BYD Datang – 525万円から3列電動SUV、競合比較NEW
航続950km、5分で急速充電——。中国国内向けの数字とはいえ、これを25万元(約525万円)から手に入れられる3列電動SUVが現実に登場した。BYDの新フラッグシップSUV「Datang(唐)」は北京モーターショーで初公開された直後、24時間で3万件超の予約を集め、各地の販売店に車両が届き始めている。
Datangの基本スペック – 全長5,200mm超のフルサイズ
Datangのボディサイズは全長5,200mm超。ヒョンデIONIQ 9やキアEV9をわずかに上回り、BYDが現時点で展開する電動車のなかで最大となる。2+2+3レイアウトの3列シートを備え、7名乗車に対応する。
パワートレインはシングルモーターで370kW(496hp)、デュアルモーターで合計585kW(784hp)。新世代ブレードバッテリー2.0とフラッシュチャージング技術を組み合わせ、CLTC基準で航続950km、わずか5分相当の急速充電に対応する。ただしCLTCは市街地比率が高い中国独自の測定モードであり、欧州WLTPや日本のWLTC換算ではおおむね2〜3割短くなる点に留意したい。
600万円以下クラスの3列電動SUV – 競合は事実上不在
中国での予約価格は25万元(約525万円)から32万元(約672万円)。仮にこの価格レンジで日本市場に投入された場合、現在国内で購入可能な電動SUVのラインアップにはぽっかり穴が開いた領域に滑り込む形になる。
| 車種 | 全長 | シート | 航続 | 価格目安(日本) |
|---|---|---|---|---|
| BYD Datang(中国市場) | 約5,200mm | 3列7名 | 950km(CLTC) | 約525〜672万円 |
| ボルボEX90 | 5,037mm | 3列7名 | 約600km(WLTP) | 1,290万円〜 |
| メルセデスEQS SUV | 5,125mm | 3列7名(OP) | 約700km(WLTP) | 1,890万円〜 |
| テスラModel X | 5,057mm | 6/7名 | 約565km(WLTP) | 1,420万円〜 |
| 日産アリアB6 limited | 4,595mm | 2列5名 | 470km(WLTC) | 540万円〜 |
表のとおり、日本で買える3列電動SUVは現状いずれも1,200万円超のプレミアム帯に集中する。500万円台で手が届く電動SUVは日産アリアあたりが代表格だが、こちらは2列5人乗りでそもそもフォーマットが違う。「500〜600万円台で3列7名乗りの電動SUV」という枠は事実上空白であり、Datangはこの溝を単独で埋めうる存在になる。
装備面の比較 – エアサス・LiDARで欧州プレミアム志向
価格だけではなく装備の積み増しも目立つ。Disus-Aと呼ぶ車両制御システムに加え、デュアルチャンバー方式のエアサスペンション、ゼロ重力シートを採用。コックピットにはダッシュボード横一列に3面ディスプレイが並び、後席乗員向けには天井から下りる大型エンタメスクリーンが備わる。欧州プレミアムSUVを明らかに意識した設えだ。
運転支援は、ルーフマウントのLiDARを使う「God’s eye B」を搭載する。高速道路でのナビ連動運転支援(高速NOA)やスマートパーキングを提供する。500〜600万円台の中国EVでは依然としてカメラ+ミリ波レーダー方式が主流で、LiDARを標準装備する車種は数えるほどしかない。ハードウェア構成では一段上に位置づけられる。
加えてBYDは、Datangに2種類のPHEV仕様も用意する。1.5Lターボエンジンと300kW(402hp)モーターを組み合わせるDM-iと、デュアルモーターで合計400kW(536hp)を発生するDM-p。中国国内の充電インフラの偏在を踏まえ、フル電動以外の選択肢を残す構成になっている。
日本展開の見立て
BYD Auto Japanの2026年時点の国内ラインアップはATTO 3、DOLPHIN、SEAL、SEALION 7、RACCOの5車種。最上位のSEALION 7が528〜758万円で、Datangの価格レンジはこれにほぼ重なる。横浜本社が次にどのモデルを国内投入するかは公表されていないが、3列電動SUVは欧州プレミアム勢が抑えている領域であり、参入余地は明確に存在する。
もっとも、全長5,200mm級のSUVは日本の道路事情では買い手を選ぶ。BYDがDatangをそのまま投入するのか、それとも5m未満の派生グレードに絞るのかについては、現時点で公式アナウンスはない。中国国内で3万件超の予約がすでに積み上がっている状況を踏まえれば、当面は本国向け供給が優先される展開になりそうだ。
出典
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