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BYD「5分フラッシュチャージ」が量販車に拡大 – Sealion 05とAtto 3新型で本格展開へNEW

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BYD: BYD「5分フラッシュチャージ」が量販車に拡大 – Sealion 05とAtto 3新型で本格展開へ
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10%から70%まで5分——BYDが高級車向けに投入した超急速充電技術「フラッシュチャージ」が、いよいよ量販モデルへと降りてきた。2026年4月20日、BYDは新型Sealion 05シリーズを中国で発売。BEV版には第2世代Blade Batteryとフラッシュチャージを標準搭載し、同技術の普及車展開を本格化させた。

フラッシュチャージの実力——「5分で準備完了、9分で満充電」

BYDのフラッシュチャージは、最大1,500kW級の専用充電器と第2世代Blade Batteryの組み合わせで実現する超急速充電技術だ。スペック上の数値は明快で、10%→70%が5分、10%→97%が9分。-30℃の極寒環境でも20%→97%を12分で完了するとBYDは主張する。

この技術は当初、Yangwang U7やDenza Z9 GTといった高価格帯モデルに限定されていた。Denza Z9 GTは欧州で11万5,000ユーロ(約1,345万円)からという価格設定で、BYDのエグゼクティブ・バイスプレジデントのStella Li氏は「Ready in 5, Full in 9, Cold Add 3」の原則を世界に紹介する最適なモデルだと語っている

それが今回、10万元(約210万円)台のSealion 05 EVに搭載された。価格帯で見れば一気に3分の1以下のモデルへの展開であり、技術の量産コスト低減が相当進んだことを示唆する。

新型Sealion 05の全容——BEVとPHEVの二本立て

新型Sealion 05は、BEV(純電動)のSealion 05 EVとPHEV(プラグインハイブリッド)のSealion 05 DM-iの2系統で構成される。ボディサイズは4,620×1,860×1,630mm、ホイールベース2,770mm。BYD Atto 3より165mm長いコンパクトSUVだ

項目 Sealion 05 EV(上位) Sealion 05 DM-i(上位)
価格 14万5,900元(約305万円) 12万7,900元(約268万円)
パワートレイン 240kW(322hp)モーター 1.5L NA + 120kWモーター
バッテリー 68.547kWh LFP 34.275kWh
航続距離(CLTC) 630km EV 305km / 総合2,105km
フラッシュチャージ 対応(10→97%で9分) 非対応
0-100km/h 5.9秒

BEV版のエントリーモデルは200kW(268hp)モーターに57.545kWhバッテリーで航続540km、11万9,900元から。DM-i版は第5世代DMテクノロジーを採用し、バッテリー残量が少ない状態での燃費が3.1L/100kmと発表されている。65Lの燃料タンクと組み合わせた総合航続2,105kmという数値は、長距離移動への不安を完全に払拭する狙いだろう。

ADAS「God’s Eye」とLiDAR——運転支援も大幅強化

充電技術だけではない。新型Sealion 05は運転支援でも攻めの姿勢を見せる。全車に「DiPilot 100」(God’s Eye C)を標準装備し、上位トリムではLiDARを搭載した「DiPilot 300」(God’s Eye B)をオプション設定。都市部と高速道路でのNavigate On Autopilot(NOA)機能に対応する。

足回りにはDiSus-C連続可変ダンピングサスペンションを採用。室内は12.8インチタッチスクリーンを標準とし、上位グレードでは15.6インチのフローティングディスプレイに拡大される。センターコンソールには物理ボタン、カップホルダー2個、そして車載冷蔵庫まで収まる。荷室はDM-iが650L、EVが600L(EVはフランク110Lを別途確保)。

対応車種拡大の戦略——次はAtto 3新型

BYDはフラッシュチャージの展開をSealion 05にとどめない。同社はSNS上で、第3世代Yuan Plus(海外名Atto 3)にもフラッシュチャージを搭載すると公表済みだ。4月24日の北京モーターショーでグローバルデビューする予定で、バッテリーは57.545kWhと68.547kWhの2種類、航続540kmと630km——Sealion 05 EVとほぼ同一のパワートレインを共有する。

Electrekによれば、Yuan Plus(Atto 3)は2025年のグローバルEV販売で13位、年間22万3,906台を記録した。ただし中国国内では低価格の競合が台頭し、販売が減速傾向にある。CarNewsChina経由のデータでは、現行Sealion 05 EVの2026年Q1中国販売は8,675台で前四半期比60.1%減と厳しい。BYDがフラッシュチャージを武器に巻き返しを図る背景には、こうした国内市場の激化がある。

日本で販売中のAtto 3は初代モデルだが、第3世代の登場はBYD Auto Japanのラインナップ刷新にも直結する。現行Atto 3の470km(WLTC)という航続距離が540〜630km級に跳ね上がり、さらに超急速充電に対応するとなれば、日本のユーザーが抱える「充電時間」への懸念を根本から変える可能性がある。もっとも、フラッシュチャージの実力を発揮するには対応する充電インフラが前提であり、日本国内での1,500kW級充電器の整備状況が鍵を握る。

BYDのOceanシリーズは、Sealion 05の投入で製品マトリクスをさらに拡充した。フラッシュチャージ対応モデルは今後も増え続ける見通しで、北京モーターショーでの第3世代Yuan Plusの詳細発表が次の注目点となる。

出典

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BLADE NOTE編集部
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