中国NEV市場3月シェア – BYD独走22.8%、テスラは4位後退
22.8%——3月の中国NEV(新エネルギー車)小売市場で、BYDが叩き出したシェアだ。2月の19.1%から3.7ポイント上積みし、2位以下を大きく突き放した。中国乗用車協会(CPCA)が発表した最新ランキングから、各社のポジション変化を読み解く。
BYD、月販19.4万台で圧倒的首位
BYDの3月のNEV小売販売台数は19万4,131台。前年同月比では33.1%減となったものの、前月比では118.9%増と大幅に回復した。中国市場では旧正月明けの2月が例年落ち込むため、3月の急回復自体は季節的な要因が大きい。ただし、シェア22.8%という数字は他社を圧倒している。
BYDは2022年3月に内燃機関車の生産を完全に終了し、NEV専業メーカーへ転換した。その決断が4年を経て結実している。NEV専業でありながら乗用車市場全体でもシェア11.8%で首位に立ち、NEVの普及率上昇がそのままBYDの総合ランキングを押し上げる構図が定着した。日本でもATTO 3やDOLPHINを展開するBYDだが、母国でのこの規模感が日本向けモデルの価格競争力やラインナップ拡充の原資になっている。
吉利が2位定着、長安が3位に浮上
2位は吉利汽車(Geely)。3月のNEV小売は9万6,842台で、シェア11.4%を確保した。前年同月比12.7%減、前月比26.4%増という数字はBYDと似た傾向だが、BYDとのシェア差は11.4ポイントと依然大きい。
吉利はVolvo Cars、Polestar、Zeekrなどを傘下に抱えるグループで、従来の内燃機関車も販売している。乗用車市場全体の1〜3月累計では販売台数52万6,279台でトップに立ち、BYD(累計8.9%)を上回った。NEVではBYDに及ばないが、総合力ではまだ互角以上の存在感がある。
3位には長安汽車(Changan)が入った。NEV小売6万8,089台、シェア8.0%。乗用車市場全体でも3位につけ、老舗国有メーカーの底力を見せた。
テスラ、2月3位から4位に後退
テスラの3月の中国小売台数は5万6,107台。前年同月比24.3%減、前月比46.9%増だった。シェアは6.6%で、2月の8.2%・3位から1ランク下がって4位に後退した。
テスラにとって厳しいのは、競合の回復ペースに追いつけていない点だ。前月比の伸び率を見ると、BYDが118.9%増なのに対しテスラは46.9%増にとどまる。テスラは北米・欧州市場でもBYDとの価格競争が激化しており、中国ではさらにローカルメーカーの品揃えの厚さに押されている。1〜3月累計でもテスラは11万2,798台(前年同期比16.2%減)で4位。年間シェアの回復には、新モデル投入か価格戦略の見直しが具体的に求められる局面だ。
NIO前年比136%増、Li Autoも堅調——新興勢の追い上げ
7位のNIOは3月の小売3万5,383台、シェア4.2%で、前年同月比136.7%増という突出した伸びを記録した。ONVOやfireflyといったサブブランド展開が販売台数を押し上げている。NIOは2025年に量産価格帯への参入を本格化させており、その効果が数字に表れた格好だ。
5位のLi Auto(理想汽車)は4万1,053台でシェア4.8%。前年同月比11.9%増と安定成長を続けている。EREV(レンジエクステンダー)に特化した戦略が引き続き機能している。
上位メーカーの多くが前年同月比マイナスとなったのは、2025年3月にNEV補助金の駆け込み需要があった反動だ。中国では2022年末の国家補助金終了後も地方政府や買い替え補助が断続的に実施されてきたが、その政策サイクルが前年比の数字を大きく揺らす要因になっている。そうした逆風下でLi AutoとNIOがプラス成長を達成した点は、両社の商品力が補助金頼みではないことを裏付けている。
| 順位 | メーカー | 3月販売台数 | シェア | 前年同月比 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | BYD | 194,131台 | 22.8% | -33.1% |
| 2位 | 吉利汽車 | 96,842台 | 11.4% | -12.7% |
| 3位 | 長安汽車 | 68,089台 | 8.0% | — |
| 4位 | テスラ | 56,107台 | 6.6% | -24.3% |
| 5位 | Li Auto | 41,053台 | 4.8% | +11.9% |
| 7位 | NIO | 35,383台 | 4.2% | +136.7% |
| ※主要メーカーのみ抜粋。6位は省略 | ||||
BYDの独走は数字で見る限り揺るがない。2位吉利とのシェア差は11ポイント超。NEV専業でありながら乗用車市場全体でも首位という事実が、中国自動車市場の電動化シフトの現在地を示している。1〜3月累計のシェアは19.8%。年間20%台を維持するには、下半期に控える新モデルの投入時期と価格設定が鍵を握る。
出典
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