BYD シーガル2026年モデル – LiDAR搭載・航続505kmで北京モーターショーに登場
航続505km、LiDAR搭載——BYDのエントリーEV「シーガル(海鷗)」が2026年北京モーターショーで大幅アップデートを披露した。海外市場では「ドルフィンミニ」や「ドルフィンサーフ」の名称で展開されるこのモデル、日本のBYDラインナップとの関係性にも注目が集まる。
航続505km・出力向上——スペックの全体像
今回の最大のトピックは航続距離の大幅延長だ。CarNewsChinaの報道によると、CLTC基準で従来の405kmから505kmへと約25%の伸びを実現。中国の都市間移動でも実用的な水準に到達した。
パワートレインも刷新され、モーターの最大出力は60kW(80hp)に引き上げられた。車両重量の軽いAセグメントEVとしては必要十分な数値だ。エクステリアの基本シルエットは現行型を踏襲しつつ、新色レッドや新デザインの16インチホイール(175/55 R16)を採用した。ワイパーはシングルからデュアルへ変更し、視界確保を改善。インテリアではステアリングボタン配置の簡素化、50W急速対応のワイヤレス充電パッド(冷却ベント付き)、フリップ式アームレストボックスが新たに加わった。
現行モデルとの主な変更点を以下に整理する。
| 項目 | 現行モデル | 2026年モデル |
|---|---|---|
| 航続距離(CLTC) | 405km | 505km |
| モーター最大出力 | 55kW | 60kW |
| LiDAR | 非搭載 | 搭載グレードあり |
| ワイパー | シングル | デュアル |
| ワイヤレス充電 | — | 50W(冷却ベント付き) |
なお、バッテリー容量などの詳細スペックはショー会場では公表されていない。
LiDAR搭載グレードと「God’s Eye B」
もうひとつの目玉が、ルーフにLiDARユニットを搭載したグレードの設定だ。BYDの先進運転支援システム「God’s Eye B(天神之眼B)」と組み合わせ、低価格帯のEVにも高度な運転支援を提供する。フロントフェンダーにはカメラも追加されており、センサーフュージョンによる認識精度の向上を狙った構成になっている。
エントリーモデルにLiDARを載せるという判断は、中国市場での価格競争の激しさを端的に示している。安全装備や運転支援の充実度が、もはや上級車種だけの差別化要素ではない。
Aセグメント電動車市場の競争激化とシーガルの立ち位置
シーガルは中国国内で月間3万台超を記録した実績を持つヒットモデルだ。しかし足元の販売は減速している。2024年4月の3万4,005台をピークに、6月の3万708台以降は3万台を割り込んだまま推移が続く。
背景にあるのが競合の台頭だ。吉利(Geely)の「星願(Xingyuan)」がシーガルの有力な対抗馬として急速に販売を伸ばしたほか、Arcfox T1やリープモーターA10など新規参入も相次ぐ。ただし、これらの競合モデルの多くはまだ販売実績が限られており、シーガルの月間販売規模に匹敵するモデルは星願を除けば少ない。中国のAセグメントEV市場は、航続距離・ADAS・価格のすべてで差別化が求められる段階に入った。LiDAR搭載と航続505kmという今回の改良は、この3要素を同時に引き上げるテコ入れにほかならない。
シーガルは日本に来るのか
BYDは日本でDOLPHINをコンパクトBEVとして展開しているが、シーガルはそのDOLPHINよりさらに下のセグメントに位置する。海外向け名称が「ドルフィンミニ」であることからもわかるように、ラインナップ上はDOLPHINの弟分だ。
中国での販売価格は6万〜10万元(約120万〜200万円)。為替や輸送コスト、関税を加味しても200万〜250万円前後の価格設定は技術的には可能な水準で、日産サクラが切り拓いた「手頃なEV」市場に登録車クラスから切り込む一手になる。ただし、現時点でBYD Auto Japanからシーガルの日本導入に関する公式発表はなく、右ハンドル仕様の開発状況も不明だ。
出典
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