Xpeng

Xpeng GX発表へ – BYD唐・NIO ES9と競うプレミアムSUV戦線

5分で読める
Xpeng: Xpeng GX発表へ – BYD唐・NIO ES9と競うプレミアムSUV戦線
広告

40万〜50万元(約585万〜730万円)——Xpeng(小鵬汽車)が次世代フラッグシップSUV「GX」に設定するとみられる価格帯だ。4月15日北京時間19時から開催されるテクノロジーイベントで、その全容が明らかになる。

GXの立ち位置——Xpeng初の本格プレミアムSUV

社内コード「G01」として開発されてきたGXは、新世代プラットフォーム「SEPA 3.0」を採用した大型6人乗りSUVだ。全長5,265mm、ホイールベース3,115mmという車格は、同社のMPV「X9」で培った室内空間設計のDNAを受け継ぐ。Xpengは現行ラインナップの最上位モデルであるX9(30万9,800元〜)を大きく超える価格帯に踏み込むことになる。

BEV(純電動)とEREV(レンジエクステンダー)の2パワートレインを用意する「デュアル戦略」も特徴的だ。BEV版はCLTC航続750km、後輪駆動と四輪駆動を選択可能で最高速度200km/h。EREV版は1.5Lエンジン+デュアルモーター構成で、バッテリーのみの航続が320kmとなる。Xpengは2023年発売のG6で20万元台前半、G9で26万〜35万元台と段階的に価格帯を引き上げてきた。GXへの40万〜50万元という設定は、この延長線上にあるブランド格上げ戦略の到達点といえる。

Turing チップ×4基——自動運転で差別化を狙う

GXには、Xpengが自社開発した「Turingスマートドライビングチップ」が4基搭載される見込みだ。実効演算能力は3,000TOPSに達するとされ、同社が強みとするADAS(先進運転支援システム)技術のNGP(Navigation Guided Pilot)をさらに進化させる基盤となる。Xpengは「Physical AIの時代に向けた車」とGXを位置づけ、安全性、シャシー、自動運転、空間デザインの4領域で「新しいテックフラッグシップを再定義する」とCnEVPostの報道で伝えられている。

Volkswagenとの技術提携も見逃せない。2023年に締結されたEEA(Electrical/Electronic Architecture)プラットフォームのライセンス契約により、XpengはVWから約7億ドル規模の技術料収入を得るとともに、欧州基準の車両統合技術へのアクセスを確保した。GXの車両全体の完成度——特にシャシー制御やNVH(騒音・振動・ハーシュネス)性能——にこの提携の成果がどこまで反映されるかは、実車の評価を待つ必要がある。

競合比較——BYD唐・NIO ES9、そして日本市場の文脈

Xpeng GXの発表は、NIOがフラッグシップSUV「ES9」のテクノロジーイベントを開催した翌週にあたる。NIO ES9はすでに予約販売を開始しており、価格は52万8,000元〜。5月下旬の正式発売が見込まれる。バッテリー交換ステーション(BaaS)対応と、150kWhの半固体電池パックによるCLTC航続900km超がセールスポイントだ。

BYDは「唐」シリーズでこの価格帯の下限を押さえる。唐EV/DMシリーズは20万〜30万元台が主力で、GXやES9より手頃だが、2025年に中国国内で年間427万台を販売したBYDのスケールメリットと販売網は、プレミアム市場でも価格競争力として効いてくる。

項目 Xpeng GX NIO ES9 BYD 唐EV
価格帯 40万〜50万元 52.8万元〜 20万〜30万元台
全長 5,265mm 5,200mm級 4,900mm級
乗車定員 6人 6〜7人 7人
パワートレイン BEV/EREV BEV(BaaS対応) BEV/DM(PHEV)
航続(CLTC) BEV: 750km 900km超(150kWh) 約600km
自動運転チップ Turing×4(3,000TOPS) NVIDIA Orin×4 NVIDIA Orin×2
差別化ポイント ADAS技術・演算能力 電池交換・全固体電池 コスパ・販売網

Xpengは自動運転の演算能力、NIOはバッテリー交換エコシステム、BYDはスケールによるコスト競争力と、三社の武器は明確に分かれている。レンジローバーを思わせるサイドシルエットという評価が出ているGXは、デザイン面でも従来のXpeng車とは異なる方向を打ち出す。ただし50万元級はBMWやメルセデスも競合する価格帯であり、技術スペック以上にブランド体験やアフターサービスの厚みが購買決定を左右する。

日本の読者にとって気になるのは、この競争が日本市場にどう波及するかだろう。現時点でBYD唐とXpeng車はいずれも日本未発売だ。日本でBYDから購入できるのはATTO 3(440万円〜)、DOLPHIN(363万円〜)、SEAL(528万円〜)、SEALION 7(528万円〜)などミドルレンジが中心で、GXが想定する585万〜730万円の価格帯には、レクサスRZ(880万円〜)やトヨタbZ4X(600万円台)、日産アリアB9(約660万円〜)といった国産勢が並ぶ。Xpengは欧州市場への展開を優先しており、日本進出の具体的な時期は発表されていない。しかし中国メーカー同士の技術競争が加速することで、BYDが日本市場に投入するモデルの性能・価格設定にも間接的に影響が及ぶ可能性はある。

4月15日のイベントで公開される詳細スペックと、その後に明かされる正式価格が、プレミアムSUV市場の勢力図を書き換えるかどうか。GXの正式発売時期はまだ公表されていない。

出典

広告
BLADE NOTE編集部
BLADE NOTE編集部

BYD・中国EVの最新ニュースを日本語で配信。海外の1次ソースをもとに、日本の読者に向けた独自記事を毎日更新しています。

BYD・中国EVの最新ニュースを毎日配信中。
フォローして最新情報をチェック!