Xiaomi SU7改良版 – 48日で受注8万台に到達した背景NEW
48日で8万台——。Xiaomi EVが3月19日に発売した新型SU7(改良版)の受注ペースは、中国EV市場でも突出した水準にある。同社が5月6日に発表したところによると、ロックイン受注(変更不可の確定注文)は8万件を超えた。直近4日間だけで約1万件を積み上げる勢いで、初期インセンティブの終了を控えた駆け込み需要が後押しした形だ。
4日で1万台、48日で8万台という加速
Xiaomi EVは5月2日時点でロックイン受注7万件を発表していた。今回の8万件はそこから4日間で約1万件積み上がった計算で、1日あたり約2,500件ペースとなる。新型SU7は3月19日に発売されており、48日で8万件という到達速度は同社にとっても異例の水準だ。
背景の一つは、3月の発売開始から続いていた初期インセンティブの終了だ。Standard・Pro向けには44,000元(約88万円)、Max向けには69,000元(約138万円)相当の特典が用意されていたが、5月5日24時で終了。代わって5月6日から31日までは、Standard・Pro向け42,000元、Max向け61,000元と若干縮小した内容で再設定されている。終了直前に受注が伸びたのは、こうした条件変動を読んだ買い手の動きとみていい。
旧SU7・Model 3との比較で見える特異性
Xiaomi SU7の前世代モデルは2024年3月の発売初日に88,898件のオーダーを獲得したと報じられている。新型は瞬間風速の派手さこそ前世代のような派手さはないが、48日間にわたって受注が積み上がり続ける「持続性」という点で異なる強さを示している。前世代は登場時のインパクトに依存していたのに対し、改良版は中盤以降も受注ペースが鈍っていない。
Tesla Model 3との対比はさらに興味深い。中国市場でのModel 3の月間販売台数は概ね月1万台前後で推移していると報じられており、改良版SU7が直近4日で1万件を積み上げた事実は、その瞬発力の差を浮き彫りにする。価格帯も意図的にModel 3の周囲に重ねられており、Standardの219,900元(約440万円)はModel 3 RWD(中国市場では概ね23万元台と報じられている)より明確に低い。Pro(249,900元)はRWDの代替候補、Max(303,900元)はLong Range帯と直接競合する設計だ。
| 項目 | SU7改良版 Standard | SU7改良版 Max | Tesla Model 3 RWD(中国) |
|---|---|---|---|
| 価格 | 219,900元 | 303,900元 | 約235,500元 |
| 位置づけ | エントリー | パフォーマンス | 主力グレード |
| 5月のインセンティブ | 最大42,000元 | 最大61,000元 | — |
製品力と価格戦略の二段構え
改良版SU7が初代以上の安定ペースで売れている理由は、製品力と価格戦略の組み合わせにある。Xiaomiはスマートフォンで培ったエコシステム連携をクルマに持ち込み、自社IoT機器との接続性で他社を引き離している。HyperOSによる車載体験の統合は、若年層を中心に強い指名買いを生んでいる。
価格設定も巧みだ。Standardの21.99万元はBYD Han EVやXpeng P7+の価格帯を直撃し、MaxはModel 3 Long RangeやNIO ET5を狙う。同一車体で価格レンジを20万元台から30万元台前半まで広げるグレード戦略は、日系メーカーが国内市場で長年使ってきた手法に近いが、EV専業メーカーがここまで明確に展開している例は少ない。
納車待ちは現時点で11〜14週間に延伸している。これは従来の7〜10週間から大幅に伸びており、生産能力が需要に追いついていないことを示す。Xiaomi EVは5月6日からオプション構成の一部を整理して生産・配送効率を改善する方針を打ち出したが、受注残の解消には時間を要する見込みだ。
2026年の年間目標と次のカード
Xiaomi EVは2026年の年間販売目標として55万台を掲げる。4月の納車実績は3万台超で、3月の21,440台から一段上のステージに入った格好だ。現在のSU7改良版の受注ペースを維持できれば、年央以降は月間4〜5万台規模の納車も視野に入る。
新モデルの投入も控える。5月末には高性能SUV「YU7 GT」を正式発表予定で、SU7に続くボリュームモデルとして期待されている。さらに「崑崙(Kunlun)」のコードネームで開発中の大型SUVも、年後半の発売が見込まれる。SU7単体の受注勢いに加えて、ラインナップ拡大による販売の積み増しが2026年の販売構造を形作りそうだ。
日本市場への展開予定は現時点で公式には示されていない。ただ、20万元台でTesla Model 3を上回る装備と統合体験を提供できるEVが中国市場でこれだけ売れている事実は、同等価格帯のEVを供給する各社が無視できないデータになっている。
出典
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