中国EV

Xpeng何小鵬「中国EVは5強時代へ」 – 兆元級競争の構図NEW

4分で読める
Xpeng何小鵬「中国EVは5強時代へ」 – 兆元級競争の構図

年間売上1兆元、利益数百億元——。Xpeng(小鵬汽車)の創業者でCEOの何小鵬(He Xiaopeng)氏が描く中国自動車業界の未来図は、グローバル市場の勢力図を根本から塗り替える規模感だ。中国に5社の「兆元プレイヤー」が並び立つ時代。それは日本メーカーにとって、何を意味するのか。

何小鵬が示した「中国5強」の構図

何氏は、NIO(蔚来汽車)の創業者兼CEO李斌(William Li)氏とともに、中国中央テレビ(CCTV)の番組「対話(Dialogue)」に出演した。番組のなかで何氏は、中国に売上1兆元(約20兆円)規模の自動車メーカーが将来的に5社誕生し、それぞれが数百億元(数兆円)級の利益を生むようになる、と述べた。

CarNewsChinaの試算によれば、平均販売価格にもよるが、年間700万台以上の販売規模がこの水準には必要になる。現在この基準を満たすグローバル自動車メーカーはわずか5社——トヨタ、フォルクスワーゲン・グループ、現代・起亜(Hyundai-Kia)、ステランティス、ゼネラル・モーターズに限られる。何氏の予測は、この「世界5強」と肩を並べる中国勢が同数登場するという見立てだ。

候補は誰か – 2025年売上ランキング

何氏は具体的な企業名を挙げていないが、2025年の実績ベースで中国メーカーの売上上位は以下のとおりだ。

順位 企業 2025年売上
1 BYD 8,039億元(約1,177億ドル)
2 SAIC(上汽集団) 6,461億元(約946億ドル)
3 Geely(吉利) 3,452億元(約505億ドル)
4 Chery(奇瑞) 3,002億元(約400億ドル)
5 GWM(長城汽車) 2,228億元(約326億ドル)

首位のBYDはすでに1兆元の8割に達しており、現実的な射程内にある。一方、Xpeng・NIO・Li Autoといった新興BEV勢が「5強」入りするには、まだ大きな伸びしろが必要だ。

「内巻き」とEREVをめぐる温度差

何氏は、中国EV業界が直面する「内巻き(インボリューション、過当競争)」の問題にも切り込んだ。北京モーターショーで一度に150車種もの新型車が並ぶ現状は健全ではなく、これを脱した先で初めてXpeng・NIO・Li Autoが年間500億元(約7,300億円)規模の利益を稼げるようになる、というのが何氏の見方だ。

同席した李斌氏との温度差が表れたのが、EREV(レンジエクステンダーEV)の評価だった。何氏は「世界のエネルギー分布と需要には大きなムラがある。EREVは重要な過渡的技術だ」と肯定的に位置づけた。これに対し李氏は「NIOはBEV一本。最終ゴールから逆算して判断する」と返した。Li AutoがEREVで急成長し、Xpengも今後EREV投入を計画するなか、BEV専業を貫くNIOのスタンスが改めて鮮明になった格好だ。

Xpengの現在地と日本勢への含意

「5強」を語る何氏自身の足元は、決して順風満帆ではない。China EV Data Trackerによれば、Xpengの2026年1〜4月のグローバル販売台数は94,693台で、前年同期比27.4%減と振るわない。中国国内ではNEV(新エネルギー車)向け補助金の段階的縮小が短期的な需要冷え込みを招いており、その逆風をXpengも受けている。それでも同社は年間60万台販売を目標に掲げ、フルサイズSUV「Xpeng GX」の投入で巻き返しを狙う。

もし何氏の描く未来が現実になれば、日本メーカーが置かれる競争環境は様変わりする。トヨタ、ホンダ、日産は中国市場でBYDや吉利系にシェアを削られ続けており、東南アジア・欧州でも中国勢との競合は激しさを増している。兆元級プレイヤーが5社並ぶ世界では、研究開発投資・生産規模・サプライチェーン支配力のいずれも、現状とは桁違いの相手と向き合うことになる。日本勢に問われているのは、国内シェアの維持ではなく、グローバル市場でどのポジションを確保するかという戦略の再定義だ。

出典

広告
BLADE NOTE編集部
BLADE NOTE編集部

BYD・中国EVの最新ニュースを日本語で配信。海外の1次ソースをもとに、日本の読者に向けた独自記事を毎日更新しています。

BYD・中国EVの最新ニュースを毎日配信中。
フォローして最新情報をチェック!