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NIO ES8が今週にも累計10万台到達へ – 7カ月で達成の背景と競合との差NEW

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NIO: NIO ES8が今週にも累計10万台到達へ – 7カ月で達成の背景と競合との差
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NIO(蔚来汽車)の大型電動SUV「ES8」(第3世代)が、今週にも累計納車10万台に到達する見通しだ。同社ユーザーオペレーション責任者の楊波氏が4月21日、中国SNS・Weiboで明らかにした。4月3日時点で9万台を突破しており、月間1万台超のペースが続いていることから、発売約7カ月でのマイルストーン達成がほぼ確実な状況にある。

月販1万台超を5カ月連続で維持

第3世代ES8は2025年9月に正式発売された3列シートの純電動SUVだ。価格は40万6,800元(約59,000ドル)から。発売直後から月間納車台数が1万台を超える状態が5カ月連続で続いている。3月には1万6,255台を納車し、単月としては過去最高を記録した。

2026年第1四半期だけで4万5,184台を納車。これはNIOブランド全体の同期間納車台数の54.14%を占める。高価格帯モデルが販売の過半を担うことで、同社の平均販売単価の押し上げと収益構造の改善に直結している。NIOの2025年通年販売台数は約22万台で、前年比約34%増だった。ES8の貢献が本格化する2026年は、30万台規模への到達が現実味を帯びる。

同価格帯の競合モデルとの比較

ES8の10万台という数字は、中国プレミアムEV市場でどの程度のインパクトがあるのか。同価格帯で競合するのはZeekr 009(46万9,000元〜、約68,000ドル)やLi Auto L9(42万9,800元〜、約62,000ドル)だ。ただし、Li Auto L9はレンジエクステンダー(EREV)であり、純電動の3列シートSUVという領域に限ればES8の優位は明確になる。

モデル 価格帯 パワートレイン 2026年3月納車台数
NIO ES8 40.68万元〜(約59,000ドル) 純電動(BEV) 16,255台
Zeekr 009 46.90万元〜(約68,000ドル) 純電動(BEV) 約3,000〜4,000台
Li Auto L9 42.98万元〜(約62,000ドル) EREV 約8,000〜9,000台

Zeekr 009は月販3,000〜4,000台前後で推移しており、ES8の約4分の1にとどまる。Li Auto L9は根強い人気があるものの、2026年に入ってからはES8が月販台数で上回る月が続いている。累計ベースでもES8は発売7カ月で10万台に迫り、3列シートの大型EVカテゴリーで頭一つ抜けた存在になりつつある。

販売テコ入れ策とBaaSの実用的価値

NIOは4月も購入インセンティブを継続し、購入税補助として1万元の期間限定補助金を維持している。現行ES8は6人乗りと7人乗りの2構成だが、7月初旬には5人乗りバージョンの追加を予定。ファミリー層以外への訴求を狙う。

ES8のような大型SUVにとって、NIO独自のバッテリー交換サービス「BaaS(Battery as a Service)」は実用上の大きな強みになる。100kWh級のバッテリーを急速充電で満充電にするには40分以上かかるが、バッテリー交換なら約5分で完了する。月額料金はバッテリー容量に応じて980〜1,680元(約14,000〜24,000円)。車両本体をバッテリー込みより7万元安く購入し、BaaSで月額利用する選択肢もある。中国国内のバッテリー交換ステーション数は2,800カ所を超え、NIOの販売拡大を支えるインフラとして機能している。

ただ、創業者でCEOの李斌氏は第2四半期について「外部環境の圧力がある」と慎重な見方を示している。業界全体が価格競争の激化に直面しているためだ。

ES9とONVO L80が次の焦点

NIOが次の成長ドライバーとして位置づけるのが、フラッグシップSUV「ES9」とサブブランドONVO(楽道)の「L80」だ。ES9は4月9日に予約販売を開始し、価格は52万8,000元(約76,500ドル)からとES8より約12万元(約30%)高い設定。ES8の上位に明確なフラッグシップを置くことで、ブランドの天井を引き上げる狙いがある。

李斌氏は、ES9とONVO L80の新車効果により5月・6月の納車台数は着実に増加するとの見通しを示す。ONVO L80の発売日は未発表だが、既存モデルL90の改良版は4月21日に発売される。

一方で、NIOは日本市場に進出していない。現在の展開先はノルウェー、ドイツ、オランダなど欧州が中心で、欧州ではバッテリー交換ステーションを約60カ所展開済みだ。ステーションのインフラ投資が先行して必要なビジネスモデルは、新市場への参入障壁を高くしている。日本でBYDが着実に販売網を広げているのとは対照的に、NIOの日本上陸は当面見込みが薄い。

ES9の予約開始後の初期受注がどの程度の規模になるか、そしてONVO L80が20万〜30万元台の量販価格帯でどれだけ台数を積めるか。この2モデルの立ち上がりが、NIOの2026年後半の軌道を左右する。

出典

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BLADE NOTE編集部
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