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BYDだけじゃない──ブレードバッテリー搭載の電動原付「CHANGE」が日本上陸

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BYD: BYDだけじゃない──ブレードバッテリー搭載の電動原付「CHANGE」が日本上陸
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四輪EVで実績を積んできたブレードバッテリーが、二輪の世界に降りてきた。電動モビリティ企業のアカリエ(Acalie)が、中国メーカーXDAOと共同開発した日本専用モデル「CHANGE(チェンジ)」を2026年6月から順次投入する。原付クラスの電動バイクにEV自動車レベルのブレードバッテリーを搭載するのは、同社調べで日本初だという。

四輪技術を二輪に転用——ブレードバッテリーと安全設計

ブレードバッテリーといえば、BYDが自社EVに採用しているLFP(リン酸鉄リチウム)系のバッテリー技術として知られる。刀片状のセル配置によって体積効率を高めつつ、コバルトを使わない正極材で熱暴走リスクを抑える構造だ。BYDのATTO 3やDOLPHINなど日本で販売されているBEVにも、この技術が使われている。

CHANGEに搭載されるブレードバッテリーも同様の設計思想に基づく。セルをアルミ複合フィルムで保護し、外装にはアルミ合金を採用。圧迫・貫通・高温といった厳格な試験で発火・爆発リスクを大幅に低減したとアカリエは説明している。四輪で培われた安全技術が、より身近な原付に落とし込まれた格好だ。

バッテリー本体の安全性に加え、新世代のバッテリーマネジメントシステム(BMS)も搭載する。各セルの電圧・温度・電流をミリ秒単位でリアルタイム監視し、過充電・過放電・過電流・短絡・高温を自動で制御する。防水性能も車体全体でIP65、モーター・コントローラー・バッテリーの主要部品はIP67を確保しており、高圧洗浄機での丸洗いにも耐える。フレームには自動車レベルの陰極電着塗装と粉体塗装を組み合わせた二重防腐処理を施し、塩水噴霧試験で1,000時間以上の耐久性を実証済みだ。デリバリー業務など天候を選ばない用途を強く意識した設計といえる。

個人向けと法人向け、2モデル展開

ラインナップは2種類。個人向けのショートレンジモデルはシングルバッテリーで航続約50km、法人向けのロングレンジモデルはダブルバッテリーで航続約100kmとなる。バッテリーは取り外し可能で、家庭用100Vコンセントから充電できる。最大積載量は200kg。フードデリバリーや宅配といった業務用途を十分にカバーできる数字だ。

日本の電動原付市場には、ホンダのEM1 e:(航続53km、交換式バッテリー)やスズキのe-Let’s(航続約30km)といった大手メーカーの先行モデルがすでに存在する。ただし、いずれも一般消費者向けが中心で、業務用途に振り切った設計は少ない。CHANGEのロングレンジモデルが航続100km・積載200kgを実現できれば、フードデリバリー事業者が増加する都市部で一定の需要を取り込める可能性がある。LFP系バッテリーの長寿命特性(3,000サイクル以上)も、日々の充放電が激しい業務利用では競合に対する明確な優位点になる。

モデル ショートレンジ(個人向け) ロングレンジ(法人向け)
バッテリー構成 シングル ダブル
航続距離 約50km 約100km
想定用途 通勤・買い物 デリバリー・業務
最大積載量 200kg
充電 家庭用100V対応・バッテリー着脱式

名古屋モーターサイクルショーで実車初公開

アカリエは4月10日から12日にかけて愛知県常滑市のAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開催される「第5回名古屋モーターサイクルショー2026」にCHANGEの実車を出展。一般来場者が実物に触れられる初の機会となる。市場投入は2026年6月から順次開始し、販売網の拡充とアフターサービス体制の整備を並行して進める方針だ。

共同開発パートナーのXDAOは2004年設立の中国メーカーで、年間300万台規模の電動モビリティを販売する大手。一方のアカリエは2017年設立で、電動モビリティのほかAIスマートプロダクトやスポーツ分野でも事業を展開している。価格帯はまだ発表されていない。ホンダEM1 e:の約30万円前後という価格水準に対してどの程度の競争力を持たせられるかが、普及の鍵を握ることになる。

出典

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BLADE NOTE編集部
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