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NIO 3ブランド初の合同出展 – 北京モーターショー2026の見どころNEW

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NIO 3ブランド初の合同出展 – 北京モーターショー2026の見どころ

プレミアム、ファミリー、パーソナライゼーション——NIO(蔚来汽車)が掲げる3ブランド戦略の全容が、北京モーターショー2026で初めて一堂に会する。

11モデル・12技術を1つのブースに集約

NIO Inc.の発表によると、2026年北京モーターショーにおいてNIO・ONVO・Fireflyの3ブランドを同一ブース(中国国際展覧中心順義新館E2ホール E203)に初めて集結させる。展示モデルは計11台、フルスタック技術は12種。4月24日午前10時(北京時間)からメディアブリーフィングを実施し、NIOアプリおよびSNSでライブ配信する。

総展示面積38万平方メートルと過去最大規模の今回、NIOのブースがあるE2ホールにはXpengやHuawei系のAITOブランドも出展する。中国EVメーカー同士の直接比較が可能な配置だ。

NIOブランド:フラッグシップSUV「ES9」を初公開

NIOブランドの目玉は、新型フラッグシップSUV「ES9」の一般初公開だ。同社の発表によれば業界初の技術を43項目搭載するとしているが、具体的な中身は24日のメディアブリーフィングまで明かされていない。自社開発の自動運転チップやバッテリー交換技術の延長線上にある位置づけとみられる。

加えて、第3世代ES8の特別仕様「ミスティックブラック」を発表。先行販売中の「ネビュラレッド」仕様も展示する。

第3世代ES8は北京ショー直前に累計10万台の納車を達成した。大型電動SUV市場でこの数字を積み上げた中国メーカーは多くない。

自社開発5nmチップが繋ぐONVOとFirefly

NIOの技術が3ブランドを貫く象徴が、自社開発の5nm車載自動運転チップ「Shenji NX9031」だ。車載向け5nmチップは世界初とされる。

ファミリー層を狙うサブブランドONVO(楽道)は、このチップを搭載した2026年モデルのL90を展示する。4月21日に発売されたばかりで、運転支援システムには「NIO World Model」を採用した。ONVOは2024年に立ち上げられた大衆価格帯ブランドで、バッテリー交換インフラをNIO本体と共有しつつ価格を抑え、中国市場のボリュームゾーンを狙う。

小型EVブランドFirefly(萤火虫)は、現在唯一のモデルであるFirefly EVの2026年版をアピールする。4月7日発売済みの同車は、価格据え置きでモーターのピーク出力を120kWに引き上げた。異なるスタイルで仕上げた公式カスタム車両3台も並ぶ。若い消費者層を意識した演出だ。

上位ブランドで開発した技術をONVO・Fireflyへ順次展開する——この垂直統合の流れが、単なるバッジ違いの多ブランド戦略との差別化ポイントになっている。

3ブランドの価格帯とFirefly対日本の軽EV

NIO Inc.の3ブランドは以下のように棲み分ける。

ブランド ターゲット 価格帯 主な特徴
NIO プレミアム層 30万〜60万元(約600万〜1,200万円) バッテリー交換、先端技術集約
ONVO ファミリー層 15万〜25万元(約300万〜500万円) NIO技術を手頃な価格で提供
Firefly 若年・都市層 10万元前後(約200万円) 小型・カスタマイズ志向

NIOは2025年に年間約22万台を納車し、前年比で大幅な伸びを記録した。バッテリー交換ステーションは累計3,000基を超える(同社IR資料による)。テスラがModel 3/Yの2本柱で中国市場を戦い、BYDが王朝・海洋・方程豹・仰望の4ブランドで展開する中、NIOは3ブランド+バッテリー交換ネットワークという共通基盤でブランド間シナジーを生む構造を取った。

日本市場にNIOは未参入だが、Fireflyの小型EVは全長・価格帯ともに国内の軽EV・小型EVカテゴリーと重なる。参考までにスペックを並べてみる。

項目 Firefly EV(2026年版) 日産サクラ Honda N-VAN e:
価格 約200万円(10万元前後) 約255万円〜 約244万円〜
モーター出力 120kW 47kW 47kW
バッテリー 非公開 20kWh 29.6kWh

出力差が大きい。ただし日本で販売するには右ハンドル仕様の開発が必要で、NIOの核であるバッテリー交換モデルも国内では用地確保やインフラ投資の壁がある。中国では自社ステーション網を急速に拡大できたが、日本では充電規格の統一すら途上だ。

出典

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BLADE NOTE編集部
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