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日産テラノPHEV復活 – BYDのSUVとどう戦うか

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日産テラノPHEV復活 – BYDのSUVとどう戦うか

北京モーターショー2026で、見覚えのある名前が返ってきた。Response記事によると、日産が発表した「テラノPHEVコンセプト」は、1990年代に人気を博したSUV『テラノ』の名を冠するプラグインハイブリッド車だ。市販モデルは1年以内に発表予定。SNS上では「テラノの名前が復活するだけで熱い」と歓迎する声が相次いでいる。

テラノPHEVコンセプトの狙い

テラノPHEVコンセプトは、日産が培ってきたオフロード走行性能を継承しつつ、プラグインハイブリッド技術を搭載したSUVだ。週末は林道やキャンプ場へ、平日は通勤に。そんな使い方を1台で完結させる。

初代テラノが登場した1986年、日本はRVブームの入口にいた。パジェロやハイラックスサーフとともにアウトドア文化を牽引し、当時の購入層は30〜40代のファミリー層が中心だった。あの世代は今60〜70代。その子ども世代がちょうどSUV購入の適齢期に差しかかっている。「テラノ」という車名には、単なるノスタルジーを超えた世代間の訴求力がある。

日産は同時に、新ビジョン「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」を掲げた。中国を日本・米国と並ぶ3大リード市場に位置づけ、中国発のイノベーションをグローバルに展開するハブとしても活用する方針だ。テラノPHEVの量産モデルも中国からの輸出が計画されている。

BYD・国産PHEV勢との比較で見えるポジション

日本のSUV市場では、すでにBYDがBEV(純電動車)で存在感を増している。2025年のBYD日本販売は前年比約2倍。価格帯やサイズ感が近いモデルと並べると、テラノPHEVの立ち位置が浮かび上がる。

項目 テラノPHEV(予想) BYD SEALION 7 BYD ATTO 3
タイプ SUV・PHEV 大型SUV・BEV SUV・BEV
価格帯 未発表(400〜500万円台か) 528〜758万円 440〜520万円
航続距離(EV走行) 未発表 502km(WLTC) 470km(WLTC)
パワートレイン エンジン+モーター 純電動 純電動
強み オフロード性能・給油可 800Vアーキテクチャ・大空間 Blade Battery・コスパ

テラノPHEVの詳細スペックは未公表のため、価格帯は同クラスの国産PHEV SUVからの推測値だ。ただし、PHEVという形式自体がBEV勢への対抗軸になる。経済産業省の集計(2025年3月時点)では、日本の急速充電器は約1万基。地方部では充電スポットの偏在が続く。ガソリンによるバックアップがあるPHEVなら、充電切れで立ち往生する心配がない。

国産PHEV SUVとの競合も激しい。三菱アウトランダーPHEV(約484〜630万円)は累計販売30万台超、EV走行距離約87km。トヨタRAV4 PHV(約563〜632万円)はEV走行距離95kmで根強い支持がある。

2026年度のCEV補助金はPHEVに最大55万円。BEVの最大85万円より少ないが、自治体補助との併用も可能で、東京都では追加で最大45万円が上乗せされるケースもある。補助金込みで350万円台に収まれば、価格面でアウトランダーPHEVやRAV4 PHVを下回る。テラノPHEVがEV走行距離80km以上を確保すれば、片道40km圏内の通勤は電気だけでまかなえる。PHEVでも日常のランニングコストはBEVに近づく計算だ。

一方、BYDのATTO 3やSEALION 7はBlade Batteryの安全性とe-Platform 3.0の先進技術が武器。自宅充電環境があればガソリン代ゼロというBEVの経済性も見逃せない。

日産のNEV戦略とテラノの行方

日産は2025年以降、中国市場にN7、フロンティア プロPHEV、N6、NX8といったNEVモデルを矢継ぎ早に投入してきた。日産の中国戦略発表によれば、N7は中南米・アセアン、フロンティア プロは中南米・アセアン・中東への輸出も予定されている。テラノPHEVも同様の輸出ルートが検討されており、2030年度までに中国で年間販売100万台を目指すNEV拡充戦略の一角を担う。

日本市場への投入時期は明言されていないが、テラノという車名の知名度を考えれば国内展開の可能性は高い。市販モデルの正式発表は1年以内。次の注目ポイントは、2026年秋のジャパンモビリティショーで量産仕様が公開されるかどうかだ。EV走行距離と車両価格、この2つの数字がテラノPHEVの命運を分ける。

出典

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BLADE NOTE編集部
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