BYD SEALION 7で北海道厳寒ドライブ – 91.3kWhバッテリーは極寒にどう耐えるか
マイナス20℃を下回る北海道・陸別町。日本で最も寒い町として知られるこの地で、BYD SEALION 7 AWDを走らせたらどうなるか。EVsmartブログの実走レポートをもとに、厳寒環境での航続距離、充電事情、そしてAWD SUVとしての走行性能を読み解く。
SEALION 7 AWDの冬季スペック
SEALION 7はBYDのe-Platform 3.0をベースとした大型電動SUVで、日本では2025年4月に発売された。AWDモデルはフロント・リア両方にモーターを搭載し、総出力は最上位グレードで390kW超。バッテリー容量は91.3kWhのBlade Batteryを積む。
| 項目 | SEALION 7 AWD |
|---|---|
| バッテリー容量 | 91.3kWh(Blade Battery / LFP) |
| WLTC航続距離 | 502km |
| 駆動方式 | AWD(前後デュアルモーター) |
| 車両重量 | 約2,390kg |
| 急速充電 | CHAdeMO対応(最大115kW程度) |
LFP(リン酸鉄リチウム)セルを使ったBlade Batteryは、三元系と比較して低温時の電圧降下が大きい。BYDはこの弱点に対してバッテリーのプレヒーティング制御を搭載しており、充電前に自動でセルを温める仕組みを持つ。EVsmartブログは昨年SEALで同様の北海道遠征を実施しており、今回はより重く駆動ロスも大きいAWD SUVでの比較検証という位置づけだ。SEALの北海道テストでは電費が4.5km/kWh前後まで落ち込んだ区間もあったとされ、車重が約200kg増えたSEALION 7ではさらに厳しい数字が予想される。
厳寒ドライブの航続距離とバッテリー容量の意味
陸別町周辺の外気温はマイナス15〜20℃台。暖房はフル稼働で、シートヒーターとステアリングヒーターも併用する。SEALION 7はヒートポンプ式エアコンを搭載しているが、外気温がマイナス15℃を下回るとヒートポンプの効率は急落し、PTCヒーターの補助が増える。暖房だけで3〜5kW相当の電力を常時消費する計算になる。
厳寒期のEV航続距離はWLTC値の50〜65%程度まで落ちるのが通例だ。SEALION 7の502kmに当てはめると250〜330km前後。ただし、ここで91.3kWhという大容量が効いてくる。テスラ Model Y ロングレンジ(75kWh)が同条件で走れば航続距離は200km台前半まで落ちる計算になるが、SEALION 7はバッテリー容量で約20%上回るぶん、半減しても250km程度を確保できる。バッテリー容量の小さいモデルでは厳寒期に100km台まで落ちることもあるなか、この差は大きい。
ソース記事はPart1として充電レポートに重点を置いており、実測の電費データは続報で詳細が出る可能性がある。現時点では、91.3kWhの容量が厳寒時の航続距離低下を「量で吸収する」設計であることが、SEALION 7の冬季運用における最大の強みだと読み取れる。
北海道の充電インフラと実際の充電戦略
航続距離と並んで重要なのが充電環境だ。北海道は面積が広大な一方、急速充電器の設置密度は本州の都市部と比べて低い。道東・道北エリアでは充電スポット間の距離が50km以上空くことも珍しくない。
SEALION 7のCHAdeMO充電は最大115kW程度に対応するが、北海道内陸部で90kW超の高出力充電器に出会える確率は低い。道の駅やコンビニに設置された20〜30kWクラスの中速充電器が中心で、30kW充電器だと30分で約15kWh、航続距離にして80km分程度の回復にとどまる。ここでもバッテリーのプレコンディショニングが重要になる。BYDのシステムはナビで充電スポットを目的地に設定すると到着前にバッテリー温度を最適化する機能を備えており、冷え切ったLFPバッテリーへの急速充電時に受入電力が大幅に制限される問題を緩和できる。
加えて、北海道では吹雪による通行止めや渋滞が突発的に起こる。バッテリー残量20%を下限の目安にして早めに充電スポットへ立ち寄る計画が前提となる。充電インフラが手薄な道東エリアでは、出発前にルート上の充電スポットをすべてピックアップしておくくらいの準備が要る。
圧雪路でのAWDとSEALION 7の走行性能
充電や航続距離の制約はあるものの、走行性能の面ではSEALION 7のAWDは冬の北海道と相性がよい。デュアルモーターはエンジン車よりもトルク制御が精密で、圧雪路やアイスバーンでのトラクションに明確な優位性がある。約2,390kgという車重も、凍結路面では接地圧の確保に有利に働く。
EVsmartブログのレポートはPart1の段階で充電事情を中心に扱っており、走行フィールや電費の詳細データは続報(Part2以降)で明らかになる見込みだ。91.3kWhの容量で厳寒の航続距離低下をカバーし、AWDで雪道の安定性を確保する——SEALION 7はスペック上、冬の北海道をEVで走るための条件を揃えている。実測データが出揃った段階で、改めて数字に基づいた評価を行いたい。
出典
- BYD『SEALION 7』AWDで北海道厳寒テスト〜充電レポート Part1(EVsmartブログ)
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