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BYD Seal 08 — 第2世代ブレードバッテリーと684hp AWDの全貌

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BYD: BYD Seal 08 — 第2世代ブレードバッテリーと684hp AWDの全貌
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BYDの旗艦セダン「Seal 08」が、中国工業情報化部(MIIT)の新車カタログに正式登録された。2025年3月のBlade Battery 2.0イベントで初披露され、同年第2四半期に中国市場で発売されたこのモデルの量産仕様が、改めて公的書類で確認された形だ。

第2世代ブレードバッテリーで何が変わったのか

Seal 08の心臓部に搭載されるのは、BYDが「Blade Battery 2.0」と呼ぶ第2世代のLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーだ。初代ブレードバッテリーは刀片状セルをパック内に直接配置するCTP(Cell to Pack)構造で体積効率を高め、釘刺し試験をクリアする安全性で知られてきた。2020年の初代投入以降、BYDはHan EVやATTO 3など幅広い車種にブレードバッテリーを展開し、2024年の世界EV販売台数でテスラに迫る実績を積み上げている。

第2世代では800V高電圧プラットフォームへの対応が最大の進化点となる。メガワット級の急速充電技術により、わずか5分で航続400km分のエネルギーを補給できるとBYDは謳う。従来の800V対応車でも10〜80%充電に18〜25分かかることを考えると、充電速度は別次元だ。バッテリーセルは合肥BYD工業が製造し、パック組立は襄陽FinDreams Batteryが担当する。LFPの弱点とされてきたエネルギー密度を大幅に引き上げ、純電動航続1,000km超を実現した。LFP陣営がNMC三元系との密度差を埋めた格好だ。

684hpのAWDと5m超ボディ——スペックを読む

MIITカタログの申告情報によると、パワートレインは3種類。最上位のデュアルモーターAWDはフロント190kW(255hp)+リア320kW(429hp)で、システム合計510kW(684hp)を発生する。後輪駆動の単モーター仕様は320kW(429hp)と255kW(342hp)の2グレードだ。

仕様 駆動方式 最高出力
デュアルモーターAWD 四輪駆動 510kW(684hp)
シングルモーター(上位) 後輪駆動 320kW(429hp)
シングルモーター(標準) 後輪駆動 255kW(342hp)

684hpという数値は、テスラ Model S Plaidの1,020hpには及ばないものの、ポルシェ Taycan Turbo(680hp)と同等の水準だ。LFPバッテリーでこの出力を実現したことに技術的な意味がある。コバルトフリーの低コスト電池で高性能セダンを成立させれば、価格競争力で欧州勢を圧倒できる。

車体寸法は全長5,150mm×全幅1,999mm×全高1,505mm、ホイールベース3,030mm。車両重量2,040kg、最高速度240km/h、タイヤは245/45R19。5m超の大型セダンだが、リアアクスルステアリングの採用で市街地での取り回しを確保した。さらにDiSus-A(インテリジェントボディコントロールシステム)が路面状況に応じたダンピング制御を行い、ルーフのLiDARユニットはBYD最新ADAS「God’s Eye B(DiPilot 300)」による高度運転支援を担う。

「Ocean 8シリーズ」双旗艦の狙い

Seal 08はSealion 08 SUVとともに「Ocean 8シリーズ・デュアルフラッグシップ」を構成する。2025年12月に両モデルが発表され、Seal 08は3月のBlade Battery 2.0イベントで実車公開、その後MIIT申告を経て量産に入った。一方のSealion 08は発表当時カモフラージュ状態だったが、こちらも量産準備が進む。

セダンとSUVの双方で旗艦モデルを同時投入する戦略は明快だ。第2世代ブレードバッテリーの性能を最もわかりやすく訴求できるのは、航続距離と動力性能が数字で比較されるフラッグシップセグメントだろう。800V+メガワット級充電というインフラ依存の技術を旗艦から降ろしていく構えだが、中国国内では2024年末時点で800V対応の超急速充電器が主要都市圏を中心に急速に整備されており、量販モデルへの展開時にインフラ面の障壁は小さい。

日本市場で現在展開中のBYDラインナップはATTO 3、DOLPHIN、SEAL、SEALION 7、RACCOの5車種。Seal 08クラスの大型旗艦セダンが日本に導入されるかは未定だが、仮に導入された場合、価格帯としてはレクサスRZ(約880万円〜)や日産アリア B9 e-4ORCE(約740万円〜)と競合する領域に入る。ただし日本国内の800V級超急速充電器はまだ数が限られており、Seal 08の「5分で400km」という充電性能をフルに活かせる環境が整うには時間がかかる。第2世代ブレードバッテリーの技術自体は、BYDが全車種への横展開を公言しており、今後の日本向けモデルにも搭載される見込みだ。

出典

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BLADE NOTE編集部
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