Xpeng空飛ぶクルマが1日90台受注 – 北京モーターショーで見えた「脱・自動車」戦略NEW
1日90台——これは電気自動車の受注数ではない。空飛ぶクルマの数字だ。
Xpeng(小鵬汽車)の空飛ぶクルマ部門Aridge(旧Xpeng Aeroht)が、2026年北京モーターショーの3日目にあたる4月27日、モジュラー型フライングカー「Land Aircraft Carrier(陸地航母)」で単日90台超の受注を記録した。CnEVPostによれば、累計予約は7,000台を突破している。
「陸地航母」とは何か
Land Aircraft Carrierは、地上走行する親車両と2人乗りの航空機で構成されるモジュラー型フライングカーだ。親車両は800V高電圧レンジエクステンダープラットフォームを採用し、複合航続距離は1,000km超。走行中・駐車中を問わず親車両から航空機への充電が可能で、5〜6回のフライトに対応する。
中国国内では普通自動車免許(C級)で地上走行できる点もハードルを下げている。価格は200万元(約2,930万円)以下に設定される見込みで、2026年内の量産開始・納車を目指す。開発開始から13年。Aridgeは2025年11月に広州工場でパイロット生産バッチのロールアウトを完了しており、フル稼働時には30分に1機のペースで組み立てられるという。
北京モーターショーの熱気
Xpengブースでは来場者がVRフライト体験や、航空機が親車両から分離するデモンストレーションに集まった。何小鵬(He Xiaopeng)CEOは4月24日のメディアブリーフィングで累計7,000台の予約数を明かし、27日にはWeibo上で単日90台超の受注を報告した。
グローバル展開にも動いている。中東、インドネシア、マレーシアと協議中で、第2世代の量産型フライングカーの開発もすでに着手済み。次世代機は欧州や米国市場の要件にも対応する設計になるとHe氏は語っている。
EVメーカーが「空」と「ロボット」に向かう理由
Xpengの動きは孤立した事例ではない。テスラがヒューマノイドロボット「Optimus」で自動車以外の収益源を模索しているように、中国EVメーカーも事業領域の拡張を急いでいる。Xpengは空飛ぶクルマに加え、広州に新たなテクノロジー企業を設立したと36Krが報じた。詳細は限られるが、自動車製造の枠を超えた技術基盤の構築を進めている構図が浮かぶ。
BYDがロボティクスやエネルギー貯蔵に手を広げ、NIOがバッテリー交換インフラをプラットフォーム事業化しようとしているのも同じ文脈だ。EV単体の価格競争が激化する中、ADAS技術やeVTOL(電動垂直離着陸機)といった隣接領域へ軸足を移すことで、「自動車メーカー」から「モビリティ・テクノロジー企業」への脱皮を図る。Xpengにとっては、Volkswagenとの技術提携で得たEEAプラットフォームの知見を空飛ぶクルマにも転用できる強みがある。
IPOと量産、2つのカウントダウン
Aridgeは2025年10月にXpeng Aerohtから社名を変更し、先月には約2億ドルの新規株式調達を完了した。香港でのIPO準備も進めていると報じられている。量産とIPO、2つのマイルストーンが2026年中に重なる可能性がある。
30分に1機という生産タクトが本当に実現するのか、200万元以下という価格で採算が取れるのか。量産フェーズに入ってからが本番だ。空飛ぶクルマが「モーターショーの見世物」で終わるか、実際のモビリティになるか——その答えは年内に出る。
出典
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