新型サクラ244万円から – BYD DOLPHIN・RACCOと250万円以下EV比較NEW
244万8600円——日産が軽EV『サクラ』のマイナーチェンジを発表し、2026年の「手が届くEV」選びに新たな選択肢を投じた。補助金58万円を適用すれば実質約187万円から。4年連続で国内EV販売台数トップを走るサクラが、装備を底上げしつつ価格帯を維持してきた格好だ。
一方、BYDはDOLPHINを363万円から展開し、2025年秋には小型SUV・RACCOを発売済みだ。補助金を含めた「実質250万円以下」の土俵で、軽EVと輸入コンパクトEVはどう棲み分けるのか。それぞれの中身を整理した。
新型サクラ、何が変わったか
今回の改良で目を引くのは、実用装備の拡充だ。充電ポートリッドにいたずら防止ロックが付き、1500Wの100V AC電源がラゲッジルームとインパネの2か所に搭載された。災害時の給電車としても使える仕様で、V2H対応と合わせて「電気を持ち運ぶクルマ」としての訴求を強めている。
接近時アンロックや降車時オートロック、後席リマインダーといった便利機能も追加。Xグレードにはアラウンドビューモニターや前席シートヒーター、ステアリングヒーターが標準化され、寒冷地ユーザーにも手厚い。外観はカラードグリルと新デザインの15インチアルミホイールで質感を引き上げた。新色「水面乃桜-ミナモノサクラ-」を含む全10色展開となる。
価格はSグレードの244万8600円から。全グレードがCEV補助金58万円の対象で、実質購入価格は約187万円からとなる。軽自動車の枠内で航続距離180km(WLTCモード)という割り切りはそのままだが、日常の足として使うなら十分という評価は根強い。なお、サクラは2024年度も約3万台を販売し、累計では12万台を突破。同じプラットフォームを共有する三菱eKクロスEVが年間5000台前後にとどまるなか、軽EVカテゴリでは圧倒的なシェアを維持している。
250万円以下で買えるEV、選択肢を並べる
では、補助金込みで250万円以下を目安にしたとき、実際にどんなEVが候補に入るのか。
| 項目 | 日産 サクラ(S) | BYD DOLPHIN(Standard) | BYD RACCO(参考値) |
|---|---|---|---|
| 車両価格(税込) | 244万8600円 | 363万円 | 300万円台前半 |
| CEV補助金 | 58万円 | 最大85万円 | 最大85万円 |
| 実質価格目安 | 約187万円〜 | 約278万円〜 | 約220万円台〜 |
| 航続距離(WLTC) | 180km | 400km | 400km前後 |
| 車格 | 軽自動車 | コンパクト(Cセグ) | 小型SUV(Bセグ) |
| 最高出力 | 47kW | 70kW | 未公表 |
| AC電源(V2L等) | 1500W×2口 | なし | 未公表 |
サクラの強みは圧倒的な価格の安さと軽自動車ならではの取り回し。税金・保険も軽自動車区分で維持費が低い。ただし航続180kmは片道90kmが実用上の限界で、長距離ドライブには向かない。
DOLPHINは航続400kmとCセグメントの車体で、ファーストカーとしての汎用性が高い。ただし実質価格は278万円前後で、250万円のラインにはやや届かない。
BYD RACCOは2025年秋に発売され、300万円台前半の車両価格に対しBEV補助金を最大85万円適用することで実質220万円台に収まる。航続400km前後でSUVボディという構成は、サクラの航続距離では不安が残るユーザー層を直接カバーする価格帯に位置している。
「用途」で分かれる最適解
250万円以下のEV選びは、結局「何に使うか」で決まる。
通勤や買い物が片道20km以内で、セカンドカーとして割り切るならサクラが最適解だ。実質187万円という価格は、ガソリン軽自動車の上位グレードと大差ない。今回追加されたAC電源は、アウトドアや非常時の備えとしても実用的で、軽EVの枠を超えた付加価値になっている。
一方、1台で通勤も週末の遠出もこなしたいなら、航続400km級のDOLPHINかRACCOが現実的な選択肢に入る。とくにRACCOは「サクラの航続距離に不満はあるが、400万円級は出せない」という層に合致する価格設定で、発売後半年の販売実績にも勢いがある。
2026年、価格競争の本番
サクラは発売から4年を経てもなお国内EV販売の首位を守っている。累計販売12万台超という実績は、日本のEV市場が「安くて近距離」のニーズを軸に動いてきたことを示す。改良新型で装備を充実させつつ価格帯を維持したのは、この路線の延長線上にある判断だろう。
BYDはRACCOの投入で、すでに300万円以下の実質価格帯に本格参入を果たした。航続距離と車内空間で軽EVを上回りながら、補助金込みでサクラに迫る価格設定は、ユーザーの選択基準そのものを揺さぶりつつある。
新型サクラの発売は今夏。購入を検討するなら、サクラとRACCOの試乗比較に加え、自治体独自の補助金上乗せや年度内の申請スケジュールも早めに確認しておきたい。
出典
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