編集部
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