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Smart #2と#6が北京で初公開——2シーターから4.96mセダンまで全方位展開へNEW

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2座席の超小型EVから全長4.96mのファストバックセダンまで——Smartが4月22日の北京グローバルイベントで、製品レンジの両端を一気に押し広げる。

Concept #2と#6 EHD——小型EVとセダンを同時投入

Smart Concept #2は、かつてのsmart fortwoを彷彿とさせる2シーターレイアウトを採用しつつ、完全な電動プラットフォームに移行したデザインスタディだ。ホワイトとゴールドのツートーンで仕上げられたコンパクトなボディは、都市型モビリティへの原点回帰を明確に打ち出している。中国国内ではすでに量産版の路上テスト車両が目撃されており、コンセプトから市販化への開発は着実に進んでいる。

一方のConcept #6 EHDは、Smart初のファストバックセダンだ。低いフロントプロファイルに張り出したショルダーライン、ホイール・アット・ザ・コーナーズ(車輪を四隅に配置する設計)を採用し、フットプリントに対して室内空間を最大化する。先行公開されたインテリアはデジタルインターフェース中心のシンプルな構成で、Mercedes-Benzのグローバルデザインチームが手がけた。まずは中国市場向けに投入される。

2019年にMercedes-BenzとGeely(吉利汽車)の合弁で再出発したSmartは、コンパクトSUVの#1、クーペSUVの#3、大型SUVの#5と矢継ぎ早にラインナップを拡大してきた。今回のConcept #2で小型車に立ち返りつつ、#6 EHDでセダンセグメントにも進出する。この「上下同時拡張」を支えるのが、Geelyグループが持つSEAプラットフォームだ。800Vアーキテクチャに対応し、ホイールベースを1,750mmから3,100mm超まで可変できる設計の柔軟性が、2シーターからセダンまでの幅広い車型展開を技術的に担保している。傘下のZeekrが001(GT)から007(セダン)、MIX(ミニバン)まで同一基盤で展開しているのと同じ手法だ。

中国では月販2,000台割れ——北京で巻き返せるか

Smartの中国販売は2026年に入って不安定な推移が続いている。月次の動きを整理すると以下の通りだ。

販売台数 前月比 前年同月比
2025年平均 2,000〜3,700台
2026年1月 2,103台
2026年2月 871台 −58.6%
2026年3月 1,717台 +97.1% −33.2%

背景には中国EV市場全体の構造変化がある。中国汽車工業協会(CAAM)の統計によると、2026年第1四半期の中国新エネルギー車販売は前年同期比で約30%増と拡大が続く。しかしBYDやGeely本体が価格攻勢を強めた結果、プレミアム小型EVブランドは埋没しやすい環境にある。Smartの販売減は市場縮小ではなく、競争激化の結果とみるべきだろう。

新モデル2車種は、展示面積38万平方メートル・出展車両1,451台という世界最大規模の北京オートショー2026で披露される。約40市場でEVを販売するSmartにとって、この場での反応がラインナップ拡張戦略の成否を左右する。

日本市場——#1の400万円台から#2で300万円前後を狙えるか

Smartは2023年に#1で日本市場に再参入した。価格帯は約400万〜550万円。輸入EVとしては一定の認知を得たものの、月販台数は2桁台にとどまり、日産サクラ(累計10万台超)や三菱eKクロスEVが握る補助金込み200万円前後のボリュームゾーンとは客層が異なる。

Concept #2が量産化された場合、価格設定が焦点になる。Geelyグループの製造コスト競争力を活かして300万円前後に抑えられれば、「欧州デザイン×中国コスト」のポジションで軽EVとプレミアムEVの間に新たな選択肢を提示できる。ただし日本の急速充電器設置数は約1万基(2025年時点・CHAdeMO協議会調べ)で、都市部に偏在している。航続距離が限られる超小型EVにとって、地方部での日常使いにはまだハードルが残る。

Geelyグループとしてはボルボ、Zeekr、Smartの3ブランドで日本攻略を進める構えだが、ディーラー網の整備は道半ばだ。Zeekrは2026年内に日本での販売開始を表明しており、同じ販売網にSmartの追加車種が乗る可能性がある。北京での初公開後、日本向けの具体的な導入時期と価格帯がどこまで絞り込まれるかで、Geelyの日本戦略の本気度が見えてくる。

出典

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BLADE NOTE編集部
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