Lynk & Co 10量産開始 – Geely傘下のDセグ攻略NEW
Xiaomi SU7が独走する中国のDセグメントBEVセダン市場に、Geely傘下のLynk & Coが新型「10」で正面から挑む。先代Z10の不振を取り戻すべく、寧波・梅山工場で量産がスタートした。プレオーダー価格は20.99万元(約460万円)から。
不振に終わったZ10からの巻き返し
Lynk & Co 10は、2024年9月に発売されたZ10セダンの実質的な後継モデル。China EV DataTrackerによれば、Z10の累計納車台数は11,737台にとどまり、Lynk & Coのラインナップでも下位クラスに沈んだ。BEV専用の上級セダンが市場で存在感を示せなかった経緯を踏まえ、10では装備・性能・ブランディングを刷新した形だ。
ボディサイズは5050×1966×1468mm、ホイールベースは3005mm。フラッシュドアハンドル、分割式ヘッドライト、ルーフ上のLiDARセンサーといった現行Lynk & Coのデザイン文法を踏襲しつつ、屋根の低いクーペ風セダンに仕立てている。室内には15.4インチセンターディスプレイと12.3インチメーターパネル、ヘッドアップディスプレイを組み合わせた。
3グレード構成、最上級は912馬力
パワートレインは3グレード制。エントリーのStandard RWDは77.17kWhバッテリーに300kW(402馬力)モーターを後輪に搭載し、CLTC航続は701km。Long-Range RWDは95kWhパックと370kW(496馬力)モーターで816km。最上級のAWDは前後合計680kW(912馬力)に達し、0-100km/h加速は3.2秒だという。
注目は900Vアーキテクチャを採用したことだ。V4高速充電に対応し、10〜70%を4分22秒で完了させる。1秒あたり約2kmの航続を回復する計算で、BYDが最新のBlade 2.0電池と組み合わせる急速充電性能を上回ると現地メディアは伝えている。商用普及が進む中国の超急速充電網に最適化したスペックといえる。
3グレードのスペック
| 項目 | Standard RWD | Long-Range RWD | AWD |
|---|---|---|---|
| バッテリー | 77.17kWh | 95kWh | 95kWh |
| 最大出力 | 300kW(402馬力) | 370kW(496馬力) | 680kW(912馬力) |
| 駆動 | RWD | RWD | AWD |
| CLTC航続 | 701km | 816km | — |
| 0-100km/h | — | — | 3.2秒 |
梅山工場 – 輸出を見据えた海岸立地
10の量産が立ち上がった梅山工場は、浙江省寧波から約50km、海岸線からわずか1kmの場所にある。2017年に着工、総投資額は100億元(約2,200億円)、敷地面積は76万平方メートル。Geelyが当初から輸出を視野に入れて選定した立地だ。
Lynk & CoはVolvoとGeelyの合弁ブランドとしてスタートし、近年は欧州・東南アジアでの販売網拡張を進めている。プラグインハイブリッドの01や03+ですでに海外で姿を見せていたが、BEV専用車を持たないことが弱点だった。10の登場で、ブランドとして「BEV単体で勝負できるグローバル商品」が初めて揃う。
Geely傘下のBEVセダン棲み分け
Geelyグループには、Lynk & Coの上にプレミアムBEVを担うZeekr(007、001)、下に大衆向けの「銀河(Galaxy)」シリーズが位置する。VolvoやPolestarまで含めれば、20万元台のBEVセダンだけでZeekr 007、Lynk & Co 10、Galaxy E8、Polestar 2と一本化されない布陣が並ぶ。
Lynk & Co 10の20.99万〜25.99万元という価格帯は、Zeekr 007(20.99万元〜)と完全に重なる。Geelyグループ内のカニバリゼーションは避けられず、ブランドごとのキャラクター付け – スポーティで都市派のLynk & Co、テック志向のZeekr – をどこまで明確に打ち出せるかが、10の成否を左右する。Z10の不振の一因も、この棲み分けの曖昧さにあったと現地では指摘されてきた。
10の中国市場投入は数週間以内とされる。日本市場には未進出だが、Geelyは梅山工場を起点に欧州・東南アジア展開を加速させる構え。トヨタ・日産が再投入を進めるEVと同じ価格帯に、Lynk & Coが中国発の900Vセダンを送り込む構図が見えてくる。
出典
BYD・中国EVの最新ニュースを毎日配信中。
フォローして最新情報をチェック!