零跑Lafa 5 Ultra発表 – Stellantis提携で日本上陸はあるか
Stellantisが20%出資する中国EVメーカー・零跑汽車(Leapmotor)が、北京モーターショー初日の4月24日にコンパクトEV「Lafa 5 Ultra」を発表する。標準モデルの上位版にあたるこのグレードは、15万元(約300万円)以下の価格帯でスポーティな装備を盛り込んだ戦略モデルだ。Stellantisの販売網を通じて欧州展開を進める零跑にとって、次の照準がアジア、とりわけ日本のコンパクトEV市場に向くかどうかが今回の発表で見えてくる。
Lafa 5 Ultraの中身——標準モデルとの違い
Lafa 5は2025年11月に9万2800元(約186万円、限定価格)で発売されたコンパクトEVハッチバック。VWのID.3やBYD DOLPHIN、NIO傘下のfirefly、MGのMG4と同じ激戦区に投入されたモデルだ。
Ultra版では外装にエアロスプリッター、ウイング型サイドスカート、リアディフューザーを追加。19インチホイールとマットダークグレーのブレーキキャリパー、ブラックアウトバッジで「走り」のイメージを前面に押し出す。フレームレスドアとフラッシュサイドウインドウも採用し、クーペスタイリングを強調した。
パワートレインは標準モデルの160kWから180kWに強化。室内では前席8ポイントマッサージシステムを装備しており、スポーティさと快適性の両立を狙う。このクラスでマッサージ機能を載せてくるのは珍しい。
LiDAR搭載の先進運転支援——地図に頼らないNAP
Lafa 5 Ultraはクアルコムのフラッグシップチップ「SA8295」と「8650」をデュアルで搭載し、LiDARも装備する。これにより全国の都市部で高精度地図に依存しないナビゲーション・アシスト・パイロット(NAP)が利用可能になる。すでに試乗車が中国各地の店舗に配備されており、都市部NAPの体験が始まっている。
この価格帯でLiDARと高性能チップのデュアル構成は、中国のコンパクトEV競争がどこまで進んでいるかを示している。以下の比較表を見ると、日本で販売中の同クラスEVとの装備差が際立つ。
| モデル | 価格帯(日本) | 出力 | LiDAR | 高度運転支援 |
|---|---|---|---|---|
| 零跑 Lafa 5 Ultra | 未定(中国価格15万元≒約300万円) | 180kW | あり | NAP(地図不要型) |
| BYD DOLPHIN | 約363万円〜 | 150kW | なし | ACC・LKA |
| 日産リーフ | 約408万円〜 | 110kW / 160kW | なし | プロパイロット |
| MG4 EV | 約399万円〜 | 150kW | なし | ACC・LKA |
| 日産サクラ | 約255万円〜 | 47kW | なし | プロパイロット |
零跑の勢い——2026年は100万台が目標
CnEVPostの報道によると、零跑の2026年3月の納車台数は5万29台。前年同月比34.87%増、前月比では78.25%増と大幅に回復した。第1四半期の累計は11万155台で前年同期比25.82%増。春節や業界のオフシーズンの影響で2025年第4四半期比では45.21%減だが、回復トレンドは明確だ。
2025年通年では約60万台を納車し、初の通期黒字化を達成。経営陣は2026年の年間納車目標を100万台に設定している。Lafa 5 Ultraに加え、4月16日にはフラッグシップSUV「D19」を発売。さらにA10、A05、D99といったモデルも2026年のロードマップに含まれており、新型車の連続投入で成長を維持する構えだ。
Stellantisの国内ディーラー網は使えるか
零跑の海外戦略の要はStellantisとの提携にある。Stellantisが20%を出資し、欧州ではStellantisの既存ディーラー網を活用して販売を拡大中だ。この「中国で設計・製造、現地パートナーの販路で売る」というモデルが機能すれば、次の対象市場に日本が入る。
Stellantis傘下にはプジョー、シトロエン、フィアット、ジープなど日本に正規輸入されているブランドが複数存在する。販売・サービスのインフラはすでに国内にある。零跑がこのネットワークを使えるなら、中国メーカーが単独で日本に参入するよりもディーラー開拓とアフターサービス構築のコストを大幅に省ける。
ただし、日本のコンパクトEV市場には固有の構造がある。BEV販売の約4割を日産サクラや三菱eKクロスEVといった軽EVが占めており、ボリュームゾーンは軽規格に集中している。Bセグメントハッチバックの市場は、BYD DOLPHINが開拓しつつあるものの、まだ小さい。価格面では、CEV補助金込みで実質230万円を切れなければ、日産サクラの価格帯と勝負にならない。中国での9万元台(約186万円)という設定が日本向けにどう変わるかが、競争力を左右する最大の変数だ。
現時点で零跑の日本参入に関する公式な発表はない。4月24日の北京モーターショーでは、Lafa 5 Ultraの詳細スペックと価格に加え、Stellantisを通じた海外展開の対象地域リストに日本が含まれるかどうかが確認すべきポイントになる。
出典
- Leapmotor to launch Lafa 5 Ultra at Beijing Auto Show on Apr 24(CnEVPost)
- Stellantis × Leapmotor パートナーシップ(Stellantis公式)
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