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folofly価格はF11非公開、ZEEKR009は1300万円からNEW

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folofly価格はF11非公開、ZEEKR009は1300万円から

folofly(フォロフライ)の価格はモデルで方針が分かれ、F11は非公開、ZEEKR 009は1300万円からと公表されている。

folofly(フォロフライ)は京都発のEVスタートアップで、自社工場を持たない「ファブレス型」の生産モデルを採る。2021年8月設立、本社は京都府京都市下京区の京都リサーチパーク4号館、代表取締役は駒寛康氏だ(folofly公式)。中国メーカーへの生産委託と自社開発を組み合わせる水平分業で、2021年に商用バン「F1 VAN」でデビューし、以降トラック、ミニバン、軽トラへとラインナップを広げてきた。2025年10月のJapan Mobility Show 2025では軽EVトラック「FKT」と高級ミニバン「ZEEKR 009」を同時発表している(くるまのニュース)。価格の出し方は車種ごとにまったく違い、隠しているというより制度設計の違いが大きい。

FKT受注開始、価格は非公開

2026年9月7日、folofly は軽EVトラック「FKT」と「FKT-B」の受注を開始した。最大積載量350kg、車両重量1080kg、乗車定員2名、最小回転半径4.4mという軽商用車らしい取り回しの良さに、30kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを積み、一充電航続距離はWLTC相当で225km。普通充電(6kW)で約5時間、CHAdeMO急速充電なら約1時間で満充電に戻る(ベストカーWeb)。FKT-Bを含む仕様展開も案内されている(くるまのニュース)。

肝心の本体価格はオープン価格、つまり実売価格は非公表だ。ただし国の補助金を使った場合の目安は示されている。令和7年度補正予算の「商用車等の電動化促進事業」を適用すると、最大87万3000円の補助が受けられる。電気代の試算も公表済みで、1kmあたり約2.7〜3円。ガソリン軽トラックの約10円/kmと比べると、年間1万2500km走った場合の燃料費差は年9万円以上になるという。

非公開の理由はファブレス型

folofly価格はF11非公開、ZEEKR009は1300万円から
出典: folofly Inc.

folofly が車両本体価格を明らかにしないのは、F11・FKTに共通する販売の建て付けによる。どちらも法人向け商用車で、個人が1台単位でショールーム買いする前提ではない。導入する企業の台数・仕様・充電設備込みのパッケージ・補助金適用の有無で見積りが変わるため、定価を一本で示しにくい構造がある。タクシー・バス向けの大規模な補助の話も一部で報じられているが、本文まで確認できた一次情報は見つからず、ここでは数字として扱わない。

この補助金は経済産業省の「令和7年度補正予算 商用車等の電動化促進事業」で、トラック分は一般財団法人環境優良車普及機構、タクシー・バス分は公益財団法人日本自動車輸送技術協会が執行団体となる。交付申請の公募は2026年4月24日に始まり、2027年1月15日まで続く(経済産業省)。

もう一つの理由は、folofly 自身が標榜する「ファブレス型EVメーカー」という立ち位置だ。自社工場を持たず、海外メーカーへのOEM生産委託と水平分業で車両を作る。2022年1月の台湾メディアDIGITIMESの報道でも、folofly が垂直統合ではなく水平分業型の生産体制で新モデル投入を目指す方針が伝えられている(DIGITIMES)。部品調達先や生産ロットの組み合わせによって原価が変動しやすく、完成車メーカー的な「定価表」を出しにくい事情とも整合する。中国メーカーとの協業でコストを抑える構図は、BYDなど中国EV各社が日本市場で採る戦略とも通じるところがある。

法人向け商用EVの企画・供給だけでなく、技術提携にも動いている。2024年9月にはシャープの次世代ミニバン・コンセプト「LDK+」の開発に協力すると発表した(folofly公式)。2025年4月には同じEVスタートアップのASFと資本業務提携を結び、folofly がASFに出資してCEOが経営に参画する体制を敷いた(folofly公式)。いずれも提携金額は非公表で、車両価格の非公開方針と同じく、金額を明かさずに関係だけ発表するスタイルが社としての一貫した姿勢に見える。

ASFとの資本業務提携は、完成車メーカーを持たないEVスタートアップ同士が手を組む珍しい事例だ。ASFも商用軽EVを手掛けており、folofly が出資してCEOが経営に参画する形は、単純な技術提携よりも経営リソースの統合に近い。日本の商用EV市場はまだ各社が小規模に分散している段階で、こうした資本提携が今後の業界再編の呼び水になるかどうかが次の見どころだ。

F1VANは380万円で始まった

価格を明示していた時代もある。2021年10月に発売した初代「F1 VAN」は、folofly 公式発表で一般販売価格が1台あたり380万円と明記されていた(folofly公式)。2021年10月13日時点の報道でも、導入費用は1台当たり約380万円と伝えられており、公式の発表額と一致する(BCN+R)。航続距離300km、普通自動車運転免許で運転できる最大級のEVバンという売り方で、日本初の1トンクラス商用EVを名乗った。物流大手SBSホールディングスが中期的に約1万台の導入を発表したこともあり、スタートアップとしては上々の滑り出しだった。2022年9月の運用開始時点の発表では、最大88万4000円の補助金対象になるとも案内されていた(folofly公式)。

資金面でも折り返し地点を過ぎた印象がある。2026年3月19日には日本政策金融公庫、みずほ銀行、りそな銀行、京都銀行、滋賀銀行の5機関からベンチャーデット総額10億円を調達した(The Bridge)。シリーズAでの累計調達額は11億円で、引受先にはSBSホールディングスやENEOSホールディングスの名もある。2024年12月24日時点の推定評価額は約230億5100万円(潜在株含む)で、CITIC(中信)ベンチャーキャピタルやみなとキャピタル、三井住友海上キャピタルが主要株主に名を連ねる(INITIAL)。本体価格を明示しなくても、法人向けの大口商談と銀行融資で事業を回せる体力がついてきたと見てよさそうだ。

F11は本体非公開、補助401万円

2026年1月に発売した現行の主力モデル「F11シリーズ」は、普通免許で運転できるバンの中でクラス最大級となる最大積載量1.1トンを持つ1t積載クラスの商用EVだ。モーター最大出力170kW(約231馬力)、最大トルク336Nm、CATL製82.88kWhバッテリーを搭載し、一充電走行距離はWLTPモードで479km。乗車定員は基本2名だが、2026年6月に3人乗りモデルが追加された(くるまのニュース)。

本体価格はオープン価格で非公表。ただし「令和7年度補正予算 商用車等の電動化促進事業」を事業用に活用すると、最大401万2000円の補助が受けられると報じられている(LNEWS)。電気代は1kmあたり約3〜4円で、軽油車の約16円/kmのおよそ4分の1。年間2万km走る法人ユーザーなら、燃料費の削減額は年間20万円以上になる計算だ。先行生産の初期ロット100台は2026年6月までに完売・納車を終え、第2ロット以降の供給に入っている。

4車種の価格と補助金を比較

folofly価格はF11非公開、ZEEKR009は1300万円から
出典: folofly Inc.

ここまでの数字を一度テーブルで整理する。folofly の現行・過去ラインナップで価格が公開されているのはF1 VANとZEEKR 009の2車種のみで、FKT・F11はいずれも非公開だ。航続距離の算出方式(WLTC・WLTP・メーカー公表値)が車種ごとに違う点にも注意したい。

モデル 価格 国補助金(目安) 航続距離
FKT/FKT-B(軽EVトラック) オープン価格(非公表) 最大87万3000円 225km(WLTC相当)
F1 VAN(初代、2021年) 380万円 最大88万4000円 300km
F11シリーズ(2026年1月) オープン価格(非公表) 最大401万2000円 479km(WLTP)
ZEEKR 009 1300万円から — 822km(メーカー公表値)

表を見ると、公表されている2車種の価格差は3.4倍以上に広がっている。F1 VANの380万円は普通免許で乗れる商用バンという位置づけの価格で、ZEEKR 009の1300万円からは個人・法人の役員車という別のレンジにある。folofly は同じ社名でも、商用車としての価格競争力と、ラグジュアリー輸入車としてのブランド価値という、二つの異なる市場を同時に攻めている。補助金の金額だけを見るとFKTとF11は近い制度を使っているが、F11の補助上限401万2000円はFKTの87万3000円の4.6倍に達する。これは電池容量の差(F11の82.88kWhはFKTの30kWhの2.8倍)と、補助制度側が大型商用EVをより重点的に支援する設計になっているためだ。

ハイエースより全長が長いF11

F11は全長4990mm×全幅1980mm×全高2010mm、ホイールベース3100mm。荷室は長さ2690mm×幅1700mm×高さ1380mmで、トヨタ・ハイエースバン(全長4840mm×全幅1880mm×全高2105mm)より全長で150mm、全幅で100mm大きい(くるまのニュース)。普通免許の枠内でどれだけ荷物を積めるかを競う商用バン市場で、サイズそのものを差別化の軸にしている格好だ。

項目 F11 ハイエースバン
全長 4990mm 4840mm
全幅 1980mm 1880mm
全高 2010mm 2105mm

全高はハイエースより95mm低く、立体駐車場や倉庫のシャッター高さとの相性で有利になる場面もありそうだ。商用車選びでは価格だけでなく、こうした寸法差が現場の運用コストに直結する。

ZEEKR009は1300万円から

唯一、はっきりした価格を出しているのが「ZEEKR 009」だ。中国Geely(吉利)グループのEVミニバンを folofly が日本国内で展開するモデルで、2025年10月22日に日本導入を発表、同月29日開幕のJapan Mobility Show 2025で右ハンドル7人乗り仕様を国内初公開した(くるまのニュース)。全長5209mm×全幅2024mm×全高1812mm、車両重量2870kg。CATL製140kWhバッテリーと前後デュアルモーター4WDで最大出力450kW(612馬力)、最大トルク693Nm、0-100km/h加速4.5秒、一充電航続距離はZEEKR社のテスト値で822km(独立機関による検証ではない点に注意したい)。

日本導入価格は1300万円からと案内されている(36Kr Japan)。参考情報として中国本土価格は89.90万元、記事内の換算で約1935万2000円と報じられているが、これは中国国内価格であり日本仕様・日本価格とは別物だ(くるまのニュース)。folofly が想定する販路はB2B中心で、企業の社長車やインバウンド富裕層向けのハイヤー・送迎用途。商用EV販売で築いた法人ネットワークを横展開する狙いで、競合はトヨタ・アルファード/ヴェルファイアやレクサスLMといった国産高級ミニバンになる。発表当初は数十台の予約、年間1000台規模の販売目標が示されていた(36Kr Japan)。

高級ミニバン市場で最大の競合となるトヨタ・アルファード/ヴェルファイアとレクサスLMは、年間販売台数で見れば数万台規模の市場を形成している。ZEEKR 009の1300万円からという価格は、レクサスLMの上級グレードと近いレンジに位置し、国産勢に対して正面から価格で張り合う構図ではない。むしろ中国製で海外ブランドの高級ミニバンという目新しさと、一充電航続距離822kmという電動化のアピールで差別化を図る狙いが読み取れる。ただし822kmはZEEKR社のテスト値であり、日本の実走行条件やWLTCのような第三者検証に基づく数値ではない点は踏まえておきたい。

中国EVメーカー一覧で見ると、folofly はメーカーではなく輸入・販売の担い手という点で、BYDのような完成車メーカー直販とは立ち位置が異なる。

BLADE NOTEの見立て

folofly の価格戦略を見ていると、「オープン価格」は弱さの表れではなく、法人営業に特化した割り切りだと感じる。個人向けディーラーで値付けを統一する必要がないぶん、企業ごとの導入規模・充電設備・保守契約を一体で見積もる自由度が高い。F11とFKTがいずれも非公表なのは偶然ではなく、folofly が「個人には1台単位で売らない」と決めている証拠と見るべきだ。

一方でこの方式には弱点もある。価格の見えないEVは比較検討の土台に乗りにくく、中国EV各社やテスラのように公開価格表で殴り合う市場には同じ土俵で参入できない。folofly がZEEKR 009だけ価格を公表したのは、ここが個人富裕層・法人の社長車という「見積りより定価のほうが訴求力を持つ」ゾーンだからだろう。商用車と高級ミニバンで価格の出し方を変える判断は、folofly の顧客理解としては一貫している。

もし folofly がF11やFKTの本体価格を公開したらどうなるか。おそらく競合の商用EVとの比較記事が一気に増え、価格の安さよりも先に積載量やバッテリー容量の比較で評価される局面に入る。非公開のままでいる限り、folofly は「見積りを取らないと分からない」という営業のペースで商談を進められる。これは短期的には強みだが、法人の調達担当者が複数社から相見積りを取る文化が定着すれば、いずれ価格の透明性を求める圧力は強まるはずだ。

懸念は補助金依存の度合いだ。FKTは最大87万3000円、F11は最大401万2000円という補助額は、本体価格が見えない分だけ導入検討企業にとって「補助を引いた後の実質負担」が読みにくい。令和7年度補正予算の公募期間は2027年1月15日までで、次の予算サイクルで補助額や条件が変われば、folofly の価格訴求力もそのまま変わる。本体価格を公開しない限り、folofly の商用EV事業は制度の持続性に対する耐性が低いままだという見方はできる。

次の交付申請公募は2027年1月15日に締め切られる。ここまでにFKT・F11の受注がどこまで伸びるかで、folofly が本体価格を公開するかどうかの判断も変わってくるはずだ。

出典

BLADE NOTE編集部

BYD・中国EVの価格・補助金・販売店の情報を、メーカー発表や官公庁資料などの一次情報をもとに日本語で整理しています。記事作成には AI を活用し、数値と事実関係は編集部が一次資料で確認しています(編集方針)。