充電インフラ

BYD×KFC「充電9分・食事9分」の異業種コラボ – 中国で広がるEV充電の新体験

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充電インフラ: BYD×KFC「充電9分・食事9分」の異業種コラボ – 中国で広がるEV充電の新体験
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フライドチキンを食べ終える前に、クルマの充電が終わっている。そんな体験が中国で現実になりつつある。BYDとKFCの親会社であるYum China Holdingsが、ドライブスルー型の超急速充電ネットワーク構築で提携を発表した。

9分で満充電、注文はクルマの中から

今回の提携の核は「デュアル補充」モデルだ。ドライバーは車載インフォテインメントシステムから直接KFCのメニューを注文・決済し、充電ステーションに到着する頃には食事の準備が完了している。充電と食事、どちらも9分以内に済ませられるという設計思想である。

車内注文機能は、まずBYDの高級オフロードPHEV「方程豹 豹7(Fang Cheng Bao Bao 7)」から対応を開始し、順次他車種に拡大する予定だ。CleanTechnicaの報道によれば、プロモーション画像にはクルマの横に小さなピクニックエリアも設けられており、車内での食事に抵抗がある層への配慮も見える。

1,500kW級「Flash Charging」の実力

この9分充電を支えるのが、BYDが先月発表した第2世代Blade Battery(Blade Battery 2.0)とFlash Charging技術だ。BYDはこの技術を「5分で準備完了、9分で満タン、極寒でもプラス3分」というキャッチフレーズで訴求している。

具体的な充電性能は以下の通り。

条件 充電範囲 所要時間
通常時 10%→70% 約5分
通常時 10%→97% 約9分
極寒時(-30℃) 20%→97% 約12分

最大出力は1,500kWに達する。BYDはこの1MW超の充電器を「Flash Charger」と呼んでおり、すでに中国国内で数千基を設置済みだ。先月発売されたDenza Z9 GTにはこの技術が搭載され、CLTC基準で航続距離1,036km(約620マイル)を実現している。

ファストフード×充電インフラの相乗効果

KFCは世界149の国と地域に3万3,000店舗以上を展開する巨大チェーンだ。中国国内のメニューはアメリカとは異なり、バーガーのほか麺類、お粥、エッグタルト、タピオカティーなど現地化されたラインナップを揃えている。

CleanTechnicaは、この提携にはいくつかの運用上の課題があると指摘する。充電器の予約制度をどうするか。9分より早く充電が終わった場合に移動を促す仕組みは必要か。Flash Charging非対応の旧型車が充電枠を長時間占有する問題にどう対処するか——。実際に大規模展開するには、こうした細部の設計が問われる。

一方で、Yum ChinaはKFC以外にもTaco Bell、Pizza Hut、Lavazzaといったブランドを傘下に持つ。火鍋チェーンも運営しており、CleanTechnicaが報じるように、食事時間の長い火鍋は通常速度の充電との相性がよい。充電速度と食事時間のマッチングという観点で、業態ごとに使い分ける余地がある。

欧州展開とグローバル戦略の布石

BYDはFlash Chargingの海外展開をすでに表明しており、欧州とオーストラリアが最初の対象地域となる。Denza Z9 GTは今週パリのオペラ座で欧州デビューを果たし、ダニエル・クレイグがプロモーションに起用された。欧州での価格は11万5,000ユーロ(約134,500ドル)からで、中国価格の26万9,800元(約39,300ドル)の3倍以上という強気の設定だ。

KFCの世界的な店舗網を考えれば、充電パートナーシップの海外展開も自然な流れだろう。Electrekの報道では、欧州市場を含むグローバル展開は「驚くことではない」と評されている。

日本のBYDユーザーにとって気になるのは、この充電技術がいつ国内に届くかだ。現在日本で販売中のATTO 3やDOLPHINはFlash Charging非対応だが、次世代モデルでの採用は十分にあり得る。ファストフードチェーンとの提携という充電体験の再定義が、日本のコンビニ駐車場やフードコート併設型充電ステーションにどんな示唆を与えるか。従来の「充電待ち=退屈な時間」という認識を変える動きとして、中国発のこの実験は注目に値する。

出典

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BLADE NOTE編集部
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