バッテリー技術

CATL、福建省古田に登録資本20億元の新会社設立——本拠地・寧徳周辺の拠点拡充へNEW

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CATL、福建省古田に登録資本20億元の新会社設立——本拠地・寧徳周辺の拠点拡充へ

登録資本20億元(約400億円)——CATLが福建省古田県に新たなエネルギー科技公司を設立した。36氪の報道によると、世界最大のEV用バッテリーメーカーが、創業の地である福建省内で拠点を拡充する動きだ。

古田に新会社を設立した背景

CATLの本社は福建省寧徳市にある。古田県は寧徳市の管轄下にあり、本社から車で1時間圏内の距離だ。今回の新会社設立は、本社周辺のサプライチェーンを厚くする意図が読み取れる。登録資本20億元という規模は、単なるペーパーカンパニーではなく、実質的な生産・研究拠点を想定しているとみられる。

福建省は「新エネルギー産業クラスター」の形成を省レベルの重点政策に掲げており、寧徳市周辺にはすでにCATLを核としたバッテリー関連サプライヤーが集積している。省政府による用地・税制面での優遇措置も、CATL側の投資判断を後押ししたと考えられる。

新会社は何をする拠点か

新会社の事業内容は「新能源科技」とされているが、具体的にバッテリーセル製造なのか、素材・リサイクルなのか、ESS(エネルギー貯蔵システム)向けなのかは公開されていない。

手がかりになるのは、CATLの最近の国内投資先との比較だ。四川省宜賓にはリチウム資源に近い大型セル工場、広東省肇慶には華南地域の完成車メーカー向け供給拠点、山東省済寧には北部市場向けの生産拠点がそれぞれ置かれている。いずれも資源へのアクセスか顧客への近接性に立地の根拠がある。

古田の場合、リチウム資源や大手完成車メーカーの工場が近隣にあるわけではない。一方で本社・寧徳との近さは、研究開発部門との連携や、既存の生産ラインと異なる製品カテゴリの拠点として機能しやすい立地条件を持つ。

ESS事業との関連はひとつの有力な仮説だ。CATLの2024年度決算では、ESS関連売上が全社売上の中で成長分野として存在感を増している。中国国内の大型蓄電プロジェクトが増加する中、EV向けセルとは異なる生産ラインを必要とするESS向け製品の専用拠点として古田を位置づける可能性がある。また、CATLが開発を進めるナトリウムイオン電池は、コスト重視のESS用途に適しており、新技術の量産拠点という線も考えられる。

生産能力の拡大が意味すること

CATLの世界シェアは約37%で、2位以下を大きく引き離している。

メーカー 世界シェア(2024年) 本社所在地
CATL 約37% 中国・福建省寧徳市
BYD 約16% 中国・広東省深圳市
LGエナジーソリューション 約13% 韓国・ソウル

海外ではハンガリー・ドイツに欧州工場を構え、インドネシアやボリビアでの資源確保にも動いている。国内外で生産拠点を増やし続ける中、足元の福建省にも投資を積み増している形だ。

日本市場においてもCATLの存在は大きい。ホンダがCATL製バッテリーをEVに採用し、日産もCATLとの協業関係にある。こうした国内拠点の拡充は、CATLの生産規模をさらに押し上げ、スケールメリットによるコスト低減を加速させる。パナソニックやプライムプラネットエナジー&ソリューションズにとって、価格面での対抗はより難しくなる構図だ。

トヨタが2027〜28年の実用化を目指す全固体電池、日産が2028年に量産を計画する同技術は、日本勢の差別化戦略の柱とされる。ただしCATLも全固体電池の研究を並行して進めており、技術開発の時間軸とコスト競争力の両面で勝負が決まることになる。

新会社の具体的な事業内容や生産計画は今後公開される見通し。バッテリーセル製造なのかESS関連なのかによって、CATLの次の投資の方向性がより明確になる。

出典

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BLADE NOTE編集部
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