車種比較

EVコスパランキング補助金後1kmあたり価格で比較NEW

公開 13分で読める
EVコスパランキング補助金後1kmあたり価格で比較

航続1kmあたりの実質価格が最も安いのは、CEV補助金適用後で日産リーフB7X(78kWh)の5,554円/kmだった。

BLADE NOTEは、国のCEV補助金(登録日2026年4月1日〜12月31日の金額)を使い、軽EVからプレミアムEVまで25グレードの「価格÷WLTC航続距離」を算出し、補助金適用前と適用後の2通りで並べ替えた。基準日は2026年11月2日。価格が安い軽EVやBYD勢が必ずしも上位に来るとは限らず、補助金の厚みによって順位が大きく入れ替わる結果になった。

25グレード航続1km価格ランキング

対象は、2026年11月時点で日本で新車購入できる主なBEV25グレード。価格は税込のメーカー希望小売価格、航続距離はWLTCモードのカタログ値、補助金額は次世代自動車振興センター(NeV)が公開する銘柄別補助額一覧に基づく2026年4月1日〜12月31日登録分の金額だ。東京都のZEV補助金など自治体の上乗せ分は車種・契約内容で変動幅が大きいため、ここでは含めていない。BYDの現行ラインナップはRACCO・DOLPHIN・ATTO 3 EX・SEAL・SEALION 7の5モデル(PHEVのSEALION 6は対象外)を収録した。

順位 車種・グレード 価格(税込) WLTC航続 補助金 補助前¥/km 補助後¥/km
1 日産リーフ B7X(78kWh) 518.9万円 702km 129万円 7,392円 5,554円
2 トヨタ新型bZ4X Z(FWD) 550万円 746km 130万円 7,373円 5,630円
3 日産リーフ B5S(55kWh) 438.9万円 521km 129万円 8,424円 5,949円
4 ヒョンデIONIQ5 Voyage 523.6万円 703km 87万円 7,448円 6,211円
5 テスラModel3 ロングレンジAWD 621.9万円 766km 127万円 8,118円 6,460円
6 テスラModel3 RWD 531.3万円 594km 127万円 8,945円 6,805円
7 BYD ATTO 3 EX(RWD) 437.8万円 620km 15万円 7,061円 6,819円
8 BYD DOLPHIN Baseline 299.2万円 415km 15万円 7,210円 6,845円
9 BYD RACCO 300Plus 239.8万円 320km 15万円 7,494円 7,025円
10 BYD RACCO 300Premium 249.7万円 320km 15万円 7,803円 7,334円
11 BYD SEAL(RWD) 495万円 640km 15万円 7,734円 7,500円
12 BYD DOLPHIN Long Range 374万円 476km 15万円 7,857円 7,542円
13 BYD SEALION 7(RWD) 498.3万円 590km 15万円 8,446円 8,192円
14 BYD ATTO 3 EX(AWD) 487.3万円 550km 15万円 8,860円 8,587円
15 テスラModel3 パフォーマンス 725.9万円 647km 127万円 11,219円 9,254円
16 BYD RACCO 200 214.5万円 210km 15万円 10,214円 9,500円
17 BYD SEAL(AWD) 572万円 575km 15万円 9,948円 9,687円
18 三菱eKクロスEV Gビジネスパッケージ 236.4万円 180km 57.4万円 13,133円 9,944円
19 BYD SEALION 7(AWD) 575.3万円 540km 15万円 10,654円 10,376円
20 日産サクラ S 244.9万円 180km 58万円 13,603円 10,381円
21 三菱eKクロスEV G 256.9万円 180km 57.4万円 14,269円 11,081円
22 日産サクラ X 259.9万円 180km 58万円 14,441円 11,218円
23 フォルクスワーゲンID.4 Lite 528.7万円 388km 36万円 13,626円 12,699円
24 日産サクラ G 299.9万円 180km 58万円 16,659円 13,437円
25 三菱eKクロスEV P 313.2万円 180km 57.4万円 17,398円 14,209円

表の並び順は補助金適用後の¥/kmが安い順。価格だけを見ると軽EVやBYDが上位に来そうだが、実際に安い順に並べると日産・ヒョンデ・テスラといった補助金の厚い車種が上位を占める。意外なのはBYD勢の位置づけで、ATTO 3 EXとDOLPHIN Baselineは補助金適用後でも7位・8位に入り、BYD社内では最もバランスが良い2台だと分かる。逆にSEALION 7やSEALの上位グレード(AWD)は、バッテリー容量を抑えたRWDより航続が短く価格も高いため、下位に沈んでいる。

首位逆転の理由は補助金の厚み

EVコスパランキング補助金後1kmあたり価格で比較
出典: くるまのニュース

補助金適用前の¥/kmで並べると、トップ5はBYD ATTO 3 EX(RWD)・DOLPHIN Baseline・トヨタ新型bZ4X・日産リーフB7X・ヒョンデIONIQ5 Voyageの順になる。ところが同じ5台を補助金適用後で並べ替えると、顔ぶれが大きく変わる。

順位 補助金適用前(¥/km) 補助金適用後(¥/km)
1 BYD ATTO 3 EX(RWD) 7,061円 日産リーフ B7X 5,554円
2 BYD DOLPHIN Baseline 7,210円 トヨタ新型bZ4X Z 5,630円
3 トヨタ新型bZ4X Z 7,373円 日産リーフ B5S 5,949円
4 日産リーフ B7X 7,392円 ヒョンデIONIQ5 Voyage 6,211円
5 ヒョンデIONIQ5 Voyage 7,448円 テスラModel3 ロングレンジAWD 6,460円

ATTO 3 EX(RWD)は補助金適用前では全25グレード中1位の安さだが、適用後は7位まで下がる。理由は単純で、BYDのBEVに付く国のCEV補助金は全モデル一律15万円しかない。一方、日産リーフやトヨタbZ4Xには普通車区分の上限額に近い129万〜130万円が出る。補助後の価格差は実質110万円以上になり、¥/km換算でも逆転が起きる。

この構図は軽EVにも当てはまる。日産サクラ・三菱eKクロスEVには58万円前後の補助金が出るが、BYDのRACCOは同じ軽BEVでも15万円どまり。補助金適用前はRACCO 300Plusの方が安い場面が多いのに、適用後はサクラ・eKクロスEVの下位グレードとの差が縮まる。それでもRACCO 300Plusは補助金適用後で9位に入り、軽EVの中では最も効率が良い結果になった。

自治体の上乗せ補助を考慮すると、順位はさらに動く可能性がある。例えば東京都のZEV補助金(2026年7月1日以降登録)は、BYDの乗用車に一律40万円(基本30万円+メーカー別上乗せ10万円)を支給する一方、トヨタ・日産・ホンダなど国産メーカーには別枠でメーカー別60万円が上乗せされる。国と都の補助金を合算すると、国産勢との差はむしろ広がる可能性がある。本記事のランキングには都道府県レベルの補助金を含めていないため、東京都内で購入する場合は別途計算が必要だ。

この車、補助金でいくら安くなる?
国のCEV補助金+お住まいの自治体の補助金で、実質価格を30秒で計算できます。
EV補助金シミュレーターを使う →

条件別でわかるあなたの一台

ランキング上位だけを見て選ぶと、使い方によっては不便な一台を選んでしまう。用途別に見方を変えるべきだ。

毎日の近距離移動が中心なら

通勤・買い物が中心で一充電航続距離が200km前後あれば十分という人には、BYD RACCO 200(214.5万円、WLTC210km)や日産サクラの下位グレードが候補になる。¥/kmだけ見ると上位ではないが、車両価格の絶対額は200万円台前半に収まり、初期費用を抑えたい人には向く。BYD RACCOは2026年9月中旬までに1,700台超の受注を集めており、軽BEVとしての人気は高い。

遠出や高速移動が多いなら

航続距離そのものを重視するなら、日産リーフB7X(WLTC702km)やテスラModel3ロングレンジAWD(同766km)、トヨタ新型bZ4X(同746km)が選択肢の中心になる。これらは補助金適用後の¥/kmでも上位に入っており、距離あたりコストと実用航続を両立しやすい。

BYDで選ぶなら価格帯で絞る

BYD社内で比較する場合、補助金適用後¥/kmが最も安いのはATTO 3 EX(RWD、6,819円/km)とDOLPHIN Baseline(同6,845円/km)。SUVボディで航続620kmを求めるならATTO 3 EX、価格を抑えたコンパクトならDOLPHIN Baselineという住み分けになる。BYDの現行モデル全体のスペックはBYD全車種の価格・スペック比較でも確認できる。ラインナップの詳細や最新ニュースはBYD関連の記事一覧にまとめている。

数値の前提はWLTCと税込価格

EVコスパランキング補助金後1kmあたり価格で比較
出典: CnEVPost

この記事の数値には、前提条件がいくつかある。まず価格は全車「税込」に統一した。NeVが公開する補助額一覧PDFの定価表記は税抜のため、税抜定価に1.1を掛けて税込換算している車種がある。BYD・テスラ・日産リーフの一部グレードは、報道されている税込価格と税抜×1.1の計算結果が一致することを確認済みだ。

航続距離はWLTCモード(市街地・郊外・高速道路を組み合わせた国際基準の試験値)のカタログ値で、実際の走行では気温や高速道路の利用比率、エアコン使用などで数値より短くなるのが一般的とされる。¥/kmはあくまで「カタログ値どうしの比較」であり、実燃費(実電費)ベースの順位ではない点は留意してほしい。

BYD ATTO 3は2026年9月29日に新型「ATTO 3 EX」へ切り替わっており、本記事のランキングは切り替え後の現行モデルの数値を使っている。旧ATTO 3(WLTC470km・418万円)に言及した過去記事やレビューを参照する際は、発表時期に注意したい。フォルクスワーゲンID.4 Liteの航続距離・価格は2022年の発売時点のスペックを採用しており、現行モデルで仕様変更があった場合は反映していない。

BYD各車の補助金は一律15万円

CEV補助金は車種ごとに金額が大きく異なる制度だ。経済産業省の資料によれば、補助額は基本額に、充電インフラ整備や供給の安定性・サイバーセキュリティ対応といったメーカーの取り組みを総合評価した加算額を上乗せする設計になっている。BYDの乗用BEV(RACCO・DOLPHIN・ATTO 3 EX・SEAL・SEALION 7)は、この総合評価の結果として全モデル一律15万円という低い水準にそろっている。

補助額は2027年1月1日登録分からさらに下がる予定で、同じNeVの資料ではBYD各車が9万円、日産サクラが45.8万円、日産リーフ・トヨタbZ4Xが77万円台に目減りする。今回のランキングは2026年内の登録を前提にした一時点のスナップショットであり、年明け以降は数字が総入れ替えになる。

BYDは価格面でも動きが速い。DOLPHINとATTO 3(旧型)は2025年4月に最大33万円の値下げを行った一方、SEALION 7は2026年7月14日付で3.3万円の値上げを実施している。補助金・車両価格のどちらも年内に変わりうる前提で見る必要がある。

BLADE NOTEの見立て

今回の結果で興味深いのは、「価格が安い車ほどコスパが良い」という直感が、補助金を通すとそのまま崩れる点だ。BYDの乗用BEVは車両価格そのものは日産リーフやトヨタbZ4Xより数十万円安いのに、補助金適用後の¥/kmでは逆転される。これは単純にBYDが損という話ではなく、CEV補助金という制度が「車両価格の安さ」ではなく「国内メーカーの政策協調度合い」に近い基準で傾斜配分されていることの表れだと見ている。

もう一点、¥/kmという指標自体の寿命が短いことも指摘しておきたい。今回の計算の土台になっている補助金額は2026年12月31日登録分までの金額で、2027年1月1日以降は軒並み目減りする。しかもSEALION 7のように半年足らずで車両価格が動く車種もある。今日の順位表を「今後ずっと通用するランキング」として覚えるのは危険で、買い替えを検討するタイミングごとに再計算する前提で見てほしい。

短距離移動が中心の人にとっては、¥/km最安のリーフB7Xより、車両価格そのものが安いRACCOやサクラの方が総支払額は小さく収まる場面も多い。¥/kmはあくまで「同じ距離を走るための効率」を測る指標であり、年間走行距離が少ない人には過剰なスペックになりかねない。ランキングの上位・下位よりも、自分の年間走行距離に当てはめた実額で判断するのが現実的だ。

出典

BLADE NOTE編集部

BYD・中国EVの価格・補助金・販売店の情報を、メーカー発表や官公庁資料などの一次情報をもとに日本語で整理しています。記事作成には AI を活用し、数値と事実関係は編集部が一次資料で確認しています(編集方針)。