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EVバッテリー容量ランキング18台、価格と航続で比較NEW

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EVバッテリー容量ランキング18台、価格と航続で比較

日本のEVの電池容量は20kWh(軽EV)から84kWhのヒョンデIONIQ5まで分布し、容量当たり価格は5.85万円/kWhのBYDから13.3万円/kWhの軽EVまで約2.3倍の開きがある。容量当たりの価格が最も低いのはBYD勢で、最も高いのは軽EVだ。

電池パックの総電力量(kWh)は航続距離を左右する最大の要素だが、容量が大きいほど割安になるとは限らない。2026年10月時点で日本で正規販売されている主要18台を容量順に並べ、価格・航続距離との関係を「万円/kWh」(容量当たり価格)と「km/kWh」(容量当たり航続)の2指標で検証する。

バッテリー容量ランキング表

価格は税込・代表グレード、航続距離はWLTCモード一充電走行距離。万円/kWhは価格÷容量、km/kWhは航続距離÷容量で算出した。基準日は2026年10月24日時点。

順位 車種 総電力量 価格(税込) WLTC航続 万円/kWh km/kWh
1 日産サクラ X 20.0kWh 233.3万円 180km 11.7万円 9.00km
2 三菱eKクロスEV G 20.0kWh 266.2万円 180km 13.3万円 9.00km
3 BYD RACCO 200 22.4kWh 214.5万円 210km 9.58万円 9.38km
4 マツダ MX-30 EV 35.5kWh 451万円 256km 12.7万円 7.21km
5 BYD RACCO 300Plus 35.84kWh 239.8万円 320km 6.69万円 8.93km
6 BYD RACCO 300Premium 35.84kWh 249.7万円 320km 6.97万円 8.93km
7 BYD DOLPHIN Baseline 44.9kWh 299.2万円 415km 6.66万円 9.24km
8 日産リーフ B5 S 55.0kWh 438.9万円 521km 7.98万円 9.47km
9 BYD DOLPHIN Long Range 58.56kWh 374万円 476km 6.39万円 8.13km
10 Volvo EX30 Single Motor Extended Range 69kWh 559万円 560km 8.10万円 8.12km
11 トヨタ bZ4X Z FWD 71.4kWh 600万円前後 559km 8.4万円前後 7.83km
12 スバル ソルテラ ET-SS 4WD 71.4kWh 638万円 567km 8.94万円 7.94km
13 レクサス RZ450e Version L 71.4kWh 880万円 494km 12.32万円 6.92km
14 BYD ATTO3 EX RWD 74.88kWh 437.8万円 620km 5.85万円 8.28km
15 日産リーフ B7 X 78.0kWh 518.87万円 702km 6.65万円 9.00km
16 BYD SEAL RWD 82.56kWh 495万円 640km 6.00万円 7.75km
17 BYD SEALION7 RWD 82.56kWh 498.3万円 590km 6.04万円 7.15km
18 Hyundai IONIQ5 Voyage RWD 84.0kWh 523.6万円 703km 6.23万円 8.37km

トヨタbZ4X Z FWDの価格はモーターファンの報道時点の目安であり、現行のエントリーグレードG(FWD)は480万円から販売されている。BYD ATTO3 EXは2026年9月29日発売で、旧ATTO3(58.56kWh・WLTC470km・当時418万円)を置き換えた新型で、バッテリー容量が74.88kWhへ拡大し急速充電の受電能力も85kWから100kWへ上がっている。

軽EVが高くつく理由

EVバッテリー容量ランキング18台、価格と航続で比較
出典: 時事通信

表の上位、つまり容量が小さい車種ほど万円/kWhが高くつく傾向がはっきり出る。日産サクラとeKクロスEVは20kWhで11.7万円・13.3万円/kWhと、表内で2番目に高いレクサスRZ450e(12.32万円/kWh、価格880万円)に匹敵するか、それを上回る。車両本体が最も安い部類でも、容量当たりでは最上級モデルと同水準というねじれが起きている。

要因は電池パック以外の固定費だ。BMS(電池管理システム)や冷却機構、パックの筐体・保護構造にかかるコストは容量にほぼ比例しない。22.4kWhのパックでも82.56kWhのパックでも、安全規格をクリアするための部材や検査工程はさほど変わらないため、少量生産・小容量ほど1kWh当たりの固定費負担が重くなる。

BYD RACCO 200(22.4kWh、9.58万円/kWh)はサクラ・eKクロスEVより軽い構造上の不利を抱えつつも、両車より1〜4万円/kWh安い。2025年10月の試作車公開時点では容量20kWh・WLTC約180kmと報じられていたが、量産仕様では22.4kWhまで積層量が増え、価格を抑えながら容量当たり単価を軽EVの最安値圏に収めた。BYDの中国EVメーカーのコスト構造に通じる、垂直統合によるセル調達力の差が出ている。

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同じ電池でも電費は変わる

容量が同じでも車体設計が違えば航続距離は変わる。71.4kWhを共有するトヨタbZ4X・スバルソルテラ・レクサスRZ450eと、82.56kWhを共有するBYD SEAL・SEALION7を並べると差がはっきり出る。

71.4kWhの3台は、FWD・SUVのトヨタbZ4X Z FWD(WLTC559km・7.83km/kWh)、AWD・SUVのスバルソルテラET-SS 4WD(WLTC567km・7.94km/kWh)、AWD・SUV上級仕様のレクサスRZ450e Version L(WLTC494km・6.92km/kWh)でkm/kWhに差がある。82.56kWhの2台では、RWD・セダンのBYD SEAL RWD(WLTC640km・7.75km/kWh)がRWD・クーペSUVのBYD SEALION7 RWD(WLTC590km・7.15km/kWh)を上回る。

同じ電池・同じプラットフォームのbZ4X・ソルテラ・RZ450eでも、レクサスは車重増と上級内装・AWD専用構成の影響で電費が約13%落ちる。BYDのSEALとSEALION7も電池は共通だが、車高が高くフロンタル面積の大きいクーペSUVのSEALION7は、ノッチバックセダンのSEALより電費が約8%悪い。車体形状の空気抵抗が、容量と同じかそれ以上に航続を左右する。

LFPと三元系、どちらが得か

表の下位、容量60kWh超のゾーンでは中国系のLFP(リン酸鉄リチウム)勢が万円/kWhの最安を占める。BYDのATTO3 EX(5.85万円/kWh)・SEAL(6.00万円/kWh)・DOLPHIN Long Range(6.39万円/kWh)が最安圏で、三元系(ニッケル・コバルトを使うNMC/NCA)のヒョンデIONIQ5(6.23万円/kWh)やレクサスRZ450e(12.32万円/kWh)と対照的だ。

LFPはなぜ安いのか

LFPはニッケル・コバルトを使わず、鉄とリン酸という安価で資源制約の少ない材料で正極を作る。BYD公式カタログも「希少金属を使用していないため、低コストを実現」と説明している。

LFPのブレード構造(角型積層)と三元系の円筒セル構造の違いを示す断面図。
LFPのブレード構造(角型積層)と三元系の円筒セル構造の違いを示す断面図。

セル単体のエネルギー密度(同じ重さ・体積にどれだけ電気を詰め込めるか)は三元系に劣るとされてきたが、BYDは「ブレードバッテリー」と呼ぶ構造でこの差を縮めている。角型の薄く長いセルを隙間なく並べてパック自体を補強材にすることで、パック全体としての容量効率を上げる発想だ。海外の技術解説記事でも、セル単位の密度差をパック設計で補う手法として取り上げられている。

三元系が選ばれる場面

三元系はセル単体の密度で勝るため、同じ容量でもパックを薄く軽くしやすく、低温環境での出力低下もLFPより小さいとされる。LFPとNMCの比較解説では、熱安定性・コストではLFP、エネルギー密度・寒冷地性能では三元系が優位と整理されている。レクサスRZ450eやヒョンデIONIQ5が三元系を使うのは、高級車としての室内空間や走行性能を確保する狙いが大きい。電池の種類と価格戦略が車格そのものを規定している構図は、バッテリー技術の基礎を理解すると見えやすくなる。

なお電池パック自体の世界平均価格は年々下がっている。BloombergNEFの集計では2024年に全用途平均が前年比20%下落して115ドル/kWh、乗用BEV向けは97ドル/kWhと初めて100ドルを割った。2025年にはさらに8%下落し全用途108ドル/kWh、BEV向けは99ドル/kWhになったと報告されている。地域差も大きく、中国は94ドル/kWhと世界最安で、米国は世界平均より31%高いとされる。日本仕様車の万円/kWhがBYDで低く出る背景には、この中国でのセル調達コストの安さが直結している。

用途別に見る賢い選び方

EVバッテリー容量ランキング18台、価格と航続で比較
出典: JAF Mate

街乗り中心で車庫が狭いなら、容量20kWh台の軽EVかRACCO200で十分なことが多い。180〜210kmの航続は週数回の充電で足りる範囲で、本体価格も200万円台前半と手が届きやすい。

通勤・買い物に加えて月1〜2回の遠出をするなら、DOLPHIN BaselineやATTO3 EXのような40〜75kWh帯が現実的な選択になる。km/kWhが8台後半〜9台前半と効率が良く、容量に対して航続を伸ばしやすい車体設計のモデルが多い。より広いラインナップを一覧で見たいときはBYDの全車種価格・スペック比較が参考になる。

長距離移動が多く、冬の暖房使用時でも余裕を持ちたいなら80kWh超のSEALやSEALION7、IONIQ5が候補になる。容量が大きいほど、後述する冬場の航続低下の影響を割合として受けにくい利点もある。

数値の前提と注意点

本稿の価格はすべて税込・代表グレードで統一した。経済産業省の次世代自動車振興センター(NeV)が公表する補助金対象車両一覧は税別表記のため、例えばDOLPHIN Baselineは272万円(税別)と表示される。本稿の299.2万円(税込)と見比べる際は、この表記の違いに注意が必要だ。

WLTCはあくまで室温23℃前後の室内試験条件での一充電走行距離であり、実際の航続はこれより短くなる。英国の独立試験では、公称値に対し冬季の実航続が最大40%ショートし、どの車種も公称値の20%以内に収まらなかったと報告されている。低温での電池内部抵抗の増加、暖房がバッテリー電力を直接消費する点、冬タイヤによる電費悪化が主な要因だ。表のkm/kWhはカタログ値同士の比較であり、実際の冬季電費はこれより1〜2割低く見積もっておくほうが実用的だ。

2026年補助金で変わる計算

国のCEV補助金は2026年に区分が改定された。普通車のBEVは上限が130万円(トヨタbZ4X・ホンダSuper-ONE・ホンダINSIGHTが該当)、PHEVは上限85万円、軽EVは日産サクラが58万円・三菱eKクロスEVが57.4万円となっている。BYDのBEVは全車種15万円(2026年4月1日〜12月31日登録分)で、2027年1月1日以降の登録分は9万円に下がる。

車種 税込価格 CEV補助金 実質価格 実質万円/kWh
日産サクラ X 233.3万円 58万円 175.3万円 8.77万円
三菱eKクロスEV G 266.2万円 57.4万円 208.8万円 10.44万円
BYD RACCO 200 214.5万円 15万円 199.5万円 8.91万円
BYD DOLPHIN Baseline 299.2万円 15万円 284.2万円 6.33万円
BYD SEAL RWD 495万円 15万円 480万円 5.81万円

補助金を反映しても、軽EVの実質万円/kWhは8.77万円・10.44万円とBYDの5.81〜8.91万円を上回る。容量が小さいほど補助金の絶対額(58万円・57.4万円)がカタログ価格に対して大きく効くはずだが、それでも1kWh当たりでは逆転しない。東京都は2026年7月1日以降登録のBYD車に対し、国の補助金に加えて40万円(基本20万円+外部給電加算10万円+メーカー上乗せ10万円)を上乗せするため、東京都内での実質単価はさらに下がる計算になる。

BLADE NOTEの見立て

万円/kWhという指標は、電池そのものの割安さを測るには有効だが、車としての買い得感を測る指標としては片面でしかないと見ている。軽EVが容量当たり高くつくのは電池の問題ではなく、少量の電池を安全に積んで軽自動車規格に収めるための固定費構造の問題で、容量を増やせば自動的に解決する話ではない。むしろ軽EVは「容量を増やさずに使い勝手を上げる」方向、つまり充電の速さや暖房効率の改善で勝負すべき領域だと考える。

もう一つの見立ては、LFPのコスト優位が今後さらに広がるという点だ。BloombergNEFの集計が示す電池パック価格の下落は、特にLFPへのシフトが主因とされている。中国メーカーがセル供給網を握るLFPで価格を主導する以上、日本仕様車の万円/kWh最安圏をBYDが占める状況は、短期では崩れにくい。トヨタやスバルが三元系・共通プラットフォーム戦略で車格の幅を確保しているのとは対照的に、BYDは電池の安さを武器に価格帯の下から積み上げてきている。この2つの戦略がどちらも成立している今の状態は、どちらかが優位に転ぶ前の過渡期だと捉えるのが実態に近い。

出典

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BLADE NOTE編集部

BYD・中国EVの価格・補助金・販売店の情報を、メーカー発表や官公庁資料などの一次情報をもとに日本語で整理しています。記事作成には AI を活用し、数値と事実関係は編集部が一次資料で確認しています(編集方針)。